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健康診断には個人で受けるものと事業所単位で受けるものがあり、後者は法定健診と呼ばれています。法定健診を受けた結果は、事業所のものでもあり、個人のものでもあるという考え方をされます。

事業所のものというのは、健診の費用を企業や団体が負担したからということだけでなく、事業所の中の健康づくり、健康な社員による健全な企業などの運営にとっても重要なデータであり、これを生かすことが事業所の将来の活動になって重要な役割を果たしているからです。

社員の健康づくりを企業の資産と同様の考え方をして、企業の強みの一つにしていこうという取り組みは“健康経営”と呼ばれています。これを一歩進めて、“健康戦略”にまで高めようという企業も増えてきています。

実際に健康診断の結果を、病気にならないで働くための指標とするのではなく、業績の向上や離職率の低下に結びつけていこうという戦略的な経営も注目されています。健診結果を活かした企業の健康づくりを戦略として捉え、そこで働く人の健康づくりを戦術として進めていくことによって、戦いに勝ち抜く集団にするのもタクティシャン(戦略・戦術参謀)の役割です。

疲れ切った軍隊では、どんなに優れた戦う力があっても発揮することができなくなります。体力と気力が充実した状態が保持されてこそ、企業の理念に沿った戦略を順調に進めることができます。そういった意味では健康戦略が企業の戦略の基礎となるということが言えます。

企業が戦いを挑む相手は、ライバル会社だけでなく、社員の健康を蝕む病気であり、健康を弱めるような生活習慣です。それとの戦いを、経営側や上司から言われて取り組むのではなくて、個人が健康リテラシー(健康に関わる情報を的確に得て実践する能力)を高めて、さらにモチベーションを高めたまま臨めるようにする環境づくりも重要な企業戦略となっていくと認識しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

膝の関節に痛みがある疾患としては、変形性膝関節症、関節リウマチ、半月板損傷、膝靭帯損傷など、さまざまな原因がありますが、中でも圧倒的に多いのは変形性膝関節症です。50歳以上では2400万人と、発症は2人の1人の割合となっています。

これはレントゲンで確認された数であって、このうち痛みを感じている人、訴えている人は820万人とされています。これは6人に1人の割合になりますが、女性の発症率が高く、男性に比べると1.5〜2倍になっています。

これは女性の場合には筋肉量が少なく、膝にかかる負荷が大きい上に、年齢を重ねると体重が増加することも原因とされています。

膝に痛みがあるときには、激しい運動を避けることだけでなく、歩くことも控えるように指示されることもあります。しかし、原因が変形性膝関節症であって、軟骨がすり減った状態では膝関節を動かさないことによって、膝の痛みが解消しないことにもなります。

というのは、膝関節の軟骨は、血管を通って軟骨成分が直接的に運ばれているわけではなく、関節を包む滑膜(滑液膜、関節包)の中の粘度のある液体に入ってから軟骨に入っていくからです。滑膜の中に軟骨成分が入るためには、膝関節が動いて、滑膜が収縮を繰り返して、その周りにある血管を通して軟骨成分を取り込む必要があります。

そのためには膝が動く必要があって、痛いからといって動かないでいると軟骨が回復しにくくなるのです。だから、少しずつでもよいので歩くことがすすめられます。

痛みがあって歩きにくいときには、2本のポールを使って、膝への負荷を弱めて歩くこともすすめられます。

変形性膝関節症や関節リウマチによって傷んで変形した膝関節を人工関節に置き換える手術(人工関節置換術)をしたときには、できるだけ歩かないことが指示されることがあります。

人工関節は耐久性が上がってきたとはいえ、耐久年数は20年ほどだからです。ところが、内科系の医師からは血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値が高いときには歩いてエネルギー消費を高めて改善することが指示されます。

整形外科では歩かないように、内科では歩くようにという逆の指示に対して困惑させられることもあるわけですが、これも2本のポールを使って歩くことで膝にかかる負荷を弱めて、エネルギー消費を高めるという両方がかなえられることになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

苦しかった時代のことは思い出したくないという人も多いのですが、なぜか思い出したくないことを思い出し、思い出したいことが思い出せないということがあります。これも年齢を重ねてきて、いろいろと体験しすぎたことや、脳の機能の低下が関係しているのかもしれません。

私の親の世代に聞くと、思い出したくない言葉というかキャッチフレーズとして「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」があげられることが多いようです。これは戦時中の国策標語の一つで、「欲しがりません勝つまでは」と並んであげられます。

物や金がなければ知恵でなんとかしろといった意味で、資源不足も貧困も個人で対応しろという精神論の最たるものです。「精神論では勝てない」ということは、幼いときに親元を離れて暮らしていた母の実家の寺の行事のときに、檀家の方々がよく話していたことで、子ども心にも強いインパクトを持って感じ入っていました。

苦しい時代になると、驚くような標語が出てくるのは世の常で、コロナ禍の時期にも「足らぬ足らぬは我慢が足らぬ」と言う人が増えました。本当なら、コロナ禍にこそ「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」と言いたかったところですが、戦争の時代と比較することへの抵抗もあってのことかと思います。

いくら工夫をしても対応できない状況になったときには、工夫をし続けなければいけないということで「足らぬ足らぬは努力が足らぬ」というキャッチフレーズも出てきました。このキャッチフレーズは、東京で仕事をしていた大手広告代理店からの依頼で、時代を反映したフレーズの案として提案したときに、他の方が提案したものです。

そんな「足らぬ足らぬ」と言わないで済むような時代が、いつまでも続くことを願って、倫理コラムとして書きました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

広く健康に関わる記念日について紹介します。

11月1日 日本Glycemic Index研究会がグリセミックインデックス(GI)の血糖値が上昇しにくい低GI値の普及のために、体にいい(11)の語呂合わせと、IndexのIを1に見立てて「低GIの日」と制定。日本医師会の設立日の1947年11月1日と、いい(11)医(1)療の語呂合わせで「いい医療の日」と制定。かんぽ生命保険が1928年11月1日にラジオ体操が初めて放送化されたことから「ラジオ体操の日」と制定。横芝光町商工会(千葉県横芝光町)が1917年11月1日に日本初のソーセージが博覧会に出たことにちなんで「ソーセージの日」と制定。野沢温泉観光協会(長野県野沢温泉村)が野沢菜の蕪主総会が11月1日に開催されることから「野沢菜の日」と制定。日本紅茶協会が1791年11月1日にロシアのエカテローナ2世から日本人で初めて大黒屋光太郎が茶会に招かれて紅茶を飲んだことにちなんで「紅茶の日」と制定。森永乳業が森永ビフィズス菌ヨーグルトの発売日の1978年11月1日にちなんで「ビフィズス菌ヨーグルトの日」と制定。毎月1日は「あずきの日」(井村屋グループ)、「釜飯の日」(前田家)、「Myハミガキの日」(ライオン)。

11月2日 カゴメが、いい(11)血圧(けつあつ=ツー)の語呂合わせで「いい血圧の日」と制定。日本習字教育財団が、いい(11)文字(02)の語呂合わせで「習字の日」「書道の日」と制定。全道青果物取扱対策会議玉ねぎ取扱対策会議とホクレン農業協同組合連合会(北海道札幌市)が、いい(11)オニオン(02)の語呂合わせで「北海道たまねぎの日」と制定。

11月3日 自由と平和を愛して文化をすすめる日として国が「文化の日」と制定。日本助産学会、日本助産師会、日本看護協会、全国助産師教育協議会が、いい(11)お産(3)の語呂合わせで「いいお産の日」と制定。日本内分泌学会がアドレナリンを発見した高峰譲吉博士の誕生日(嘉永7年11月3日)にちなんで「ほるもんの日」と制定。全国凍豆腐工業協同組合連合会が高野豆腐を食べて新年を迎えてほしいとのことから高野(58)の語呂合わせで新年まで58日である11月3日を「高野豆腐の日」と制定。日本アロマ環境協会が文化の日を「アロマの日」と制定。日本オゾン協会と日本医療・環境オゾン学会がオゾンの化学式がO3で、いい(11)オゾン(03)の語呂合わせで「オゾンの日」と制定。日本野菜ソムリエ協会が、いい(11)味(3)の語呂合わせで「調味料の日」と制定。岡野電気(埼玉県さいたま市)が、いい(11)耳(3)の語呂合わせと、難聴ケアを文化にしたいという思いも込めて文化の日を「難聴ケアの日」と制定。毎月3日は「くるみパンの日」(カリフォルニアくるみ協会)、「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

11月4日 味のちぬや(香川県三豊市)が、かき揚げが麺に乗せて食べられることからカレンダーで11月11日の「めんの日」の上の11月4日を「かき揚げの日」と制定。毎月4日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

11月5日 全国胡麻加工組合が、いい(11)ご(5)まの語呂合わせで「ごまの日」と制定。日健協サービス(埼玉県鴻巣市)が、いい(11)酵(5)母の語呂合わせで「いい酵母の日」と制定。神話の国・縁結び観光協会(島根県松江市)が、いい(11)ご(5)縁の語呂合わせで「縁結びの日」と制定。北里大学北里研究所病院(東京都港区)が予防医学で寄与することを目的として北里柴三郎が北里研究所を設立した1914年11月5日にちなんで「予防医学デー」と制定。毎月4日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

11月6日 あじかん(広島県広島市)が節分(立春、立夏、立秋、立冬の前日)に巻寿司を丸かぶりすると幸運が訪れるといわれていることから「巻寿司の日」と制定。石橋工業(福岡県筑後市)がいい(11)麦(6)の語呂合わせで「いいもち麦の日」と制定。パティスリードパラディ(東京都文京区)はロールケーキ専門店ARINCO(アリンコ)を運営しており、いい(11)ロール(6)ケーキの語呂合わせで「アリンコのロールケーキの日」と制定。毎月1日は「あずきの日」(井村屋グループ)、「釜飯の日」(前田家)。

11月7日 丸協食産(長崎県佐世保市)が、いい(11)もつ鍋(7)の語呂合わせで「もつ鍋の日」と制定。日本酒がうまい推進委員会が二十四節気の立冬に合わせて「鍋と燗の日」と制定。ヤマキ(愛媛県伊予市)が立冬の日を「鍋の日」と制定。森永製菓がココアは体が温まる飲み物であることから11月上旬の立冬を「ココアの日」と制定。フジッコが食物繊維の入った温かい食事をする腸温活の普及のために立冬の頃ということで11月7日を「腸温活の日」と制定。トリドールホールディングス(丸亀製麺)が立冬に夜泣きうどんを食べてほしいと「夜泣きうどんの日」と制定。タカナシ乳業がヨーグルトでいいおなかを心がけるきっかけにしてほしいと、いい(11)おなか(7)の語呂合わせで「いいおなかの日」と制定。日本ソース工業会が設立の1947年11月7日と、ウスターソースのエネルギー量が100gあたり117kcalであることから「ソースの日」と制定。釧路地域ブランド推進委員会が、ししゃもフェアの初日で、いいな(117)の語呂合わせで「釧路ししゃもの日」と制定。丸協食産(長崎県佐世保市)が、いい(11)もつな(7)べの語呂合わせで「もつ鍋の日」と制定。毎月7日は「生パスタの日」(全国製麺協同組合連合会)。

11月8日 日本矯正歯科学会が、いい(11)歯(8)の語呂合わせで「いい歯はならびの日」と制定。ユニリーバ・ジャパンが、いい(11)肌(8)の語呂合わせで「いいお肌の日」と制定。佐藤製薬が、いい(11)歯(8)ぐきの語呂合わせで11月8日と9日を「いい歯ぐきの日」と制定。日本矯正歯科学会が、いい(11)歯(8)の語呂合わせで「いい歯ならびの日」と制定。カルビーが堅あげポテトが発売された1993年11月8日にちなんで「堅あげポテトの日」と制定。徳島県蓮根消費拡大協議会(JA全農とくしま)が、いい(11)は(8)すの語呂合わせで「徳島県れんこんの日」と制定。トリドールホールディングスが立冬を「夜なきうどんの日」と制定。比呂野(愛知県名古屋市)が立冬にとんかつを食べて活力をつけて冬を乗り越えてもらおうと「立冬はとんかつの日」と制定。毎月8日は「生パスタの日」(全国製麺協同組合連合会)、「ホールケーキの日」(一柳)、「歯ブラシ交換デー」(ライオン)。

11月9日 日本電機工業会が、いい(11)く(9)うきの語呂合わせで「換気の日」と制定。いい靴の日プロジェクトが、いい(11)く(9)つの語呂合わせで「いい靴の日」と制定。ドリーム・アーツ(東京都渋谷区 )が、いい(11)空(9)気の語呂合わせで「IT断食の日」と制定。安曇野食品工業(長野県松本市)がタピオカミルクティーを2002年11月に日本で初めてチルドカップ容器で製造販売したことと、この商品がQ−PONと呼ばれたことからQ(9)と組み合わせて「タピオカの日」と制定。佐藤製薬が、いい(11)歯(8)ぐき(9)の語呂合わせで「歯ぐきの日」と制定。毎月9日は「クレープの日」(モンテール)。

11月10日 日本トイレ協会が、いい(11)トイレ(10)の語呂合わせで「トイレの日」と制定。パナソニックが頭皮ケアの重要さをアピールすることを目的として、いい(11)頭(10)皮の語呂合わせで「いい頭皮の日」と制定。全日本断酒連盟が1963年の11月10日が設立記念日で、もう飲ベンバー(ノヴェンバー=11月)、酒、止まる(10日)の語呂合わせで「断酒宣言の日」と制定。デロンギ・ジャパンがヒーターを準備して寒い冬を暖かく過ごしてもらうことを目的として、ヒー(11)ト(10)の語呂合わせで「ヒーターの日」と制定。Style A 芝公園(東京都港区)がスラッとした美脚をイメージする11と痩せてはいないイメージの10から「下半身痩せの日」と制定。全国油菓工業協同組合が、かりんとうの形を11、砂糖の糖を10と読む語呂合わせで「かりんとうの日」と制定。Kigg(兵庫県神戸市)が紅茶をおいしく感じられる11月と10を横にするとソーサーとカップに見えることから「和紅茶の日」と制定。毎月10日は「糖化の日」(AGE測定推進協会)、「パンケーキの日」(日本ハム)、「コッペパンの日」(全日本丸十パン商工業協同組合)、「アメリカンフライドポテトの日」(米国ポテト協会)。

これまで特定非営利活動法人(NPO法人)から始まって、新たな法人制度が設けられるたびに一般社団法人、一般財団法人の設立、公益社団法人、公益財団法人への移行を支援してきました。自分でも代表や役員となって、複数の公益活動をするための団体を作ってきました。

こういった法人は、設立にかかる費用は、とりあえず出せる人に出してもらって、会費や活動収益から返して終わりということにしてきました。してきたというよりも、それが慣習で、費用を返した段階で権利も責任もなしというのが当たり前の感覚です。

ところが、設立後の活動に設立費用を出したが、役員でも職員でもないのに活動に口出しをしてきて困ったことがあります。費用を出したのは活動によって利益を得る理事だと思っていたのですが、実際に振り込んだのは役員の奥さんで、口出ししてきたのも奥さんでした。

それはおかしいのではないかと他の役員とともに話をしたときに返ってきたのが、「設立費用を出した人の権利」で、これを聞いたときには他の役員も一瞬、言葉が出せなくなってしまいました。あまりに常識とはかけ離れたことだったので。

理事ではなく、奥さんが振り込むことも聞いていなくて、誰が振り込んでも理事個人や理事が代表の会社の名前だったら問題はなかったのでしょうが、振り込みの記録を見たら、名字が同じ奥さん個人の名前になっていました。

どんな意図があって、そのようなことをしたのか、それを聞くこともなく、一緒に活動をしようと集まっていた方々は離れていきました。その法人は今も残っていますが、公益活動ではなく、その会社が販売する商品の効能効果を述べるという活動だけで、定款に記載されている内容とは大きく異なっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

2本のポールを使って歩くノルディックスタイルのウォーキングについては以前に(健康スポーツ5)紹介しました。

ツイン(twin)は対(つい)を意味する言葉です。ツイン(twin)・ウォーク(walk)は「2人で歩く」「2本のポールを使って歩く」との意味も含めたネーミングではあるのですが、歩く(walk)ことには一般にイメージされる効果に加えて、別の効果もあることを示しています。

その複数の効果を得るために、同じ歩くにしても姿勢を変える、速度を変える、ポールを使うなど歩き方を変えるといった方法を採用しています。

複数の方法によって複数の効果が得られるとしても、初めから数多く出しすぎると理解するのも実践するのも難しくなるということを考慮して、2つの方法による2つの効果ということから「ツイン・ウォーク」という言葉を共通認識のために使いました。

2つの方法は、普通歩行と速歩、有酸素歩行と無酸素領域歩行、身体機能向上歩行と認知機能向上歩行、ウォーキングとポールウォーキング、ポールウォーキングとポールストレッチで、ここから始まりますが、さらに他のツイン・ウォークの方法があります。

〔ツイン・ウォークの取り組み〕
*通常歩行と速歩による健康効果向上
*ウォーキングとポールウォーキングの活用
*ポールウォーキングとノルディックウォーキングの使い分け
*有酸素運動と無酸素(領域)運動のためのウォーキング
*EPOC効果で代謝を高める2つの歩き方
*2本のポールを使ったストレッチと筋トレ
*疾病リスク別の効果的な歩き方

また、ツイン・ウォークには、対象者がツイン(対等)の関係で一緒に取り組んでほしいという思いも込めています。

〔ツインの関係での推進〕
*成人と高齢者が一緒に楽しめるウォーキング
*成人と子どもが一緒に楽しめるウォーキング
*ウォーキンググループと自治体の連携
*ウォーキンググループと健康づくり関連団体との連携
*指導者と参加者による健康ウォーキングの構築
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ウォーキングはスポーツかどうかという議論は前から、そして今でも続いています。競わないスポーツである市民スポーツの国際市民スポーツ連盟に日本も所属していて、日本市民スポーツ連盟の活動の中心はウォーキングです。

日本市民スポーツ連盟と連携しているのは日本ウオーキング協会です。ウォーキングは一般名称で、ウオーキングは日本ウオーキング協会の固有名詞です。

何を競うかというと、それは時間です。一定の距離を同じ歩くという手法で、時間を競い、それを記録するというイベントもあるのですが、日本ウオーキング協会が記録するのは一定の距離を歩いたということだけで、出されるのも完歩証だけです。

これに対してスポーツとして実施されるウォーキングは、距離を定めて時間を記録していますが、時間を短くするために走ることは禁じられています。あくまで歩くことによる時間となるので、認められるのは早歩きです。

早歩きはスポーツと同じ身体機能の向上が認められています。走らないものの必死になって歩くスピードでは、ジョギング以上の消費エネルギー量となります。しかし、早歩きも慣れていない人が行うと、スポーツと同様、場合によってはスポーツ以上の負担がかかります。

そこで運動効果が高い早歩きと、普通歩行を繰り返す歩き方が行われ、この歩き方だと効果が高いまま、長く続けることができます。このような早歩き(速歩)と普通歩行を繰り返す方法はインターバルウォーキングと呼ばれています。

インターバルウォーキングは、歩行時間を定める場合と、定めない場合があります。ただ、歩くだけではなくて、歩いている途中で呼吸を整えないと実施できない吹き矢やボールの的当てなどを入れることによって、時間と点数を組み合わせる方法もあります。これはクロスカントリースキーと射撃を組み合わせたバイアスロンを参考にして考えられたものです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

食事と運動という健康づくりの基本は、別々に語られることもあるものの、両方を組み合わせることによって、その効果を高めることができます。その説明にも複数の根拠が示されていますが、私たちが研究するメディカルダイエットではエネルギー代謝を高めることを目的として食事と運動を組み合わせた実践をすすめています。

食事と運動の組み合わせというと、私たちのNPO法人(特定非営利活動法人)が日本メディカルダイエット支援機構という名称であることもあって、ダイエットについて発想されることが多くなっています。

それは体重や体脂肪の増減のことで、食事量が増えるか運動量が減れば太る、食事量が減るか運動量が増えればやせるといった単純な考えです。それは事実ではあっても、できることなら食事量を減らさずに好きなものを食べて、運動をするにしても無理がない範囲にしたいというのは多くの人が望むことです。

「それが可能であったら、もっとダイエットに、そして健康づくりに取り組む人が多いのに」と言われることも多く、それを可能にしたのがメディカルダイエットの食事と運動のタイミングです。

このタイミングの効果を高めるためには、食事でいうとエネルギー代謝を高めるための栄養素の摂取であり、運動でいうとエネルギー代謝を進めるために必要な酸素摂取量を増やす有酸素運動です。

詳しい内容については徐々に説明させてもらいますが、これはメディカルダイエットに関する資格認定講習の中心テーマであり、この食事と運動の組み合わせを知ることで、健康リテラシーの向上につながっています。そのモチベーションは、無理なく、無駄なく続けられる健康法があることに気づくことによって高まります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

1日に必要な摂取エネルギー量は、性別、身長、体重、活動量などによって異なりますが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年)に計算法が示されています。これを参考に、多すぎず、少なすぎないエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を摂れば健康が維持されるというのは基本的な考えです。

エネルギー源が不足していてはエネルギーも多く作り出せないということになるのですが、それだけで可能なのかというと、そうではありません。1日分の摂取エネルギー量で不足する分を補うエネルギーチャージという方法もあるものの、エネルギー源を摂っても、これがエネルギー化されないのでは、エネルギー源が余分なものとして脂肪に合成されてしまいます。

エネルギー源を摂って、身体を動かしていても太ってしまう、やせないという人は、エネルギー源を代謝させるために必要な栄養成分が不足していることが考えられます。

糖質はブドウ糖に分解され、脂質は脂肪酸に分解され、たんぱく質はアミノ酸に分解されたのちに、細胞のミトコンドリアに取り込まれて、高エネルギー化合物のアセチルCoAに変化します。その後にミトコンドリアの中でエネルギー代謝が行われるTCA回路に入ります。

このうちエネルギー源から脂肪酸、アミノ酸に分解されるときに水溶性ビタミンが必要になります。また、ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸からアセチルCoAに変化するときにも水溶性ビタミンが必要になります。

さらに、TCA回路でエネルギーが発生するときには4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要になります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

早食いは太る、健康に悪影響を与えると言われますが、このことについての研究も、さまざまな機関で行われてきました。食べるのが早く、飲み込むまでの咀嚼する回数が少ないほど、体重、BMI(体格指数)が増加することは知られたことであり、早食いが食べ過ぎに関係すること、食事誘発性体熱産生量を減らすことが理由として説明されています。

しかし、固体について飲み込むときの食べ物の大きさと食事誘発性体熱産生量については、明らかにされてこなかったところがあります。

その食べ物の大きさと食事誘発性体熱産生量については、早稲田大学の研究グループが液状の食物でも同じようなことが起こるかの研究に取り組み、その結果を発表しています。

被験者は11名、平均年齢は23歳で、安静時の値を測定した後に、全員に日をあけて3回ずつ異なる試行方法で、同じ飲料を5分間で摂取してもらっています。その飲料は20mlのコップに分けた10杯のココア味の飲料で、合計200mlです。

一つ目は、飲料20mlを30秒ごとに1回飲み込むことを10回繰り返しました(対照試行)。二つ目は、飲料20mlを30秒間、口に含んだ後に飲み込むことを10回繰り返しました。そして、三つ目は、30秒間、口に含んでいる間に、1秒に1回噛んでから飲み込むことを10回繰り返しました。

各回ともに摂取前から摂取90分後まで、ガス交換変量を計測して、その値からエネルギー消費量を算出して、食事誘発性体熱産生量を求めました。食事誘発性体熱産生量は食後のエネルギー消費量から、食事前の安静時を引いたものを表しています。

その結果は、食後90分間の食事誘発性体熱産生量の総計は対照試行の場合は平均3.4kcalでした。味わう時間を長くした試行では平均5.6kcal、咀嚼を加えた施行では7.4kcalと高い値を示しました。

この結果から、固形のものだけでなく、液状のものであっても、ゆっくりと味わい、よく噛んで摂取することによって食事誘発性体熱産生量が増加することが明らかにされました。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕