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約束したことができないときの言い訳は、明言と呼ばれるものもあれば、これは無理だろうというものもあり、東京で仕事をしていたときに言い訳集を書籍にしたことがあります。その中でも多かったのが作家の締め切りを伸ばすための言い訳で、これについては作家団体の理事を務めていたので伸ばす側の言い訳は、いくらでも知っていました。

その逆で、少しでも早く原稿を書いてもらう編集の立場で、どんな言い訳をされても伸ばさせないということも経験してきました。こちらは主には健康に関わる部分であったので、書き手が健康を害してまで早くとは言えなかったのですが、それ以外なら何を言われても“初耳”ではないという状態でした。

それなのに“初耳”で、聞き間違いではないのかと“二度見”ならぬ“二度聞き”したことがあります。これはテレビ番組の制作での経験でした。番組の根幹になるタイアップの取材をギリギリまで待っていたのに、連絡をしてもつながらず、出向いていそうなところに連絡をして、やっと捕まえたときのことでした。

間に合うのかと聞いたところ返ってきたのが「嘘つきになりたくないからやらない」という言葉でした。「嘘つきになりたくないから」というフレーズに続くのは「やる」とが「頑張る」、「間に合わせる」という言葉しか知らなかったので、「やらない」という言葉が出てきたときには一瞬、声が出なくなってしまいました。

結局は間に合わないので責められないように逃げていたということですが、このフレーズは一時期、テレビ業界で流行ほどではないものの、よく聞くようになっていました。

そのときには、緊急事態のために仕込んでいたネタがあったのでトラブル回避はできたのですが、私が大切に付き合ってきた薬学博士に無理を言って、生放送に登場してもらうことになり、そのときの義理を返すのに何年もかかったことを今でも苦しく思っています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ストレスが強まるとホルモン分泌にも影響が出てきます。このことが肌荒れとも密接に関係しています。特に女性は、周期的なリズムで繰り返される女性ホルモン分泌の影響を受けやすく、ストレスが生理周期を乱すということは、すでに知っていることかと思います。

ホルモンは非常に少ないもので、血液中のホルモン量は50mプール1杯に対してスプーン1杯ほどの割合です。そんなにも少ない量で働いているだけに、少しの変化でも身体に大きな影響を与えることになります。

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。このうち肌に特に影響を与えているのはエストロゲンです。

エストロゲンは生殖器官を成長させ、維持させる働きがあるホルモンで、排卵期に多く分泌されるようになります。生理前にはエストロゲンが減って、代わりにプロゲステロンの分泌が多くなっていきます。

エストロゲンには肌の水分と脂質を保持して肌のバリア機能を強化して、角質を柔らかくして、肌の保水力を高める作用があります。この肌に大切な役目をしているエストロゲンが減ると肌が乾燥しやすくなり、角質が固くなっていきます。

ストレスによってエストロゲンの分泌が減ると肌荒れが起こりやすくなるわけですが、ストレスが肌に与える影響は、これだけではありません。

ストレスが強まると、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが多く分泌されるようになります。コルチゾールは副腎皮質から分泌されていて、肝臓で糖を作り出したり、脂肪の分解などの働きがあります。これはプラスの面ですが、マイナスの面としては肌のバリア低下、肌の乾燥、コラーゲン量の減少などがあげられます。

コルチゾールには線維芽細胞の細胞骨格を乱す作用があることもわかっています。線維芽細胞は皮膚の真皮にある細胞で、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった美肌のための成分を作り出しています。線維芽細胞は分裂が早くて、分裂周期が早ければ新たな線維芽細胞が効率よく美肌成分を作ってくれます。

細胞骨格というと固いものといった印象があるかもしれませんが、柔軟性があるのに、しっかりと結合しているという特徴があります。ネックレスにたとえると、糸が通されている真珠を一方に押しつけると固く結合されたようになり、糸をゆるめると自由に曲がることを想像してみるとわかりやすいかもしれません。

細胞骨格は細胞の形を維持して、細胞の機能を正常に保つ機能があるのですが、線維芽細胞の細胞骨格が乱れると細胞内での物質の輸送や情報伝達が正常に行われなくなり、細胞の基本的な機能が低下するようになります。

コルチゾールが線維芽細胞に作用すると、細胞骨格が太く、線維質になります。そのときには肌の赤みやごわつきが起こるようになります。

コルチゾールには線維芽細胞の神経細胞を刺激する作用があるため、このことが肌の赤みやごわつきを起こすと考えられています。しかも、徐々に起こるのではなくて、コルチゾールが血液中に増えると急に神経が刺激されることから、強いストレスを受けたときに、急に肌荒れが起こることにもなるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

活性酸素の発生を抑えることはできなくても、体内には活性酸素を消去する酵素があって、少しの量の活性酸素なら身体に影響が出ないようにすることができます。活性酸素を消去する酵素は白血球で作られています。

それはスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼといって、活性酸素に欠けたマイナス電子を与えて、元の酸素に戻しています。

子どものときには紫外線を浴びても、それほど肌荒れが起こらないのは、これらの抗酸化酵素が多いからです。年齢を重ねるにつれて抗酸化酵素が減っていくので、それを補うことをする必要があります。

抗酸化酵素が働くには補酵素が必要で、その役割をしているのは亜鉛、銅、セレン、マンガンといったミネラルです。

ビタミンには活性酸素を直接消去する作用があるものがあります。それはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの3種類で、これらを合わせて「抗酸化ビタミンのACE(エース)」と呼んでいます。

それぞれ活性酸素に電子を与える作用があるのですが、中でも強い働きをするのはビタミンEです。では、ビタミンEだけを摂っていればよいのかというと、そうはいきません。ビタミンAとビタミンCは活性酸素にマイナス電子を与えると破壊されるのに対して、ビタミンEはマイナス電子が欠けたまま存在しています。そして、近くにある細胞からマイナス電子を奪う活性型ビタミンEになってしまいます。

この活性型ビタミンEにマイナス電子を与えて、元のビタミンEに戻す役割をするのがビタミンCです。電子のバランスが取れたビタミンEは再び活性酸素を消去します。抗酸化を目的とした飲料やサプリメントには、ビタミンCとビタミンEが使われているのは、こういった理由があるからです。

ビタミンCは、発生酸素を素早く消去する働きがあります。タバコを1本吸うとビタミンCが約25mg破壊されるといいます。1日のビタミンCの推奨量は100mgなので、タバコを4本吸ったらビタミンCがなくなる計算になります。喫煙者にはビタミンCの積極的な摂取がすすめられています。

ビタミンCを多く摂取しているからといって喫煙を続けてよいということではありません。タバコに含まれるニコチンやタールなどは活性酸素を多く発生させるだけではなくて、血管を収縮させる作用があります。特に強く作用するのはニコチンで、血管の収縮による血流の低下は肌の老化を進める原因にもなっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

年齢に関係なく楽しめる健康スポーツは、それぞれのスポーツを続けることで心肺機能が高まり、体力がつき、健康度が高まっていくことが期待されます。その期待をかなえてくれるスポーツが存在している一方で、ゲーム性やコミュニケーションを重視して、身体的な健康度の向上を主とはしていないスポーツもあります。

どちらがよいということではなく、それぞれの希望や目的に合ったスポーツを選んで、楽しみながら続けることで達成感が得られることが重要と考えられています。というのは、スポーツを通じた心身の健康づくりに身を置くことによって、健康意識が高まり、それが日常生活の健康度を高める結果となることがあるからです。

スポーツそのものの身体の健康向上よりも、スポーツを実施する場所に向かうために歩くことが健康づくりにつながる、出かけようとするモチベーションが大切、区切りをつけた生活が認知機能を高めるという研究成果もあって、スポーツをすることだけでなく、その運営に関わること、応援することも健康効果につながっていきます。

健康スポーツを楽しんでいるときだけでなく、普段から健康に気を使い、食事や日常的な身体活動、睡眠、ストレスケアなどにも積極的に取り組むことによって、より健康効果が高まることも期待されます。

競技への対応力を高めるためには、体力や集中力を低下させないようにすることも大切で、そのために歩く時間が増えた、体操やストレッチをする機会が増えたという例も少なくありません。

健康スポーツというと、それぞれのスポーツをすることによる健康効果が語られることが多いのですが、スポーツを続けたい、楽しく結果を残したい、年齢よりも若々しく過ごしたいという意識が、スポーツをしているとき以外のモチベーションを高め、総合的な好結果につながっていくのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

エネルギー代謝の促進が最も活かされる生活習慣病は糖尿病の予防と改善といえます。糖尿病は血糖値(血液中のブドウ糖の割合を示す値)が高くなりすぎて、細胞のエネルギー代謝が低下するために血管の新陳代謝が低下して、血管の老化が進んでいく疾患です。

血液中のブドウ糖(血糖)は、細胞に取り込まれてエネルギー化されますが、多くのブドウ糖が取り込まれるのは筋肉の細胞です。筋肉の細胞にブドウ糖が多く取り込まれると、細胞内のミトコンドリアで優先的にエネルギー化されます。

生命維持のための基礎代謝のうち筋肉の消費エネルギーの割合は、一般には35〜38%とされています。基礎代謝は全体の消費エネルギーのうち約70%を占めているので、全体の24〜27%を筋肉が使っていることになります。

そのため、筋肉が多い人はエネルギーが多く使われ、ブドウ糖の消費も進んでいきます。また、筋肉量が多くなくても、筋肉を使う時間を長くすることによって血糖値を下げることができるようになります。

糖質を多く摂ることで血糖値が上がりやすく、糖質を制限すると血糖値が下がりやすくなることから、糖尿病になると食事による糖質の摂取量を減らすか、糖質からブドウ糖に分解される胃で分泌される酵素の働きを抑える医薬品が使われます。

糖尿病の治療は、本来なら食事療法で血糖値を下げるようにして、それで効果は得にくい場合には運動療法が行われます。これでも血糖値が下がりにくい場合に医薬品が使われるのが原則です。

その運動療法としてすすめられるのはウォーキングなどの有酸素運動ですが、糖尿病では筋肉のエネルギー代謝が低下していることが多いため、筋肉量を増やす無酸素運動もすすめられます。歩くことで筋肉も強化できる早歩きは無酸素運動まではいかなくても、無酸素領域に近づくことで筋肉強化の効果もあり、少なくとも筋肉を減らさない効果を得ることが可能です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

ストレスによって肌荒れが起こるメカニズムの一つに活性酸素の存在があります。活性酸素というと、体内に吸い込んだ酸素が通常の酸素よりも活性化されたものを指しています。詳しい仕組みはわからなくても、細胞を傷つけるもの、身体を老化させるものということは知っている方は多いと思います。

金属が酸化することにたとえて、細胞をサビさせるものと説明されることもあるのですが、活性酸素が発生することで肌に特に影響を与えるものがあります。それは紫外線で、紫外線を浴びると肌が老化しやすいことから、こちらのほうが理解しやすいかもしれません。

紫外線を浴びると活性酸素が発生するのは、酸素(O₂)が分解されてオゾン(O₃)が発生します。オゾンは紫外線を吸収すると分解されて、電子が一つ欠けて活性酸素となります。

通常の酸素はプラスとマイナスの電子が4つずつ対になっていて、バランスを取っています。マイナス電子が1つ欠けると不安定な状態になるため、他のところからマイナス電子を奪って元の状態に戻ろうとします。

これによって活性酸素は普通の酸素になるのですが、問題は電子を奪われたほうで、細胞から電子が奪われると、その細胞は破壊されてしまいます。これが紫外線を浴びると活性酸素によって細胞が破壊されて肌荒れが生じる仕組みです。

詳しいメカニズムは電子のやり取りなので難しいのですが、紫外線と活性酸素の関係を理解するには、このような説明でよいかと思います。

ストレスによる活性酸素の発生の仕組みは、紫外線による発生と少し違っています。

ストレスを感じると自律神経の交感神経の働きが強くなって血管が一時的に収縮します。そのために血液の流れが低下します。この収縮が解消されるときには、血流が盛んになり、多くの酸素が一気に細胞に運ばれるようになります。細胞の中では酸素を使ってエネルギーを発生させていて、急に酸素が増えると活性酸素も多く発生するようになります。

一般には吸い込んだ酸素の2〜3%が細胞の中で活性酸素に変化するとされているものの、急に酸素の取り込みは増えると活性酸素が増えてしまいます。活性酸素の発生は、細胞の中の不完全燃焼にたとえられます。細胞の中でブドウ糖や脂肪酸を取り入れてエネルギーを作り出しているのはミトコンドリアというエネルギー産生器官です。

ミトコンドリアは1〜2μmと非常に小さなものであっても、1つの細胞に200〜3000個もあり、全身のミトコンドリアを合わせると体重の10%にもなります。

それだけ重要な器官ということで、エネルギーを作り出すために酸素を取り込んだときには、活性酸素も多く発生させることになります。

活性酸素は、紫外線やストレスのほかにも過剰な運動、睡眠不足、農薬、化学物質、放射線、喫煙、排気ガス、高血糖状態などによっても多く発生します。活性酸素を発生させる原因から逃れられないだけに、いかに発生した活性酸素を消去するかということが必要になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

自律神経の交感神経の働きが盛んになりすぎるストレス状態は、消化、吸収と並んで排泄にも影響を与えるわけですが、便通がよくないと肌に悪影響を与える有害物質が肌荒れを起こす原因にもなります。

腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在していて、腸内環境がよいとされる人の場合には「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合になっているといいます。

便通がよくないと悪玉菌が増えやすくなり、善玉菌が増えにくくなるために、どうしても悪玉菌が優位になりがちです。悪玉菌は有害物質(毒素)を作り出しますが、それは大腸の壁を通過して血液中に入っていきます。この有害物質は肝臓で解毒をされるものの、多くなりすぎると充分に解毒されなくなり、再び血液中に入ります。

その毒素が皮膚に送られると、これが肌荒れの原因となります。便秘をすると肌荒れをするという人は悪玉菌が多く、有害物質が多く作られていることが考えられます。

善玉菌が主にエサ(栄養源)とするのは糖質、乳製品(乳糖)、食物繊維で、悪玉菌が主にエサとするのは動物性たんぱく質と脂肪です。肉食や油の使用量が多い食事は、悪玉菌が増えやすくなります。

ストレスを弱める努力をしても、なかなか腸内環境が整わないという人は、善玉菌を増やす工夫が大切になるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

糖尿病と診断されるほどの高血糖状態ではないものの、血糖値が正常範囲よりも高い状態にある場合は糖尿病予備群と呼ばれます。

糖尿病の判定基準は、空腹時血糖値が110mg/dl以上126mg/dl未満、食後2時間の血糖値が140mg/dl以上200mg/dl未満の状態を指しています。

食後血糖値は、正確を期するために空腹時に75gのブドウ糖を経口摂取して2時間後に血糖値を測定するブドウ糖負荷試験が行われます。

糖尿病予備群というと血糖値が注目されがちです。血糖値は家庭用の計測装置も販売されていることから、血糖値が正常であれば安心してしまいがちですが、血糖値が食事や運動の内容で大きく変化することから、糖尿病も糖尿病予備群も、長期間の血糖値の平均を示すヘモグロビンA1cが採用されています。その数値は6.5%未満とされています。

国民健康・栄養調査では、糖尿病について「糖尿病が強く疑われる者」(糖尿病患者)と「糖尿病の可能性を否定できない者」(糖尿病予備群)とに分けています。
「糖尿病が強く疑われる者」はヘモグロビンA1cが6.5%以上、「糖尿病の可能性を否定できない者」はヘモグロビンA1cが6.0%以上、6.5%未満とされています。

糖尿予備群(境界型)の人は数年以内に糖尿病を発症する確率が高いことが統計的に明らかになっていることから、血糖値を降下させる効果がある食事療法、運動療法がすすめられます。

食事療法はブドウ糖が多く含まれる糖質(ご飯、パン、麺類)を制限するだけでなく、全体の摂取エネルギー量が血糖値に関係することから、脂肪が含まれる食品の摂取量も考慮する必要があります。

運動療法はウォーキングなどの有酸素運動がすすめられますが、ブドウ糖が多く消費されるのは歩き始めてから10〜15分くらいまでなので、血糖値を下げることが目的であるなら短時間のウォーキングを繰り返す方法がすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

業界の数だけコンサルトの種類はあると言われます。そのコンサルタントをまとめる団体・協会も数多く存在しています。

コンサルタント(consultant)は「クライアント(顧客)から相談を受けて、アドバイスを提示する仕事」とされ、顧問、相談役と訳されることもあります。

もう一歩踏み込むと、「クライアントの抱える経営課題を客観的に分析して、最適な解を導き出す仕事」と説明することができます。「解」というのは解決方法を示すだけでなく、その実行まで含んでいます。

アドバイスだけして、「結果が出せるかどうかは会社の実力次第」ということではないのですが、アドバイスをして「結果にコミットする」という、どこかのキャッチフレーズのように、責任を持って一緒に行動するのもコンサルタントに求められることです。

日本では、コンサルタントを名乗るのに必須な資格や免許はなく、誰でも始められるだけに、求めに応じることができないコンサルタントがいるのも事実です。

私たちの専門分野のメディカルダイエットの立場で言うなら、やせたいと言う人をやせさせれば任務完了というコンサルタントの仕事ではなく、やせたいという希望がクライアントにとって合っているのか、やせるための方法が適しているのか、結果として健康度が高まる方法なのか、ということまで示して、見守り、励まし、時には止めることもするべきです。

そのような役割をする専門家はタクティシャンと呼ばれます。タクティシャン(tactician)は戦術家と訳されて、ヨットレースで波や天候、他艇との駆け引きを指示するクルーを指しています。

「クライアントから相談を受けて、アドバイスを提示する仕事」というところではコンサルタントとイメージが重なるところもあるものの、タクティシャンは実務部隊と一緒に現場で戦うということはしません。

ヨットレースでも、どんな嵐の中でもクルー(チームを組む選手)と一緒になって操作することは原則としてしません。というのは、全体を見極めて、的確に指示を出す立場の専門家がいないと重要なことを見逃して、大きな間違いをしかねないからです。
ということで、タクティシャンは“軍師”と呼ばれるのが相応しく、企業へのアドバイスも軍師として寄り添うのが役割と言うことができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

歯の健康は身体の健康に大きく影響するというのは、いくつかの要因がありますが、死亡リスクを上昇させることは以前から言われてきたことです。歯を失うことは噛む機能を大きく低下させます。

全体の歯の32本のうちの1本だけの喪失であっても、噛む機能は32分の1の影響では済みません。噛むことは、歯の全体のバランスによって行っていますが、歯は噛み切る、粗く噛む、すり潰すという機能の違いがあることから、機能低下は10%単位で低下すると考えられています。

失われた歯を義歯(入れ歯)やブリッジで補うことで口腔機能を回復させることができますが、栄養摂取について、どの程度の影響があるのかについては、あまり明らかにされてこなかったところがあります。

その臨床試験として実施したのは東北大学で、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者を対象とした10%以上の体重減少の有無の追跡研究でした。10%以上の体重減少は高齢者の低栄養状態の指標として海外で報告されているものです。

対象者は5万3690人で、3年間の追跡期間中に10%以上体重減少が減少した人は5.8%でした。また、残存歯数が20本以上の人で10%以上体重が減少した人は4.3%でしたが、19本以下の人では6.8%となっていました。

これを因果媒介分析した結果、残存歯数が19本以下の人の10%以上の体重減少のリスクは、義歯・ブリッジを使っていない場合は約1.41倍、義歯・ブリッジを使っている場合は1.26倍となっていて、残存歯数が19本以下の人でも義歯・ブリッジを使っている人では体重減少のリスクが約37.3%減少することが明らかとなりました。

歯の本数が10〜19本の人では、義歯・ブリッジを使っている場合の体重減少のリスクが1.08倍と残存歯数が20本以上の人と統計学的に有意な差は見られませんでした。

残存歯数が少ない人でも、義歯・ブリッジを使用することによって、体重減少のリスクを大幅に低下させることができて、これが高齢者の健康の維持につながることが確認されたということです。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕