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サプリメント(supplement)は補助、補充、補完の意味があって、不足しているものを補うことであることから、何も栄養補給を意味するわけではない、ということを前回(Age free岡山42)説明しました。そして、栄養面での不足をアドバイスする専門職のアドバイザリースタッフについても紹介しました。

健康づくりのために不足しているものがあれば、それを補うことは第一段階となるわけですが、そのためには何が不足しているのかを知ることから始まります。栄養素であれば、基本的に必要な栄養素をベースとして、それぞれの対象者の性別、年齢、身体状況(身長、体重、腹囲など)、活動量、疾病リスクなどから増減すれば、処方箋のように増やすべき栄養素、減らすべき栄養素がわかります。

それに合わせて、実際に食べるべき食品の種類と分量を示せば、食事面での健康デザインとすることができます。これで完成ではなくて、運動面で不足している人に対して、示した運動の種類と実施法、時間などによって栄養素を増やすことも必要になり、そのために食べるべきもの、食べるタイミングなども違ってきます。

運動量が多くなれば消費エネルギー量が多くなるので、それに合わせた食事による摂取エネルギー量も違ってきます。違ってくるというのは、運動で増えた消費エネルギーの分を食事の摂取エネルギーを増やすことだけではなく、体脂肪の減少を目指す人の場合には、どこまで摂取エネルギー量を増やすのか、場合によっては同じ量であったり、逆に減らすこともあります。

こういったことも配慮して、それぞれの人に対しての補充を考え、実践のための後押しをする体制づくりも、地域の健康づくりには重要なことと考えられています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

身体年齢は平均寿命の延びと連動しているところがあります。国民の平均寿命は厚生労働省から発表されていますが、そのデータは「簡易生命表」といいます。最新版は令和5年7月28日に発表された「令和4年簡易生命表」です。

簡易生命表というのは、各年齢の人が、あと何年生きられるかを示した平均余命の推定値で、一般に平均年齢と呼ばれているのは0歳児の平均余命です。

0歳児が何歳まで生きられるかという推定は、今と同じ社会状況(経済状況や環境状況、医療状況など)が続いたとして計算されています。

これまでは、日本人の0歳児の平均余命(つまり平均寿命)は延び続けていました。そのおかげで、日本人は世界一の長生きと評価されることになったのですが、この歴史的な流れに異変が起きたのは令和3年のことです。

令和2年は男性が81.56歳、女性が87.71歳であったのが、令和3年には男性が81.47歳、女性が87.57歳になりました。男性がマイナス0.09歳、女性がマイナス0.14歳となっていました。

そして、令和4年簡易生命表では、男性が81.05歳、女性が87.09歳になり、男性がマイナス0.42歳、女性がマイナス0.48歳となりました。この傾向は0歳児だけでなく、すべての年齢で、男女ともにマイナスとなっていたのです。

このマイナスとなった歴史的な出来事の要因は、新型コロナウイルス感染症と、これが原因となった心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、老衰などの死亡率が高まったことです。がんや脳梗塞などの死亡率は低くなっていて、これは平均寿命を延ばす要因になっているはずなのに、それ以上に新型コロナウイルス感染症の影響が大きかったということを示しています。

また、がんや脳梗塞などの死亡率が低くなっているといっても、これも以前と比べると延びが小さくなっていて、このことにも新型コロナウイルス感染症が影響を与えています。

そのため、今後も平均年齢が延びない、もしくはマイナスになる状況が続くのではないかと考えられているのです。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けたのは全世界に共通していることであるので、日本人の平均寿命世界一(男性が2位、女性が1位で平均して1位)という状況は、今後も続くと予測されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

リラクゼーションというと、心身ともに緊張を解きほぐして、リラックスすることを指しています。医学的にはストレス反応として自律神経の交感神経が興奮するのに対して、副交感神経の働きを優位にすることを指しています。

ゆっくりと身体を休めることが目的とされますが、休んでいるだけでは身体をよい状態に改善することができないというのが、エネルギー代謝科学の考え方です。心身ともに回復させていくためには、エネルギーが必要で、そのエネルギーを体内で多く作り出すことが必要となります。

積極的に動くことによって、リラックスした状態になることはアクティブ・リラクゼーションと呼ばれます。この場合のアクティブというのは、リラックスできる環境を積極的に求めていくということではなくて、身体を動かすことによって神経伝達物質を多く作り、神経伝達を進め、脳の緊張状態を積極的に改善していくことが重要となります。

神経伝達物質は興奮作用があるアドレナリンやドーパミン、抑制作用があるセロトニンが代表的なものです。リラクゼーションのためには抑制作用があるセロトニンを多く作り出すことが必要で、セロトニンが多くなるとアドレナリンやドーパミンが減って興奮が抑えられるようになります。

セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから体内で合成されます。脳神経で多く使われるものの、脳で合成されるのは全体の10%ほどで、90%ほどは腸内で作られています。

腸内環境がよい状態で多く合成されるので、腸内細菌の善玉菌を増やすために、善玉菌の栄養源になる糖質や食物繊維を多く摂ることが第一条件となります。糖質は脳のエネルギー源のブドウ糖の補給源ともなります。

トリプトファンは大豆・大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)、牛乳・乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)に多く含まれています。アクティブ・リラクゼーションのためには、こういった食品を多く摂ることも大切になります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

歯科健診によって歯の健康を守ることは、全身の健康を守ることにつながります。歯が少ないと咀嚼が困難になるために、食べられるものが限られ、バランスよく栄養を摂取することができなくなります。

健康状態が保たれていない歯は、生活習慣病の原因にもなります。

また、噛む回数は記憶力、認知症と相関があるとの研究結果から、かかりつけの歯科医院がないことが認知症の発症リスクを増加させることも指摘されています。

歯周病は歯を失う原因の第1位(37%)ですが、歯周病罹患率は15〜24歳で20%、25〜34歳で40%、35〜44歳で40%、45〜54歳で50%、55歳以上は55〜60%となっています。

歯が失われることによって全身に影響が出るだけでなく、菌が血管内に侵入することで脳卒中、心筋梗塞、高血圧、認知症、骨粗鬆症、関節リウマチ、妊娠合併症などを悪化させる可能性があります。

歯科健診による働く人の健康の維持・増進は、労働生産性を向上させると同時に、それは離職率を低下させることが期待されます。

歯科健診の重要性を広く伝え、企業・団体において継続的に実施できるように相談・講習・実施支援などを行うことが重要となってきます。

歯の健康状態が保たれていると、心身の健康度も高まり、それが仕事の効率を高めることは以前から言われてきたことで、多くの事業所や研究者によって調査や分析が進められてきました。

歯と口腔の健康状態については、これまでは働き盛りの状態が高齢になったときの口腔の状態に影響を与えることが重要と考えられてきました。事業者によっては、口腔の健康が退職後の口腔の健康に影響を与えるという研究結果は、歯科健診を積極的に導入することに結びつきにくいことでした。

産業保健分野では、働く人の健康状態が労働生産性に影響を与えることは以前から知られてきたことで、その中に歯科健診を取り入れることの必要性も検討されるようになってきました。

一般の疾病では発症や治療のための欠勤、遅刻、早退は労働生産性を低下させる要因となっていましたが、最近では欠勤などには現れない疾病による仕事のパフォーマンスや集中力の低下のほうが、むしろ労働生産性に大きく影響することがわかってきました。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

私という漢字は“わたし”と読むのか“わたくし”と読むのかという語論は長く続けられてきました。意味合いとしては同じというよりも、まったく同じであるというのが戦後教育の正解ということになるのかもしせませんが、それ以前は「自分のことを示すときには“わたくし”」と発音するのが正しくて、“わたし”と発音する場合は今とは違った感覚であることを支えるために別の漢字が使われていました。それは「和多志」です。

和多志の意味合いは、それぞれの漢字が持つ意味をつなげてみればわかることで、「多くの志の和」ということで1人ではなくて多数、個人の存在というよりも集団の志の結集という意味が出てきます。

和多志を私と変えさせたのは、戦後に日本を統治したGHQ(General Head Quartres:連合国最高司令官総司令部)の策略だという説があり、それは日本人の精神性を奪い、弱体化させるためであったというものですが、もっともだ、という反応がある反面で、日本人を奮い立たせたい人の謀略だと主張する人もいます。

和多志と聞いて(見て)、神様を思い浮かべた人は歴史ファンに間違いがないと決めつけたいくらいで、和多志大神は大山祇神の別名だと伝えられています。大山祇神は大山祇神社の御祭神で、伊予国一宮にあります。現在の愛媛県今治市大三島町宮浦に鎮座しています。

大山祇神こと和多志大神は戦いの神様で、神が後ろについて戦うというのはGHQには都合が悪いことだったはずです。

“わたくし”と読まれていた私が“わたし”となり、もともとの和多志が使われなくなったことで、和多志が“わたし”であったということは残らなくなってしまいました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

五感の中で、味覚と並んで食べることに影響を与えるのは嗅覚です。というのは、嗅覚があって初めて味覚は完成するからです。味覚が鋭くても、嗅覚なしには味がよくわからないということが起こります。

風邪をひいて鼻が詰まった状態では味がよくわからなくなるというのは多くの人が経験していることです。また、鼻をつまんで、目隠しをして食べるとスイカもメロンもキュウリも同じような味にしか感じないということもあります。

発達障害では味覚過敏と味覚鈍麻があり、味覚鈍麻と思われていたのが、実は嗅覚鈍麻が原因であったということもあることです。口から食べたものは舌の味蕾で味を判別しますが、その情報は嗅覚から得た情報と合わさって脳に感覚情報として伝えられます。

嗅覚の情報なしには、味覚情報が正確には伝わらないということです。同じ味のものでも温めて食べると味がわかりやすいというのは、温度によって香りが立ち、これを嗅覚で強く感じているということがわかっています。

味覚過敏の子どもの場合には、温かいものを食べると味覚が強く刺激されて、食べにくくなるということが起こります。咀嚼をすると食品が細かく砕かれることによって香りの成分が多く立ち上ることになって、嗅覚が強く刺激されて、より嗅覚過敏が強くなることが起こりやすくなります。

咀嚼することは消化・吸収のためにも、広く健康のためにはよいことではあっても、嗅覚過敏の子どもに噛むことをすすめるときには、嗅覚過敏のこと、味覚過敏と重なって嗅覚がより鋭く現れるようになることも知っておいてほしいのです。そして、子どもへの指導には細心の注意を払ってほしいのです。

2本のポールを用いたウォーキングは上半身も使って歩くことから、主に使われる筋肉が違ってきます。通常のウォーキングの場合には下半身(ヘソから下)の70%ほどの筋肉が使われます。

それに対して、ポールを用いたウォーキングは首から下の筋肉を使うことになるので、90%ほどの筋肉が使われます。といっても、北欧発祥のスポーツ感覚で勢いよく歩くノルディックウォーキングは90%の筋肉が、大きく使われますが、安定性を求めるポールウォーキングの場合は2本のポールに体重を分散させることになるので、通常のウォーキングとエネルギー消費量は大きくは変わりません。

しかし、ポールがあることで足腰の負荷が軽減することから、長い距離を歩くことになります。運動のエネルギー消費は「運動負荷×時間」であることから、長く歩くことは筋肉を長く使って、健康度を高めることにもつながります。

効果は高いものの、その分だけ注意しなければならないことがあります。それは身体的な負荷が弱まることで、疲労を感じにくくなり、本人が感じているよりも心臓や血管の負荷が高まっていることがあるからです。

楽に歩けるようになっているので、心臓や血管の負荷が少ないようにも感じてしまいますが、想像以上に心拍数が高まっていることがあるので、運動に適しています状態での実施を控えるようにすることと、できれば心拍数を測定することがすすめられます。

心拍計を装着するまでのことをしなくても、信号なりで止まったときに、手首で1分間の脈拍を数えて、心拍数を把握して、無理がかかっていないことを確認してから続けるようにします。それが有効性を得ながら、安全に続ける方法といえます。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

吹矢(吹き矢)を健康スポーツの域まで高めたのがスポーツウエルネス吹矢で、5〜10m離れた円形の的に向かって、筒に息を吹き込み、矢を放って得点を競う競技です。性別・年齢、身体の状態を問わずに、誰もが手軽にゲーム感覚で楽しみながらできる生涯スポーツとして楽しまれています。

スポーツウエルネス吹矢の特徴は腹式呼吸を基本として、姿勢を整えて行うことで、精神集中や血行促進のほか、内臓などにもよい影響を与えることが魅力の一つとなっています。

武道と同様の段位、級位が設けられていて、指導員、審判員の制度もあります。

主導しているのは一般社団法人日本スポーツウエルネス吹矢協会で、22都道府県にスポーツウエルネス吹矢協会があり、全国の支部は1280支部、海外8支部(2023年3月)にのぼっています。

競技に必要なものは筒、矢、的で、筒と矢は安全性と機能性を求めて開発されています。

呼吸に関わる筋肉を強化することによって得られた健康効果として、日本スポーツウエルネス吹矢協会では以下のことを表示しています。

*血管の詰まりや動脈硬化の予防
*心を落ち着かせ、ストレス解消
*冷え症の改善
*肩こりの改善
*高血圧の予防
*脳の老化の防止
*糖尿病の予防
*内臓機能の活性化
*喘息の改善
*腰痛を予防
*免疫力を高める
*美肌・ダイエット効果
*口腔機能の向上による誤嚥性肺炎の防止
*パーキンソン病の症状改善
*腹圧性病失禁の予防
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

運動をした後に食事をするのと、食事の後に運動をするのではエネルギー代謝が異なります。エネルギー代謝を高めるのは運動をしてから食事をすることで、体脂肪の蓄積を抑えやすくなります。

空腹時の運動では血液中のブドウ糖が不足しているために筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンが分解されてブドウ糖として放出されます。その後に食事をすると肝臓で合成されるグリコーゲンが増えるために血液中のブドウ糖が減ります。そのために膵臓から分泌されるインスリンの量が減ります。

インスリンにはブドウ糖の細胞への取り込みを進めるとともに、肝臓で脂肪が合成されることを促進する働きがあるので、脂肪の合成が抑えられるようになるからです。

この働きを促進するために使われるサプリメントはα‐リポ酸です。α‐リポ酸は糖の代謝を高める作用がありますが、グリコーゲン合成酵素の働きを高めて肝臓で合成されるグリコーゲンを増やすことができます。

肝臓のグリコーゲンの合成を進めるためには肝細胞の働きをよくすることが必要になります。肝細胞のエネルギー源となっているのはブドウ糖と脂肪酸で、ブドウ糖は肝細胞に優先的に取り込まれてエネルギー化されます。

ブドウ糖よりもエネルギー量が高いのは脂肪酸で(平均2.25倍)、脂肪酸をエネルギー化させるためにはL‐カルニチンが必要になります。L‐カルニチンは肝細胞でエネルギー産生を行っているミトコンドリアに脂肪酸を取り込ませるために必要な代謝促進成分です。

α‐リポ酸もL‐カルニチンも以前は医薬品の成分でしたが、今では食品の成分としてサプリメントで摂ることができます。

サプリメントというと一般的には通常の食事では不足する栄養素を補うために摂るものを指しています。サプリメント(supplement)には補助、補充、補完といった意味がありますが、錠剤やカプセルとして摂るビタミン、ミネラルなどはダイエタリー(dietary)・サプリメントと呼ばれています。

ダイエタリーは一般に認識されているダイエット(diet)とは関係がなく、「食事上の〜」という意味です。これこそが「通常の食事では不足する栄養素を補うために摂るもの」となるわけですが、ダイエタリーを略してサプリメントが使われているわけです。

不足しているものがわかっていれば、その成分が含まれている栄養素を、不足している分だけ摂ればよいことになるのですが、何が不足しているのかがわからなければ何を摂ればよいのかの判断がつきません。

とりあえず、不足していると思われるものを摂る、すべてのビタミンとミネラルが含まれているマルチビタミンを摂るという人もいます。ビタミン、ミネラルが、どれだけ摂っても身体に害がないということであれば、それでもよいかもしれないのですが、ビタミンとミネラルの多くの種類には上限値が定められています。これを超えての摂取は過剰症を起こすことになるので、不足だけでなく過剰も配慮して摂るようにしなければならないのです。

このようなことを解消するために、それぞれの人の食事の状況や生活状況などに合わせて、何を摂るべきなのかをアドバイスする“アドバイザリースタッフ”が教育・認定されています。

これは厚生労働省による「保健機能食品等に関わるアドバイザリースタッフの養成に関する基本的考えについて」という通知(2002年)によって押し進められたもので、複数の団体から資格認定が行われています(日本健康・栄養食品協会の食品保健指導士、日本臨床栄養協会のNR・サプリメントアドバイザー、日本食品安全協会の健康食品管理士など)。

これらの専門家と医療や運動、運動などの現場が一致して活動をしていれば、不足している栄養素を摂取して、健康的な活動に取り組むことができるのですが、地域の健康づくりのために活躍する土壌が構築されていないのが事実です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕