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筋肉を増やすためには、筋肉細胞の中で作り出されたエネルギーを使って、タンパク質を合成することが必要です。細胞にはエネルギーを使って、細胞内で必要になる物質を作り出す機能があり、その働きは酵素によって起こっています。酵素は細胞内の生化学反応を高める触媒のようなものです。

この酵素による生化学反応にはミネラルが必要になります。ミネラルは酵素の重要な構成成分となっています。それは補酵素としての役割です。補酵素というのは、その名のとおり酵素を補う役割をしています。酵素は一部が欠けた状態になっていて、そこに補酵素が結びつくことによって酵素本来の働きをすることができます。

補酵素としてはマグネシウム、亜鉛、鉄、銅などがありますが、その中でも特に重要となるのはマグネシウムと亜鉛です。体内には5000種類もの酵素があります。それぞれに相性のよい補酵素が決まっています。マグネシウムは約300種類の酵素に対する補酵素となっています。

亜鉛は約200種類の酵素に対する補酵素で、合計すると500種類の酵素の働きに関わってきます。その重要性を示すときに以下のような話をしています。会社に5000人の社員がいて、そのうちの500人が必要とされる能力がないために、働いてくれなかったとしたら、会社が傾いてしまいます。

補酵素が充分にあることで酵素の働きがよくなり、それによって必要な成分、ここでは筋肉細胞の話をしていますが、筋肉が多くなれは作り出されるエネルギーが多くなり、それによって酵素も多く作られ、酵素の働きもよくなるので、筋肉強化の好循環となってくれるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

子どもの栄養摂取の指導は、生まれてからではなく、妊娠中でもなく、妊娠前から始める必要があると考えられています。女性の栄養摂取の状態を見ていくと、一般には家庭で食事をしている年代は栄養バランスが比較的とれています。

高校を卒業して親元を離れたときからバランスが崩れやすくなり、結婚をして家族と食事をするようになると再びバランスがとれるようになります。これは厚生労働省による国民健康・栄養調査の結果を見ても、その傾向があることがわかります。

妊娠前からの栄養摂取というと、結婚をしてからの食事というイメージが抱かれるものの、子どもの発育や健康状態に関わる栄養摂取は20歳前後の時点から始まると考えられています。

子どもの健康に関わる栄養素としてはカルシウムや鉄などが重視されています。これらのミネラルは体内に蓄積されて、安定的な状態になるまでには4〜5年はかかるとの研究報告もあります。

親元を離れてからも食生活が充実した内容であった場合には、重要なミネラルが大きく不足することはないとされるものの、一人暮らしなどによって栄養バランスが崩れた期間が2〜4年もあると、回復するのに期間がかかります。

妊娠中の胎児の栄養状態を考えるときには、高校を卒業したときから、それまでの食生活を継続できるように、親元にいるときから栄養バランスについて考え、一人でもバランスのとれた食事を継続するためのトレーニングが必要になります。

となると、妊娠前からの栄養摂取は、親元にいるときから始まると考えるべきであって、そのことを伝える親の食事に対する考え方と栄養知識が重要ということになってきます。孫の栄養状態は、祖父母の責任と言うこともできるということです。

スポーツをして身体を動かすことで健康になるのだから、わざわざ“健康スポーツ”という言葉を使う必要はないということを言われることがあります。その“健康スポーツ”を法人名としているのは公益財団法人日本健康スポーツ連盟で、私(小林正人)は東京にいたときに同連盟の理事を務めていました。

日本語では(公式の登録名称は)“健康スポーツ”ですが、英語表記は「health & sports」です。健康スポーツという特定のスポーツを推進する団体ではなく、健康とスポーツを推進する団体です。

1987年(昭和62年)に、当時の厚生省と文部省の認可によって財団法人として設立されました。当時は、健康は厚生省(現在の厚生労働省)、スポーツは文部省(現在の文部科学省)の所管で、両方にまたいだ活動をするということが関係しています。

公益財団法人となってからは、他の公益法人と同様に内閣府の所管となっています。
活動としては、健康スポーツ産業の振興や健康スポーツの技能育成の促進によって健康スポーツ活動の基盤を整備して、健康増進や体力づくりに寄与するということで、厚生労働大臣認定運動型増進施設の唯一の調査・指導団体となっています。

厚生労働大臣認定運動型健康増進施設は認定の条件が厳しく、フィットネスクラブやスポーツクラブは全国に8000施設以上あるとされる中で、厚生労働大臣認定運動型健康増進施設は335施設しかありません(2023年7月現在)。

健康スポーツと言われてイメージされる、無理なく取り組めて、高齢になっても安心して続けられる競技スポーツは、日本レクリエーション協会に加盟して一般向けに推奨されています。その団体については別の機会に紹介しますが、健康増進施設と健康スポーツの連携は、これからの健康づくりには重要な役割をすると認識しています。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「つうと言えば」と聞かれたら「かあ」と答える人が多いかと思いますが、これは「つうと言えば、かあと答える」が普通に使われていて、親しい関係は“つうかあの仲”と呼ばれているからです。

“つうかあの仲”は人間関係の意思疎通がうまくいっている状態を表すときに使われています。「つう」は「つ」、「かあ」は「か」が元の形で、ともに一文の終わりに使われる終助詞です。

言葉としては知っていても、その意味を説明しにくいことの例としてあげられるものの一つで、そのために鶴がツウと鳴いたら烏がカアと答えるという思いつきをクイズ番組で答えていたタレントもいました。

これはクイズ番組ではないのですが、ライブ番組(生放送)で、つうと言えばと聞かれて「スリー」との答えたタレントがいて、慌てて「ツーに対してスリーと答えるのは素晴らしい感性」とMCのイヤホンに伝えて取り繕わせたことがあります。

東京にいたときにテレビ番組に関わっていたときの話ですが、東京から岡山に移住する直前のことだったので、移住後にテレビ局のプロデューサーから依頼を受けました。

それは「今後も妙な答え方をする人がいるだろうから、切り返しの言葉を原稿にしてもらえないか」ということでした。

それに対しては、「通と言えばカー」(道を通るのはカー)、「痛と言えば母」(痛みを訴えるお母さん)といったようにダジャレ原稿を送りました。

どう考えても「ツーと言えばスリー」が秀逸で、会話しながらステップアップしていくのが“つうかあの仲”ではないかと今でも思っています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

サプリメント(supplement)は通常の食生活では不足する栄養素を補うために使われるもので、食生活が完璧でないとしてもサプリメントを摂れば完璧に近づけることも可能です。食事をする人にとってはサプリメントはありがたい存在ではあるのですが、栄養指導をする栄養士、管理栄養士にとっては、あまりすすめたくないものにもなります。

食事内容を完全に把握して、完璧な栄養摂取ができるように指導する臨床栄養の栄養士・管理栄養士になると、サプリメントは敵にもなります。そのようなものがあるから、食事で摂る栄養素が軽視されることになり、不足しても重要だと考えない人も出てくると考えられます。

サプリメントはビタミンやミネラルが中心になるので、まだ認められるとしても、健康食品となると「絶対に許せない存在」と完全な敵として認識している臨床栄養関係者も少なくありません。

健康食品には血糖値を下げる成分、血圧を下げる成分などが含まれたものがあります。特定保健用食品や機能性表示食品は、その機能性を表示して販売することができるものですが、医薬品が必要な状態になった人に使ってよいものではありません。

それ以外の健康食品は機能性が明らかでないものがあるということで、こういったものが「臨床栄養の敵」とまで言われています。というのは、栄養指導をしても、血糖値を下げる健康食品やお茶を使っているからと栄養指導に従わない患者が少なくないからです。

日本臨床栄養協会がサプリメントアドバイザーの資格認定を始めることになったときに、協会から離れていったのは、このような考え方をしている病院で勤務している栄養士・管理栄養士でした。

フレイルとプレフレイルが地域的に急増する懸念が抱かれる中、日本生活習慣病予防協会が、医師330名に対してアンケートを実施しています。

働き世代のプレフレイル予防のために、どのような栄養素を摂取することで予防できると思うかとの質問に対して、以下のような回答(複数回答)が得られています。(予防がとても重要だと思う、重要だと思うと回答した282名への質問)

最も多かったのは「たんぱく質」(78.7%)で、フレイルは筋肉量の減少が大きな要因となっているので、たんぱく質の摂取がトップにあげられるのは当然のことといえます。

これに次いで「ビタミン」(55.7%)が多くなっているのは、筋肉を作るのに多くの種類のビタミンが必要だからです。

「アミノ酸」(54.6%)は、たんぱく質を構成する栄養成分であるので、これが3位に上がるのも当然かといえます。

ミネラルでは「カルシウム」(51.8%)、「亜鉛」(42.2%)、「鉄分」(36.5%)が多く、「食物繊維」(37.9%)、「炭水化物(糖質)」(30.9%)、「脂質」(22.7%)といった主要栄養素よりも多くなっていました。

亜鉛は細胞の働きを促進する酵素に対する補酵素で、約200種類の酵素を正常に働かせるための補酵素となっています。筋肉の増強には欠かせないミネラルとなっています。

筋肉を増やすためには、細胞の中で作られるエネルギーが必要です。そのエネルギー源となるのは糖質、脂質、たんぱく質ですが、脂質のエネルギー量は糖質、タンパク質の2倍以上もあるので、筋肉を増やすには、ある程度の脂肪の摂取が必要になってきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

スポーツというと勝ち負けを競うものというイメージがあります。勝ち負けがつく競技スポーツは勝たなければ意味がない、勝つために苦しい練習をこなすのは当たり前、優勝こそがスポーツの最大の喜びということはスポーツに参加する者に常に言われ続けてきました。

しかし、その意識を変える一つのきっかけとなったのはクーベルタン男爵が語ったオリンピック精神を表す「勝つことでなく、参加することに意義がある」という有名なフレーズです。

このフレーズは1908年のオリンピック・ロンドン大会の演説で、IOC(国際オリンピック委員会)のピエール・ド・クーベルタン会長が述べた言葉として伝えられています。クーベルタン男爵はフランスの貴族で、「L’important,c’est de participer」と述べたのですが、これが英訳されて「The importance of these Orympiads is not so much to win ,as to take part」と伝えられました。

「participer」も「take part」も参加と訳されることから、「参加することに意義がある」とされたのですが、共有するという意味もあります。このことから「オリンピックは勝つことでなく、共有することに意義がある」が正しい意味合いだと考えられます。

文部科学省の外局のスポーツ庁はスポーツ基本計画を設けていますが、第二期スポーツ基本の計画では「スポーツは身体を動かすという人間の本源的な欲求に応え、精神的充足をもたらすもの」と定義されています。

これに従うと、競技スポーツだけでなく、体操や散歩、ウォーキング、ハイキング、海水浴などもスポーツの範疇となります。自由に楽しむことがスポーツという感覚ですが、さらに“する”だけでなく、“見る”ことも“支える”こともスポーツという感覚になります。

“スポーツ”に関わって自由に楽しむことすべてがスポーツという感覚ですが、スポーツ(sports)の語源はラテン語の「deportare」で、「運び去る、運搬する」の意味があり、そこから転じて「義務からの気分転換」「日々の生活から離れる」「元気の回復」といった意味で使われるようになりました。

これこそがスポーツの本質で、健康的で生き生きとした人生を送るために、勝利を追求することも、自由に身体を動かすことも、自由に観戦して楽しむことも、スポーツが実施されるように参加・支援することも、すべてがスポーツと言えます。

このような考え方を表すために、「健康スポーツ」という用語を用いて、健康づくりに取り組むことの大切さを訴えていくシリーズにしたいと考えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ダイエットは、さまざまな分野に関わることから、その研究も多方面から行われています。ダイエット(Diet)の元々の意味から考えると栄養学、運動科学の分野となります。

ダイエットを食事療法と訳せば栄養学、運動療法と訳せば運動科学と考えられます。“療法”というところに着目すると、医学、生理学、心理学も加わってきます。
科学的なダイエットということでは、神経科学や薬学も加わってきて、要は一つの分野だけで対応できるようなものではなくなります。

私どものNPO法人(特定非営利活動法人)の名称に用いている「メディカルダイエット」は、医学的・科学的に生活習慣病対策を大きな目標としていることから、あらゆる方向からのアプローチをしています。

これまで上げてきた研究分野は大きく分けると消化、吸収、循環、代謝、排泄までの一連の 流れとしてきました。そして、胃から先が研究対象でした。しかし、消化は口の中から始まっています。

食べ物を噛んで、咀嚼するときには唾液が分泌されます。唾液も消化液です。唾液が出るときには、ホルモンの分泌も増えています。脳への刺激も強まり、脳神経の発達や神経伝達にも影響を与えています。

となると、歯学の分野もメディカルダイエットには必要になります。咀嚼は歯学と栄養学が共同して行う研究分野です。これまで取り上げてこなかったのがおかしいと感じるところですが、今さらながら咀嚼から嚥下(飲み込む)の研究を手掛ける歯科医院グループと連携をすることで、代表者の歯科医師に理事に就任してもらいました。

これによって食べ物を口に入れるところから、最後に出すところまでがメディカルダイエットの研究分野になりました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

あるときの倫理法人会のモーニングセミナーの講話で「儲けるではなく儲かる」という話があったときに、発想の転換の機会を得た気持ちになりました。

「儲」を分解すると人を表す「亻」(人偏:にんべん)と「諸」になるという考えの他に、「信」と「者」になるという考え方もあります。ここで取り上げるテーマは後者のほうで、二つの文字をつなげると信者となります。

「信者を作れば儲かる」とは宗教だけでなく、講習でも商品販売でも言われ続けてきたことで、私たちが実施する資格認定講習も信者を作るように心がけてきたところがあります。資格認定者が徐々にではあっても増えるのは信者になった方がいたからでしょうが、信者が信者を増やすという期待していたところまでは進んでいないのが実情です。

メディカルダイエットアドバイザーで言うと、中級認定者が初級認定講習を担当して、収益を得ながら普及をしていくことができる仕組みで、これは茶道の宗家から教えていただいた家元制度を見習って始めたものです。

これを悩みとして倫理指導を受けたとしたら、おそらく言われるのではなかろうかと想像するのは、「信じる者は受講者ではなく、教える側」「自分のことを信じなければ、信じてもらえない」ということです。

自分がやっていることを信じて、それに自信を持って、信念を持って進めることが大切で、まずは「自分を信じる者」になる工夫と努力をすることが、“儲ける”ではなく“儲かる”を実現する道ではないか、と倫理指導を何度も受けている会員の方に話しました。

「大きくは違っていない」という反応でしたが、“正解”と言われなかった理由を、もっともっと考え続けることも倫理の学びかなと思っているところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

厚生労働省の「健康日本21」では、歯・口腔の健康について目標を定めて健康づくりを推進しています。その現状と目標から歯の喪失の防止について3歳児のう蝕に関するリスク因子を紹介します。

1)間食としての甘味食品・飲料の摂取回数
甘味食品・飲料の摂取頻度がう蝕の発病に強く関わっていることは、国内の多くの疫学調査や長期間の介入研究によって立証されています。

特に砂糖については、口腔内細菌によって菌体表面で不溶性グルカンを合成する際の基質となるなど、他の糖質よりもう蝕の誘発に深く関与していることが明らかにされています。

このため、甘味食品・飲料の摂取回数が多くなるほど、う蝕の発病リスクは高くなりますが、幼児の健全な発育の観点から、1日2回程度の間食習慣は広く普及しています。ここでは1日3回以上の摂取を高頻度群ととらえて、リスク低減の目標と位置づけることとして、間食内容を工夫して、時間を決めて飲食する習慣を普及していく必要があります。

併せて、甘味料のうち、う蝕誘発性の低い甘味料に関する正確な知識を普及していくことも求められています。

2)フッ化物歯面塗布
フッ化物歯面塗布を伴う定期歯科健康診査・保健指導による事業の効果について、その有効性が報告されています。

これらの報告では、フッ化物歯面塗布によるう蝕抑制効果と健診・保健指導による効果が必ずしも分離できていない面がありますが、フッ化物歯面塗布にはほとんどの場合、保健指導も伴うと考えられるため、塗布経験者率を評価指標としても、報告されている成果が得られるものと考えられます。

また、フッ化物歯面塗布の回数に応じて、う蝕抑制効果の上昇が認められるため、乳歯の萌出状況にあわせ、適宜塗布を受けることことが推奨されます。

なお、1歳6か月児歯科健康診査では、う蝕罹患傾向の高いもの(O2型)をスクリーニングすることとなっており、O2型と判定された者などのハイリスク者を特に重点的に指導することが効果的です。

3)その他(授乳習慣、仕上げ磨きなど)
リスク因子として示されている1歳6か月をすぎての就寝児の授乳など、う蝕の原因となる授乳習慣を改善することや、毎日保護者が仕上げ磨きをする習慣の徹底なども重要となります。

併せて、保護者が自らの早期治療や定期的な歯科健康診査の受診を心がけるなど、保護者自身の歯科保健行動の向上も必要とされています。

◎乳幼児のう蝕予防の目標
・3歳児におけるう蝕のない者の割合の増加
 目標値:80%以上

・3歳までにフッ化物歯面塗布を受けたことのある者の割合の増加
 目標値:50%以上

・間食として甘味食品・飲料を1日3回以上飲食する習慣を持つ者の割合の減少
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕