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昔話の初めの言葉というと、「昔々、あるところにお爺さんとお婆さんがいました」が最も耳馴染みがあるところですが、今ではまったく変わってしまいました。それは「あらゆるところにお爺さんとお婆さんがいます」となったことです。

おじいさん、おばあさんの年齢というと高齢者となる65歳という印象が強いのですが、現在の初産年齢が30歳に達していることから考えても、祖父母になるのは65歳というのは妥当なところです。

内閣府の60歳以上を対象にした『高齢者の日常生活に関する意識調査』によると、70歳以上が46.7%と最も多く、次いで75歳以上が19 .7%となっていました。

内閣府の20歳以上を対象にした『年齢・加齢に対する考え方に関する意識調査』では、70歳以上が48.7%と最も多く、次いで65歳以上が18.5%、75歳以上が12.9%となっていました。

高齢者のとらえ方について、年齢区分の他に「年齢で一律にとらえるべきではない」との選択肢を加えた20歳以上を対象とした『高齢社会対策に関する特別世論調査』では、「65歳以上のまま」は21.7%、「65歳以上より高い年齢」は44.4%となっていました。

また、「個々人の事情に即して判断すべきであり、年齢で一律にとらえるべきではない」は32.9%となっていました。

多くが65歳では、まだ高齢者ではないという認識で、こういった意識の変化や高齢者の身体的な年齢が以前に比べると若くなっていることから日本老年学会と日本老年医学会は高齢者を75歳以上にするように提言しています。

そして、65〜74歳は准高齢者として、社会に支えられる側ではなく、支える側になってほしいという考えを示しているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

重い荷物を身につけているというと、体脂肪のこともあれば筋肉のこともあります。体脂肪のほうは臨床栄養の仕事をしていたときに、よく比喩として“重き荷”という表現を使っていました。

その比喩で使われるのは、『人の一生は重き荷を背負いて遠き道を往くが如し』という徳川家康の遺訓の冒頭の言葉で、「重い体脂肪を身につけたまま一生暮らしていくつもりですか」と肥満と呼ばれるほどに太っている人に対して使われていました。

本来なら背負わなくてもよい“重き荷”のために、「行動にも生活にもデメリットがあるような生き方はやめませんか」というような言い方です。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が健康維持のためのキーワードとして頻繁に使われていたときには、できるだけ早く体脂肪を減らそうと無理をして、かえって身体を傷めるようなことになるという例も多くありました。

徳川家康の遺訓には続きがあって、「急ぐべからず」、「不自由を常と思えば不足なし」、そして最後は「及ばざるは過ぎたるより勝れり」と続きます。まさに「鳴くまで待とう時鳥(ほととぎす)」と辛抱強く進むことを旨とした偉人が残した言葉です。

体脂肪を減らすために食事量を減らすというのは楽な方法であったとしても、エネルギー代謝の面から考えると非効率な方法で、最もよいのは運動によって余分と思われていた体脂肪をエネルギーに変えて、これを健康的に活動するためのパワーの源に変えていくことです。

これは筋肉量が多いために体重計に乗ると太っているように思われても、実は健康的な人が多い健康スポーツを生涯にわたって続けようとしている人たちのことで、日本健康スポーツ連盟の理事を務めているときに学ばせてもらったことです。

筋肉の“重き荷”をつけるためにも、コツコツと日々の努力を重ねていくことが重要ということで、徳川家康の遺訓を引用させてもらっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

発達障害がある人は神経伝達物質のセロトニンが不足していることが指摘されています。特に自閉症スペクトラム障害では社会性コミュニケーション障害に関わることが明らかにされています。セロトニンは精神の安定性や平常心、ストレスに対抗する成分で、精神安定剤と似た構造をしています。

セロトニンは抑制作用があり、亢進作用があるドーパミンやアドレナリンの働き過ぎを抑える作用があります。そのため、セロトニンが不足すると、興奮しやすくなり、そしてブレーキが効きにくくなります。これは自動車のアクセルを踏み込みすぎると、ブレーキが効きにくくなってしまうことに例えられています。

セロトニンは神経細胞の端末にある小胞から放出されて、隣り合っている神経細胞の表面にある受容体でキャッチされています。このセロトニン受容体の働きが低下していると、セロトニンの分泌量が一定に保たれていてもセロトニンの作用が低下することになります。

セロトニン受容体で受け取られたセロトニンのうち90%ほどは役割を終えると分解されますが、残りの10%ほどは放出された元の神経細胞に再吸収されます。この再吸収の効率が発達障害では低いことが指摘されています。

セロトニンが不足すると不眠症やパニック障害、うつ、不安感になりやすいことが確認されています。発達障害の原因のすべてではないとしても、発達障害の状態を進め、改善されにくくなる要因になっています。

セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを材料にして、体内で合成されています。必須アミノ酸が多く含まれるのは肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品といった良質なたんぱく質であるので、これらの食品が不足しないようにするのが、改善の第一歩ということになります。

日本メディカルダイエット支援機構が認定するメディカルダイエットアドバイザーは初級・中級・上級の3段階方式で、上位資格認定者は下位講習を開催できる仕組みとなっています。上級認定者は初級講習も中級講習も開催できるわけですが、その上級資格認定者の一人に薬学博士がいます。

その薬学博士は、岡山の大学で講師を務める専門家であり、野草の専門家でもあって、薬局の売り上げの多くは“草”だと言い切っています。私たちの目からすると雑草にしか見えない“草”も博士には野草であり、薬草にもなります。

“雑草”というのは、必要とされない場所に自然に生えている草を指していて、アメリカの雑草学会では「農耕地の価値を低下させる作物以外の草」と定義しています。必要とする人には大事な野草であっても、必要としない人には雑草ということですが、それは野草のせいではなくて、野草を雑草と認識してしまう私たちのほうに問題があるという考えです。

岡山市南倫理法人会に入会させてもらい、モーニングセミナーで講和を聞かせてもらいながら感じたことは、聞く人に話の真意が届かないと講和が雑草ならぬ雑談になってしまいかねないということです。

それを感じると、私など講和をさせてもらえる段階ではないことがわかり、1回だけ話をさせてもらう機会があった別の倫理法人会での内容も、講和の機会に講演をしてしまったと反省しきりです。

話を雑草に戻すと、先の薬学博士は「下を向いて歩こう」と言っています。しっかりと下を見ながら歩くと、雑草と思っていたものが大切な野草・薬草だったということに気づく、という意味合いです。

これまで健康づくりの話をするときには「目標を高く上を向こう」とか少なくとも「真っ直ぐに前を向いて進もう」というようなことを言っていましたが、話の受け手のことを考えると足元を見ることが大切だとわかります。まさに“看脚下”です。

ただ、この“看脚下”は履き物を揃えるように、という標語として玄関に貼っている寺院があって、本来の「困難な時にこそ足元をよく見る」という意味が通じにくくなっているのは気になるところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

歯の本数と歯周病の有無は高血圧と関係することは以前から報告されていました。
歯の本数が少なく、噛む力が低下している高齢者は身体機能が低下して、転倒リスクが高い傾向があることも知られています。これは口腔が変化すると、食品の選択や食習慣が変化することが影響していると考えられています。

高血圧は、75歳以上の日本人の70%が発症していて、主な死因の一つにあげられています。食事摂取の内容と高血圧との関係は広く知られていますが、口腔の健康と食事摂取の内容、高血圧の関係性については明らかにはされてきませんでした。

この関係性について、兵庫医科大学、新潟大学、丹波篠山市が共同で丹波篠山圏内の高齢者(65歳以上の自立した地域在住の高齢者894人)を対象にコホート研究(疾病との関係を調べる観察研究)を行っています。調査期間は4年に渡っています。

この研究では、対象となった高齢者の口腔内の状態を、残存歯数、咬合力(噛む力)、後方咬合支持(奥歯の噛み合わせ)、咀嚼能力、口腔内水分量、口腔内細菌数によって評価しています。

その結果、臼歯部の咬合支持域を喪失して、奥歯の噛み合わせのない高齢者では、高血圧のリスクが1.72倍と有意に高いことが明らかにされました。

咀嚼は食べ物を細かく砕いて飲み込むという消化の始まりで、健康の維持には重要な役割をしています。特に高齢者では影響が出やすく、厚生労働省の国民健康・栄養調査(2018年)では60歳以上の約25%が咀嚼機能の低下を訴えており、さまざまな食べ物を噛むことができない状態になっていました。

歯を失うと柔らかくて噛みやすい食べ物を選ぶようになり、食物繊維が豊富で栄養価が高い食べ物を避ける傾向になります。高血圧の原因としては、塩分(ナトリウム)摂取があげられることが多いものの、必要な栄養素(特にビタミン、ミネラル)が不足すると、早く栄養素を全身に届けるために血圧が上昇しやすくなっています。

今回の研究は横断研究のために、高齢者の高血圧、口の働き、食生活との因果関係は明らかにはされていません。今後は高齢者の血圧の変化を経時的に追跡していくことで、口の働きがよい状態を保つことが、どのように高血圧の予防に関わるのかを解明することにつながると期待されています。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

食生活チェック表を用いた栄養バランスの確認では、1日の主食の種類(ご飯、パン、麺類など)と摂取量の目安を聞いているので、糖尿病のリスクがある方の場合には血糖値を上昇させる糖質の量は基本的に把握できています。

チェック表では間食と飲料についても聞いているので、砂糖が含まれた飲食品も把握できています。その結果から、糖質の摂取を減らすことが指導の中心となると考えられがちで、食生活をチェックした方に聞いても、糖質の摂りすぎを減らしたいという返答も得られることが多くなっています。

血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値を上昇させるのはブドウ糖が多く含まれた糖質の摂取量が影響しているのは間違いないことです。しかし、血糖値の急上昇を抑えて、糖尿病のリスクを低くするには糖質だけでなく、全体的にエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を減らすことが必要になります。

一般には健康のための食事量については“腹八分目”ということが言われます。糖尿病のリスクを低下させるための食事の目標は、まさに腹八分目となっています。

糖質を減らしすぎると空腹感を感じて多くの量を食べすぎることになります。糖質を減らし気味にして、エネルギー量が高い脂質の摂取量に注意するようにします。脂質のエネルギー量は1gあたり約9kcalで、糖質の約4kcalと比べると2倍以上のエネルギー量があります。

糖尿病は血管の老化を進める疾患で、合併症の網膜症、腎症、神経障害は細くてもろい血管が集中する部位です。血管を丈夫にするためには必須アミノ酸(体内で合成されないために飲食で摂る必要があるアミノ酸)がバランスよく含まれた良質なたんぱく質が必要ですが、肉類、魚類は脂質が多いので摂取を減らして、卵、乳製品、大豆・大豆製品の摂取を増やすことがすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

健康とは言い難い状態になっても、自分の工夫と努力で健康状態に戻れるなら、医薬品を使っていても、これは病気ではなくて“未病”の状態といえます。もちろん、ずっと健康状態を保つことができていればよいのですが、年齢を重ねるにつれて疾病のリスクが高まっていくのは仕方がないことです。

疾病が起こるにしても、できるだけ発症を先延ばしたいところですが、そのための抵抗力は身体の中で作られるエネルギーの発生量に関わっています。体内で使われるエネルギーは、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を原料として、全身の細胞の中のミトコンドリアで発生しています。

発生するエネルギー量が多ければ、このエネルギーを使って健康度を高めることもできます。エネルギー産生というと、エネルギー源をエネルギー化することが注目されがちですが、作り出されたエネルギーを使って、身体を構成する成分や身体を働かせるために必要な成分(酵素、ホルモン、神経伝達物質、代謝促進成分など)が作られています。

食品の成分を有効に使うためにも、医薬品を効果的に働かせるのにもエネルギーが必要で、このエネルギーは身体を動かすほど多く作られていきます。中でも効果があるのは、酸素を体内に多く取り込む有酸素運動です。

運動をすることによってエネルギー化を高めていくことができるということですが、高齢になってから運動でエネルギー量を増やして健康度を高めるのは難しいことです。エネルギー代謝促進成分は20歳代前半をピークに減っていくばかりなので、同じ運動、同じ食事では太っていきます。それはエネルギー源がエネルギー化されなかった結果といえます。

健康度が低下した状態でも病気に進まないようするために、そして元の状態に戻れるようにするためには、効果的にエネルギーを作り出すことが重要で、それを可能にするのが食事と運動、食事と入浴、運動と入浴を組み合わせたメディカルダイエットが得意とすることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

エネルギー代謝を高めるサプリメント成分は、ダイエット目的から生活習慣病の予防・改善まで、さまざまな種類があり、多彩な使われ方がされています。それぞれの機能性は研究に基づいているものなので、結果を期待してもよいわけですが、その効果を高めるためにはエネルギー代謝の基本となる栄養素が必要となります。

エネルギー代謝が行われるのは細胞のエネルギー産生器官であるミトコンドリアの中のTCA回路で、この中でエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)から変化したアセチルCoAという高エネルギー化合物が使われます。

エネルギー源がアセチルCoAに変化するときには、多くの種類の水溶性ビタミン(ビタミンC以外の全部)が必要になります。どれか一つの水溶性ビタミンが欠けただけでも、アセチルCoAへの変化は大きく低下します。

また、TCA回路では4種類の水溶性のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要になります。水溶性ビタミンは体内で長くは保持されないために常に補充が必要ですが、ビタミンB₁とビタミンB₂は24時間ほど保持されるものの、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は12時間ほどしか保持されません。

水溶性ビタミンは、食事のタイミングに関係なく、いつ摂っても吸収されるという特性がありますが、ビタミンB₆とビタミンB₁₂をサプリメントで摂るときには朝食と夕食のタイミングといったように1日に2回の摂取が大切になります。

体内で作り出されたエネルギーは、全身の細胞の中で作られる成分(たんぱく質、酵素、ホルモン、神経伝達物質、エネルギー代謝成分など)の合成を進めるために必要となります。細胞の中での合成には、数多くのミネラルが必要です。

細胞を正常に働かせるために必要な酵素は、補酵素があって初めて正常な酵素の働きをします。その補酵素の多くがミネラルで、中でもマグネシウムは約300種類の補酵素、亜鉛は約200種類の補酵素となっています。

歩くことは左右の脚を交互に前に出して、腕も交互に振って前進していくものだけに、左右の動きが同じであることが前提とされています。その前提どおりになっていることで、安全かつ健康的に歩くことができるようになります。

自分の歩行姿勢は、なかなか確認することはできません。今はスマホの撮影機能を使えば、他の人に撮影してもらうだけでなく、固定しておいて、その前を通過することでも歩行姿勢を確認することができます。

チェックすることは思ったよりも多くあり、左右の歩幅、左右の腕の振りが揃っているかを見るのは当然のことですが、他にもチェックポイントはあります。

身体が真っ直ぐになっているか、肩が真っ直ぐか(どちらかの肩が前に出ていないか)、頭の位置が上半身の真上になるのか、頭が左右に傾いていないか、前後にも曲がっていないか、頭が大きく上下動しないか、などなど。

集団でウォーキングをするときには、リーダーが先に歩き、最後を歩くのはサブリーダーというのがよくあることですが、サブリーダーが全員の歩行姿勢を確認するわけにはいきません。ウォーキングは前を歩く人の背中を見ることになるので、後ろの人がチェックすることもあるものの、そのためには参加している全員が歩行姿勢をチェックするだけの知識がなければなりません。

その点、2本のポールを使ったウォーキングでは、正しいポールの使い方さえできれば、身体の傾きもなく、歩幅も均等にして歩くことができます。後ろからチェックするにしても、項目が少なくて、ブレも少ないので、それほど専門的なチェック法でなくても確認しやすくなっています。

正しく歩くことによって健康度が高まるという基本に従うと、ポールを使って歩いた後に、ポールなしでも正しく歩くことができるようにするというのがツイン・ウォークが目指しているところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

2)行動に対する罰
行動を変えるための弱化や消去のために罰が使われることがあります。そのための罰には積極的な罰と消極的な罰があります。

積極的な罰には叱る、叩くといった行動があり、消極的な罰には遊びの時間を短くする、テレビを消す、ゲームを預かるといった快感を奪う行動があげられます。嫌なものを与えることはパニッシュメント、いいものを取り去ることはペナルティーと区別されています。

パニッシュメント(punishment)は処罰、刑罰、罰則、処分などを意味する用語で、嫌なものを与えることを指しています。

ペナルティー(penalty)は罰、刑罰などを意味する用語で、よいもの、好きなものを取り去ることを指しています。

積極的な罰は、要求を貫こうとして実力行使の行動を起こしているときに行われることですが、これは応用行動分析では基本的に使われていません。

親が、これまでに積極的な罰を行わなかった場合には脅しのように感じて、効果が得られにくく、実際に行動として実施されると、将来的に自ら行動をする気持ちを削ぐことにもなります。特に学習面においては、自ら考え、自ら学んでいくという積極的なモチベーション向上の妨げにもなりかねません。

消極的な罰は子どもが幼いときには効果があり、問題がみられたときに即行動としてはよい結果が得られることがあるものの、年齢を重ねると楽しく感じていることの自由が奪われることだけでは通じにくくなります。

また、時間が経過しての消極的な罰は効果が得られることは少なくなっています。モチベーションが高まる方法を見つけ、よい行動をするように導いていく必要があるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕