投稿者「JMDS」のアーカイブ

テレビ番組やコマーシャルを見ていても、また雑誌などの記事を見ていても、「予備軍」という用語が出てきます。これが元の意味の予備の軍隊を指すために使われているなら何も取り上げる必要はないのですが、病気を防ぐための用語となると違和感があるという人も多いかと思います。

医学の世界では「予備群」が使われていて、リスクが高い人の集団を指しています。メタボ予備群、糖尿病予備群といったように使われています。

元は「予備軍」から転じたと辞書にも書かれて、「予備群」は俗用扱いされています。しかし、健康や医学に関わることを示すときには「予備群」が正解で、「予備軍」は変換ミス、校正ミスと考えられるようになっています。

ただ、「予備群」という表記は、「リスクが高いから注意しましょうね」と言われている感じがして、「あなたは予備群です」と医師から指摘されても、真剣には受け止めない人も多くいます。

生活習慣病は、初期段階では特徴的な症状も現れず、見逃してしまうことも少なくありません。糖尿病は血糖値が大きく上昇しても身体的に症状が現れることは少なくて、よほど注意をしていれば尿の色が変わった、排尿時の泡が多くなったということに気づくことができます。

そうでないと、痛くも痒くもないのでスルーしてしまいがちです。痛みや痒みが出たときには、糖尿病が進行して合併症を起こしている段階で、こうなると簡単に治療することはできなくなります。

このような困った状態を“敵”だと考えれば、それと戦う準備をすることが大切で、そういった「予備軍」の状態にあるということを意識させるために、あえて「予備軍」のほうを使う意味があるという考えもあるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

噛むことは、消化、吸収、その先の血液循環、臓器や器官での代謝、そして排泄にまで影響する重要な行為です。前歯(門歯)で粗く噛み、奥歯(臼歯)ですり潰してから飲み込むことで、これは咀嚼(そしゃく)と呼ばれています。

一口について粗く噛むのは5〜6回、すり潰すのに15〜20回で、食品の硬さにもよるものの、合わせて25回は噛むことがすすめられます。唾液を多く分泌させて、消化しやすくなるための咀嚼は1口30回とされています。

ところが、5〜6回しか噛んでいないのに飲み込んでいる人も少なくありません。子どものときから、しっかりと噛んで食べることを身につけさせて、その理由を理解させて、自分から進んで噛むように導いていくことが重要と考えられています。

そのように注意をしていても、成長していくと、食べることよりも優先させることが出てきて、早食いをしがちになります。幼いときから咀嚼を習慣づけておかないと、ある程度の年齢になってから矯正しようとしても、なかなか改善できないことになります。

よく噛むようにさせるためには、よく噛まないと食べられない食品を食卓に乗せることが大切で、ご飯食の場合には、おかずとして食物繊維が多く含まれる野菜を出す、食材を大きくカットして噛む回数を増やすように仕向けるという方法がとられます。

パンは軟らかいものが多いので、噛む回数が減りがちになりますが、噛みごたえのあるパンを使うといった工夫も大切になってきます。

おいしくないものは、すぐに飲み込もうとするところがあり、おいしくて噛みごたえがあるパンにすることも咀嚼を身につけさせるためには有効です。

よく噛んでいると唾液によってデンプンが分解されて、おいしさが増してきます。そのことを気づかせるためにも咀嚼は重要で、そのための歯の健康も大切になります。

身体年齢測定では握力が指標の一つとなっていて、握力の低下は全身の筋肉の減少と筋力の低下を知るための重要な要素です。握力が強くなれば、身体年齢測定では実年齢よりも若く表示される可能性があるわけですが、ただ握力を強くする運動(ニギニギやハンドグリップ、雑巾絞りなど)をすればよいというわけではありません。

握力は全身の筋肉の量を推測する指標であって、握力を強化したからといって、全身の筋肉が増えるわけではありません。どうせ握力を強化するのであったら、そのための運動が全身の筋肉を強化する結果になればよいわけで、そのために紹介しているのはポールを用いたウォーキングです。

これは北欧発祥のスポーツタイプのノルディックウォーキングと、日本発祥のポールウォーキングがあります。全国的に広まっているノルディック・ウォークは名称は北欧発祥のほうをイメージさせますが、ポールウォーキングに分類されています。

ノルディックウォーキングはクロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして始まったもので、ポール(スティック)が手から離れても戻ってくるグローブが使われています。それを利用して、ポールを後方に投げ出すようにして前進します。それに対してポールウォーキングはポールを握って歩きます。これによって安定性を重視した歩行となります。

ノルディックウォーキングは通常歩行に比べると、同じ距離を歩いたときのエネルギー消費量は1.2倍にもなります。ポールウォーキングのほうは1.1倍にもならないのですが、ポールを握って歩くことで握力が鍛えられます。

通常歩行では下半身(ヘソから下)の筋肉が主に使われます。下半身の筋肉は全身の70%ほどです。それに比べてポールを使うと首から下の90%の筋肉が使われます。これによって、ほぼ全身の筋肉が鍛えられるので、握力が強くなるのと同時に、全身の筋力も強くしていくことができるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

代謝促進成分は、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を細胞のミトコンドリアでエネルギー化させる役割をしているもので、体内で合成されています。代表的な代謝促進成分はL‐カルニチン、コエンザイムQ10、α‐リポ酸で、どれも合成のピークは20歳代前半です。

体内の代謝促進成分は、合成されるものだけでなく、食品に含まれているものもあります。L‐カルニチンを例にすると体内保持量のうち合成される量は3分の1ほど、食品に含まれている量は3分の2ほどの割合となっています。

L‐カルニチンは肉類に多く、中でも羊肉、牛肉で多くなっています。これらの肉類を多く食べる国民は合成量が加齢によって少なくなっていっても、それほど体内保持量が大きく減ることはありません。

ところが、日本人の場合には、食事から摂るL‐カルニチンの量が少ないので、合成のピークが過ぎると大きく減ることになります。L‐カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアに取り込むために欠かせない成分であるので、日本人は年齢が進むほど脂肪酸のエネルギー代謝が低下していくようになります。

日本人は過去に比べると肉類を食べるようになったとはいっても、L‐カルニチンが多く含まれている肉類には脂肪(中性脂肪)も含まれています。中性脂肪は分解されると脂肪酸になります。L‐カルニチンは脂肪酸をエネルギー化させる働きがあるといっても、L‐カルニチンを増やすために脂肪が増えてしまったのでは、せっかくのL‐カルニチンの効果が期待できなくなります。

L‐カルニチンは以前は医薬品の成分だったものが、今では食品の成分としての使用も認められ、サプリメントとして摂ることができるようになっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ビタミンやミネラルのサプリメントは食品の成分として認識されていますが、かつては医薬品の成分で、食品の成分として使うことが禁止されていました。それは解禁されたのは、それほど昔のことではなくて、1997年(平成9年)に厚生労働省(当時は厚生省)によって、ビタミンが食品として販売許可されました。

ミネラル12種類が食品として販売許可されたのは1999年(平成11年)のことで、やはり以前は医薬品の成分でした。

その前年の1998年(平成10年)には、ハーブが食品として販売許可されました。それ以前はハーブは医薬品の成分であって、食品として販売することができなかったのですが、規制緩和によってハーブ市場が大きく広がることになりました。

アミノ酸は、たんぱく質の構成成分で、今では当たり前に食品の成分として認識されていますが、アミノ酸もかつては医薬品の成分であって食品として販売することができませんでした。アミノ酸が食品として販売許可されたのは2001年(平成13年)のことです。

ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブは食品の成分とされたものの、かつては形状の規制がありました。医薬品と同じ形状のものは、医薬品と勘違いして摂取されることがあるという考えで、錠剤、カプセルは禁止されていました。そのために錠剤のような形にするためには、円形や楕円形ではなく、六角形、八角形、紡錘形(涙型)などの形状で販売するほかなかった時代もありました。

その規制が緩和されたのは2001年(平成13年)のことで、錠剤・カプセル・粉末などの医薬品に似たサプリメントの販売が許可されました。

それまでは機能性が確認されている特定保健用食品、栄養機能食品であっても、錠剤などの医薬品と似た形状での販売ができなかったのです。

酵素は細胞の中で生化学反応を起こす成分で、酵素が正常に働くことで細胞の働きを活性させ、消化・吸収・循環・代謝・排泄などの機能を正常に保つことができます。体内の酵素はタンパク質で、肝臓でアミノ酸から合成されていますが、その合成量は40歳を過ぎたころから減少していきます。

酵素は動物の細胞にも植物の細胞にも含まれているものの、それらの食品を食べれば、それが体内の酵素となって働くわけではありません。しかし、酵素が多く含まれた食品を食べることによって、体内の酵素を増やしていくことができます。

食品に含まれているたんぱく質が、胃と小腸でアミノ酸に分解され、小腸から吸収されたあとは肝臓に運ばれて、酵素をはじめとした体に必要なタンパク質に合成されます。体内では合成されず、食品から補わなければならない必須アミノ酸を含む良質なたんぱく質を多く摂り、肝臓で合成される酵素が増えることで、体内の酵素を増やしていくことができるのです。

肝臓で合成される酵素は、維持酵素(潜在酵素)と呼ばれています。維持酵素の合成量は、たんぱく質の摂取量によって変化はするものの、ほぼ一定しています。維持酵素は、細胞内の酵素である代謝酵素と、食べ物を消化する消化酵素に大きく分けられます。

一般には維持酵素のうち消化酵素は約70%、代謝酵素は約30%となっていると考えられています。食品に含まれる消化酵素が少ないと、その分だけ胃から分泌される消化酵素が多く必要になり、代謝酵素として使われる酵素の量が減ることになります。
現在の日本人の食事は消化酵素が多く含まれる生で食べる食品が不足していることから消化酵素は約80%、代謝酵素は約20%にもなっています。つまり、3分の2の量に減っているので、それだけ全身の細胞を働かせる酵素が不足していることになるのです。

このような仕組みが体内にはあるので、よく噛んで食べることは代謝酵素を増やして、細胞レベルから元気になっていくことができるということです。
(ここでは食品に含まれるものを“たんぱく質”、体内にあるものを“タンパク質”と使い分けています)
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

歩くことは健康づくりの基本であることは認めるものの、これまではウォーキング大会と呼ばれるイベントが行われることが多く、日常的なウォーキングで健康になる方法については、あまり積極的に取り組まれてこなかったところがあります。

ウォーキングの全国団体としては日本ウオーキング協会があり、すべての都道府県に協会があり(例:岡山県ウオーキング協会)があります。そして、都道府県内に市区町村協会が設けられています(岡山県の場合は3協会:岡山、倉敷、玉野)。

都道府県協会はイベントのための組織の側面があり、日常的な活動は市区町村協会が担っています。そこで市区町村協会に参加すれば、健康になる歩き方が身につけられるのかというと、歩くことを楽しむ会であることが多く、健康になる歩き方、それぞれの人に適した歩き方が学べる機会とはなっていません。

というのは、日本ウオーキング協会は発足当時から長距離を歩くイベントを重視していて、地球1周分の4万kmが目標とされ、達成者への表彰制度も設けられています。カウントされるのは日本ウオーキング協会が主管するウオーキング大会の完歩距離だけです。

長く(距離、時間)歩くことを否定するわけではないのですが、長く歩くだけではなく、歩き方を工夫することによって、希望する健康効果(やせたい、筋肉をつけたい、血圧を下げたいなど)を得ることができます。希望に即したことをするのではなく、みんなで一緒に歩いているうちに希望がかなえられるようになると説明されることもあるのですが、希望者に合った方法を実施することも必要と考えます。

そういったことから、ウォーキングイベントだけでなく、健康を目的としたウォーキングの機会を増やすことも地域の健康度を高めるためにすすめています。
(ウォーキングは一般名称で、ウオーキングは日本ウオーキング協会の固有名称)
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ウォーキングは筋肉の負荷を高める歩き方をすることによって強化していくことができるといっても、高齢者の場合には筋肉にタンパク質が取り込まれにくくなっています。運動をすると筋肉は傷つき、その傷にタンパク質が取り込まれることによって筋肉が増えていきます。

筋肉の細胞は繊維状になっていることから筋繊維と呼ばれていますが、筋繊維の数は生涯にわたって変わることはありません。誕生したときから人生の最後を迎えるときまで筋繊維の数は変わらないわけですが、年齢を重ねると筋肉量が減っていきます。これは筋繊維が細くなっていくからです。

筋繊維は刺激を与えることによって太くしていくことができます。そのためには筋肉に傷ができたときに、これを修復するためのサテライト(衛星)細胞がタンパク質を多く集めてくる必要があります。このタンパク質が多いほど、筋肉についていくタンパク質が増えるようになります。

サテライト細胞がタンパク質を集めてくるためにはAMPキナーゼという酵素が必要で、この酵素が多く発生するためには酸素が不足するような状態になることが条件となります。通常の有酸素運動では酸素が不足するようなことはないのですが、速歩をすると酸素量が足りなくなります。

成人の場合には酸素をエネルギー化する能力が高いので少し息が切れるような状態ではAMPキナーゼは増え難いのに対して、高齢者は酸素が多く必要な状態になっただけでもAMPキナーゼが増えていきます。
そのため、高齢者は速歩をするのが効果
的ということになりますが、ずっと速歩を続けるのは大変であるので、速歩と普通歩行を繰り返すインターバルウォーキングがすすめられるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

1)行動の強化と弱化
問題行動の改善についてABC分析の立場で解説していくが、要求の実現のところで取り上げた、ほしいために泣くという行動について詳細をみていきます。

ABC分析では、行動の原因となった先行刺激(先行事象)、行動、その結果としての後続刺激(後続事象)に分けて考えられています。

おもちゃ売り場の前を通ったという先行刺激があり、おもちゃ売り場の前で泣くという行動によって買ってもらえたという要求の実現があると、次にも同じ実現を求めて、おもちゃ売り場の前で泣くことを繰り返す行動の強化が起こります。

その結果として行動が増加し、行動の程度も泣くだけでなく、座り込んで動かない、動かそうとすると叩く、他のおもちゃを投げたり壊そうとする、といったことに進んでいく例があります。

泣いても買ってもらえないことによって行動のエスカレートが起こることもあるが、それは要求が実現されたことの結果であって、行動を起こしても買ってもらえなかったという結果があると、買ってもらえるまで泣くことが減少していく行動の弱化が起こるようになります。

ここで例としてあげた行動の強化は望ましくない結果として示していますが、強化となるのはおもちゃやお菓子といった物の購入という快感だけでなく、ほめられたり、自分でよい結果と思える体験など、本人が喜びとして感じられることも含まれています。

望ましい強化としては、お手伝いをしたときに、ほめてあげると、それが快感となり、もっとほめられるように、よく手伝いをするようになるということがあげられます。特に自分から積極的に行動(お手伝い)を起こしたときにほめられると、それが行動の動機づけ(モチベーション)となって、より積極的になっていくことになります。

それとは逆に、お手伝いをしたときに、ほめられることがないと、喜びがないために、お手伝いをする機会が減っていくようになります。本人が積極的に行動を起こそうと思っているときに、ほめられないと、これが機会となり、お手伝いをしなくなることにもつながるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

太っているのは、体脂肪が多くなっている状態です。腹部や下半身に蓄積される体脂肪が多いと、食事で摂る脂肪を減らそうとする人が多いのですが、脂肪が多く含まれる食品の摂取量を減らしても、肉の脂肪を取り除いたりしても、なかなか効果が現れにくいということが多くなっています。

体脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪を指しています。内臓の周りと皮膚の奥にある脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪が多い状態ですが、体脂肪の量は食事で摂ったエネルギー量を反映しています。それは脂肪の摂取量だけではありません。

糖質であっても食べすぎると、余分なエネルギー源として肝臓で中性脂肪に合成されます。これはエネルギー量の差が関係しています。脂肪は1gあたりのエネルギー量が約9kcalと、糖質とたんぱく質の約4kcalに比べると2倍上のエネルギー量があります。脂肪に変化させることで、狭いところに多くのエネルギーを蓄積することができるからです。

食事とともに重要になるのが、運動による消費の促進です。エネルギー代謝を高めるには筋肉運動が重要で、筋肉はエネルギー代謝が盛んな組織なので筋肉を強化すると、同じ生活をしていてもエネルギー消費が盛んになります。

これは事実であっても、筋肉のエネルギー源には2種類あって、筋肉に刺激を与えて強化することができる白筋(速筋)はブドウ糖をエネルギー源としています。脂肪酸をエネルギーとして消費するのは赤筋(遅筋)です。

脂肪酸の消費を進めて、体脂肪を減らすためには、脂肪酸をエネルギー源として消費する赤筋の活動を高める有酸素運動が必要になります。いわゆる筋トレだけでは脂肪酸は代謝されにくいので、ウォーキングなどの有酸素運動をする機会を増やすことが大切になってくるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)