投稿者「JMDS」のアーカイブ

大手電機会社が販売価格を、販売店ではなくて、製造する会社が決定する商品を20%に増やすということが報道されました。電機製品の価格は販売店が決めるのが、これまでの常識で、店によって販売価格が違うので、少しでも安く買おうとしたら複数の店舗を回る、ネット通販でも比較できるだけ比較するということが当たり前のことでした。

このことがテレビのニュースで取り上げられたときに、「あの会社だから可能なこと」と報道されていましたが、そのニュアンスが実態と違っていました。“あの会社”と言われていた会社は、他の会社とは違った社内流通が行われていて、製造部門から販売部門が、別の会社のように交渉して取り引きをしています。

製造部門は売りやすい製品を作って、販売部門に高く購入してもらうように努力します。販売部門からは製造部門に売りやすい製品を作るように交渉をします。こういった努力を長く続けてきたので、販売価格を電機会社が決めても販売店や購入者の希望から外れた製品が出ないで済む、希望に合致した製品が出されるということも可能だということです。

こういった動きはあっても、まだまだ電気製品は販売店に価格決定権はあります。価格決定権が販売店にあるのは絵画の世界も同じです。これは画家と画廊が直接の取り引きをしているからです。途中に仲介者が入ると、その仲介者が販売価格を決めることもあります。仲介者は問屋の役割をしていると、他の業界と同じで問屋が決めることになります。その例としては着物の世界があげられます。

自動車の場合はメーカーが価格を決定しています。販売店が値引きをするにしても限られた範囲の中で行われるだけです。その価格決定の常識は、今から77年前の終戦後から続いていることです。自動車メーカーが決定した価格に合わせて製鉄会社が提供してきました。ところが。自動車メーカーと製鉄会社が提携をして、製鉄会社の異貌が通りやすくなるという報道発表がありました。

これをきっかけに、価格決定権が過去の常識から変わる、それが販売価格に影響するという時代が始まっているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

広く健康に関わる記念日について紹介します。

4月11日 カルビーが、し(4)っかりいい(11)朝食の語呂合わせで「しっかりいい朝食の日」と制定。毎月11日は「めんの日」(全国製麺協同組合連合会)、「ロールちゃんの日」(山崎製パン)、「ダブルソフトの日」(山崎製パン)。

4月12日 パン食普及協議会が日本で初めてパンのようなものが焼かれた1842年4月12日にちなんで「パンの記念日」と制定。ルバンシュとピーカブー(石川県能美市)が良い(4)皮膚(12)の語呂合わせで「子どもを紫外線から守る日」と制定。徳島県にんじん振興協議会が、よ(4)い(1)に(2)んじんの語呂合わせで「徳島県にんじんの日」と制定。毎月12日は「育児の日」(神戸新聞社)。

4月13日 浄水器協会が良(4)い(1)水(3)の語呂合わせで「浄水器の日」と制定。練馬桜台クリニックの永野正史医師が2009年4月13日にメキシコで初の新型インフルエンザ患者が確認されたことにちなんで「新型インフルエンザ対策の日」と制定。毎月13日は「一汁一菜の日」(一汁一菜ぷらす・みらいご飯)、「お父さんの日」(ヤクルト本社)、「登山の日」(ICI石井スポーツ)。

4月14日 明治がバレンタインデー(2月14日)、ホワイトデー(3月14日)に続いて韓国では4月14日をブラックデーと呼んで恋人がいない人が黒い服を着て黒いものを飲食して新たな出会いのきっかけとすることにちなんで「ブラックチョコレートの日」と制定。JA全農えひめがバレンタインデー(2月14日)、ホワイトデー(3月14日)に続いてオレンジやオレンジ色のものを贈りあってほしいとのことで「オレンジデー」と制定。全国柔整鍼灸協会が1970年4月14日に柔道整復師法が公布されたことにちなんで「柔道整復の日」と制定。日本プロバイオティクス学会が1982年4月14日にピロリ菌が発見されたことにちなんで「ピロリ菌検査の日」と制定。毎月14日は「丸大燻製屋・ジューシーの日」(丸大食品)。

4月15日 早稲田大学いちご大福研究会が、よ(4)いいち(1)ご(5)の語呂合わせで「いちご大福の日」と制定。資生堂ジャパンが良(4)い(1)コ(5)ラーゲンの語呂合わせで「良いコラーゲンの日」と制定。日健協サービス(埼玉県鴻巣市)が、よ(4)い(1)酵(5)母の語呂合わせで「よい酵母の日」と制定。ニチレイフーズとローソンが、からあげクンが誕生した1986年4月15日にちなんで「からあげクン誕生日」と制定。

4月16日 デロンギ・ジャパンがイタリア国際カフェテイスティング協会のイタリアエスプレッソデーを日本で行った日にちなんで「エスプレッソの日」と制定。毎月16日は「十六茶の日」(アサヒ飲料)、「トロの日」(カッパ・クリエイト)。

4月17日 冬春なす主産県協議会が、よ(4)い(1)な(7)すの語呂合わせで「なすび記念日」と制定。毎月17日は「減塩の日」(日本高血圧学会)、「いなりの日」(みすずコーポレーション)

4月18日 ドクターシーラボが良(4)い(1)肌(8)の語呂合わせで「毛穴の日」と制定。明治が良(4)い(1)肌(8)の語呂合わせで「よいお肌の日」と制定。パナソニックが、よ(4)い(1)お肌(8)の語呂合わせで「夏美容はじめの日」と制定。

4月19日 JAあいち経済連西三河冬春きゅうり部会が良(4)い(1)きゅう(9)りの語呂合わせで「良いきゅうりの日」と制定。三基商事が食(4)育(19)の語呂合わせで「食育の日」と制定。子ども法人キッズカラー(東京都品川区)が保(フォー=4)、育(19)の語呂合わせで「みんなの保育の日」と制定。毎月19日は「食育の日」(食育推進会議)、「いいきゅうりの日」(いいきゅうりの日プロジェクト)、「松阪牛の日」(やまとダイニング)、「熟カレーの日」(江崎グリコ)、「シュークリームの日」(モンテール)、「クレープの日」(モンテール)。

4月20日 四川フェス実行委員会が四川の四で4月、中国語で八十をパーシーと読んで四川語の「すごくおいしい」と同じ意味であることから80÷4で4月20日を「四川料理の日」と制定。日本ジャム工業組合が1910年4月20日に苺ジャムが明治天皇に献上された記録があることから「ジャムの日」と制定。守山乳業(神奈川県平塚市)が1923年4月20日に珈琲牛乳を初めて販売したことから「珈琲牛乳の日」と制定。420の会が腰(4)痛(2)ゼロ(0)の語呂合わせで「腰痛ゼロの日」と制定。毎月20日は「シチューライスの日」(ハウス食品)、「発芽野菜の日」(村上農園)。

健康食品の表示の法規制は、あくまで健康食品に対する規制として作られ、運営されてきました。そのことは今も変わりはないのですが、取り締まりのための通知の内容が健康食品以外の表示の規制にも使われています。

一つは一般の食品の規制で、機能性表示食品制度が始まり、一般の食品も機能性表示食品として消費者庁に届け出して販売できるようになったことから、食品の表示も厳しく見られるようになりました。機能性表示食品の届け出をしていないものが、機能性表示食品と同じような機能を表示すると罰せられるようになったということです。

健康食品の医薬品的な効能効果の表示・表現を規制する根拠となっているのは、医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で、以前は薬事法という名称でした。

薬事法は主には医薬品の規制に関する法律で、これが大改正によって医薬品と医療機器の法律に拡大されました。これによって始まったのが健康器具や機器の規制で、医療機器として承認されていないものが医療機器と同じような機能を表示すると罰せられます。この規制は以前からあったものの、医薬品医療機器法への変更から急に厳しく取り締まれるようになりました。

というのは、薬事法の時代から続いてきた「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」という規制の通知の内容を、健康器具や機器の表示にも応用して取り締まられるようになったからです。だから、「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」の内容を知ることは健康食品や一般の食品、健康器具や機器の販売にとって非常に重要になってきたのです。

広告表示で大袈裟なことが目立つ業界としては、ダイエットや化粧品もあげられています。これも実際の有効性以上のことを述べたり、虚偽の表示があると罰せられるということですが、根拠とされる法律は医薬品医療機器法だけでなく、景品表示法、健康増進法、販売形態によっては特定商取引法も関わってきます。それぞれ取り締まりのマニュアルがあるので、これらを知ってから販売戦略を立てることが重要になるということです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕

血液中の中性脂肪値の高さと動脈硬化の危険性は、民族による違いがあります。
中性脂肪値と虚血性心疾患の死亡率の関係性を日本人とアメリカ人で比較すると、100mg/dlの危険度を基準の1としたとき、日本人では140mg/dlで2倍、180mg/dlで3倍、250mg/dlで5倍となります。アメリカ人は250mg/dlでは1.7倍と日本人のほうが中性脂肪値の上昇による虚血性心疾患の危険度が非常に高くなっています。

虚血性心疾患は、心臓の筋肉(心筋)に血液を送る冠状動脈が狭くなったり、塞がるなどして心筋に酸素が充分に送られなくなって酸素不足になる状態をいいます。冠状動脈が狭くなって一時的に酸素不足になるのが狭心症、冠状動脈が完全に詰まるのが心筋梗塞です。冠状動脈は3本あるので、1本が詰まっても心臓が止まることはありません。

虚血性心疾患による死亡者の約85%は65歳以上となっています。75歳未満では男性に多くみられ、75歳以上では男女の差は小さくなり、85歳以上ではほぼ同じ発症率になります。

日本人の食生活は歴史的に脂肪が少なかったために、脂肪による健康被害を妨げる能力が低いとされます。脂肪の摂取量が歴史的に多かった欧米人は、脂肪をエネルギー化する能力が高く、余分となった脂肪を脂肪細胞の中に蓄積していく能力も高くなっています。つまり、脂肪を多く蓄えて太ることができるわけです。

日本人は欧米人のようには太ることができないので、食事で摂る脂肪や肝臓で合成される脂肪が多くなると、血液中の中性脂肪が多くなる体質であり、動脈硬化になる危険性が高いということがいえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

“完全栄養”という言葉があります。その食品に含まれている栄養素だけを摂っていれば生きていける食品を指しているのですが、人間にとって、そのような便利な食品は存在していません。猿から進化してピテカントロプス(ジャワ原人または直立原人)になったときに、食べられるものの種類が変わって、完全栄養の食品はなくなりました。

動物は一定の食品を食べるだけでも生命維持をすることができますが、人間は何でも食べなければ生きていけない“雑食”になりました。猿と人間に共通しているのは体内でビタミンCが合成できないことです。人間は他の水溶性と脂溶性のビタミンも合成できないのですが、他の動物は生命維持に必要なビタミンを合成することができます。

人間が食品から摂らなければならない必須ビタミンは13種類あります。水溶性ビタミンのビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ビタミンC、ナイアシン。パントテン酸、葉酸、ビオチンの9種類と、脂溶性ビタミンのビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類です。

必須ミネラルはカルシウム、リン、カリウム、イオウ、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルトの16種類です。

完全栄養というと卵によく使われる言葉です。卵は生命の源で、鶏卵の場合には、ひよこが生まれるまでに必要な栄養素がすべて含まれている、という意味で使われています。しかし、その実際の意味は、たんぱく質を構成するアミノ酸が全部含まれているということです。人間に必要なアミノ酸は20種類あります。

そのうち体内では合成されない9種類が必須アミノ酸(トリプトファン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン)です。必須アミノ酸がバランスよく含まれている食品としては卵のほかに肉、魚、牛乳があげられます。

体内では合成されない脂肪酸は必須脂肪酸といい、リノール酸とα‐リノレン酸があげられます。リノール酸はサフラワー油(紅花油)、コーン油、大豆油に多く含まれています。α‐リノレン酸はエゴマ油、シソ油、アマニ油(亜麻仁油)に多く含まれます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「おしゃかになる」というのは、使い物にならなくなる、出来損ないになる、駄目になるという意味があって、漢字では「お釈迦になる」と書かれます。この“お釈迦”は、お釈迦様、つまりブッダを指していて、仏教を広めた偉大な存在が使い物にならないというのは、なんとも奇妙な感じがして、由来を探ってきました。

幼いころは、母の実家の寺(新潟県出雲崎町)に親元を離れて暮らしていたのですが、私の誕生日(4月8日)には檀家の方々が集まって、お祭りごとをしていました。私の誕生祝いをしてくれていたわけではなくて、お釈迦様の生誕日を祝う花祭り(灌仏会)でしたが、持ち寄ってくれたお菓子が食べ放題の日だったこと、それを目当てに近所の子ども達が挙(こぞ)って遊びに来て、遊び放題だったことを今でも覚えています。

出雲崎町は良寛和尚(江戸時代後期の僧侶)の生まれ在所で、良寛堂と良寛記念館は遊び場の一つでした。良寛和尚は備中玉島(岡山県倉敷市)の円通寺で、12年にわたって修行をしています。私も晩年になって岡山県に移住してみて、良寛和尚が歩いてきた距離に感慨を抱いているところです。

おしゃかになるという言葉を初めて聞いたのは、幼いころの住職の祖父からで、そのときには鋳物職人が阿弥陀像を作るつもりだったのに、間違って釈迦像を作ってしまったので、注文と違うものになった、ということでした。幼いときの記憶なので、曖昧なところもあるのですが。

江戸時代の鼈甲(べっこう)細工の職人が、鼈甲を柔らかくするために火をあてていて、火が強すぎると鼈甲が変形して使い物にならなくなるということから、“火が強かった”が「しがつようか」にかけて、お釈迦になると言うようになった、ということを中学生なってから知りました。駄目になることを“お陀仏”と表現することにも関係しているようです。

次の説を知ったのは大学生のときで、江戸時代の博打打ちが勝負に負けて、身ぐるみを剥がされたときにも“お釈迦になる”と書かれている書籍に巡り会いました。花祭りでは誕生仏(幼少時代の釈迦像)に甘茶をかけて供養をしますが、その像は裸であったことから使われるようになったということでした。

どれが正解かというよりも、庶民の言い伝えは諸説があるのが常です。期待と違うことになるということでは共通しているわけで、ちょっとした過ち、判断ミスで取り返しがつかないことがないように、慎重に進めていくべきだということは、4月8日を迎えるたびに自分に言い聞かせるようにしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

中性脂肪の数値が正常範囲を超えても、すぐに身体に悪影響が出るわけではありません。しかし、血液中の中性脂肪が増加した状態が長く続くと、動脈硬化のリスクが高まります。

このことが高中性脂肪血症の危険性を高めていくわけですが、なかなか気づかないために、対応が遅れ、エネルギー量が高い脂肪の摂取を続けてしまうことになります。
脂肪のエネルギー量は1gあたり約9kcalで、糖質は約4kcalなので、2倍以上のエネルギーがあります。

血液中の中性脂肪が増えると、HDLが減り、その結果としてLDLが増えて、コレステロールが血管壁にたまりやすくなります。

動脈硬化になると血管の内壁が徐々に厚くなり、硬くなって弾力性が弱まり、血管の内側が狭くなっていきます。また、血小板の凝集が促進され、血栓ができやすくなります。そして、血管の内径が狭くなったところに血栓ができると血管が詰まりやすくなります。

中性脂肪値が高いうえに、LDLコレステロール値が高く、高血圧、糖尿病などの危険因子が重なると、さらに動脈硬化のリスクが増大します。

高中性脂肪血症のうち治療が必要となるのは、血液中の中性脂肪が150mg/dl以上となったときですが、中性脂肪は男性の場合、加齢に伴って増加する傾向があり、中年太りの原因となっています。脂肪細胞の中に多く中性脂肪が蓄積されている人は、血液中の中性脂肪も多く、動脈硬化のリスクが高いことになります。

女性は、男性に比べて中性脂肪値が低い傾向にあるものの、閉経後にはLDLコレステロール値が高くなり、中性脂肪値も高くなるために動脈硬化の危険性も高まっていきます。女性は若いうちは動脈硬化の危険性が低くても、年齢を重ねると危険性が男性よりも高くなるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

1日に3食を食べるうち、どれが一番重要なのかという論議があります。どれも抜くようなことがあってはいけないものですが、脳を正常に働かせるためのエネルギー源のブドウ糖の摂取でいえば朝食は重要です。ブドウ糖や脂肪酸をエネルギー化させるために必要となるビタミンB群のうち12時間しか体内に保持されないビタミンB₆とビタミンB₁₂であることを考えると、朝食と夕食が重要になります。

朝食を少ししか食べずに学校や職場に行っている人にとっては、昼食は重要な栄養摂取の機会となります。子どもの栄養調査で、学校給食がある時期とない時期(休みの期間)を比較すると、学校給食がない期間の栄養摂取が低くなっていることが文部科学省の調査でも明らかにされています。

栄養摂取だけでなく、食事には重要なことが多くあり、昼食が重要なコミュニケーションの場になっていることや、食について学ぶ機会になっていることもあります。

朝食と昼食で摂った栄養素は活動のために使われる部分が多いのですが、夕食は体内に蓄積されて、身体を作り、エネルギー源を蓄えておく重要な食事となります。夕方以降は自律神経の副交感神経の働きが盛んになり、胃液とインスリンが多く分泌されて、エネルギー源として体脂肪(中性脂肪)が多く蓄積されるようになります。このエネルギー源を使って、寝ている間と翌日の午前中のエネルギーとしています。

夕食で摂取した栄養素は、夜から朝は活動量が少ないので、より多くのエネルギー源を蓄積することができます。より多くのエネルギー源と、それをエネルギー化するために必要なビタミンとミネラルを多く取り込むためには、ゆっくりと食べること、消化がよいものを食べること、食べたあとにリラックスする時間を取って、より吸収を高めるようにすることが大切、という当たり前の話を今回はしています。
〔発達栄養指南:小林正人〕

糖尿病の患者は成人人口(約1億人)のうち約1000万人、その予備群も約1000万人と推定されていて、成人の5人に1人が糖尿病か予備群という、まさに国民病の状態となっています。

この調査は厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果ですが、コロナ禍にあって令和元年調査(令和2年に発表)を最後に、2年間は調査が行われていません。コロナ禍で外出が減り、運動不足、食べ過ぎ、健診の減少、通院患者の減少が重なったことから、国民的に糖尿病と予備群がどれくらい増えたのか、その結果は不安で仕方がありません。

糖尿病は食べ過ぎ、飲み過ぎで摂取エネルギー量が増えただけでなく、運動や日常的な活動による消費エネルギー量が減ったことでも血糖値が上昇することで発症しやすくなります。

エネルギー代謝が高ければ、摂取エネルギー量が多くても血糖値が高い状態が続くことはなくなるはずです。エネルギー代謝は運動をすれば高まるというものの、これまでと同じ運動習慣を続けていても年齢が進むにつれて低下していきます。

その理由としてはエネルギー消費が多い筋肉の減少があげられることもありますが、それ以上に大きいのは全身の細胞に脂肪を取り込む能力が加齢によって低下していくことが大きな理由となっています。その能力に関わっているのは代謝促進成分のL‐カルニチンの量で、20歳代前半をピークに体内での合成量が減っていきます。

摂取エネルギー量と消費エネルギー量のバランスだけの話ではなくて、L‐カルニチンの材料となる必須アミノ酸のリシンとメチオニンを摂取することと、細胞のミトコンドリアの中でエネルギー産生を進めるために必要な水溶性ビタミンを欠かすことなく摂取することが重要になります。

それを行っても、高血糖状態になると、血液中で濃くなったブドウ糖が赤血球をくっつけ、毛細血管の流れを低下させることから全身の細胞に運ばれる酸素の量が減っていきます。ミトコンドリアでの代謝は酸素を使って行われているので、酸素不足は代謝を大きく低下させることになってしまうのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

健康食品にもサプリメントにも、いつ摂ればよいのかという摂取タイミングは書かれていません。これは医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で医薬品が定義されていて、用法用量の表示は医薬品だけに許されていることだからです。いつ摂るかは用法に相当するため、表示することも記載や口頭で述べることも禁止されています。

しかし、健康食品は消化・吸収のメカニズムが明らかになっていて、摂取タイミングが異なると吸収率に違いが出たり、場合によっては吸収されないということも起こります。

ビタミンやビタミン様成分(ビタミンに似た働きをする成分)には脂溶性と水溶性の性質の違いがあって、脂溶性は脂肪に溶けてから吸収されます。胃の中に脂肪がない空腹時にサプリメントとして摂った場合には溶けることがなくて、小腸で吸収もされず、そのまま素通りすることになります。

水溶性のほうは水に溶けて吸収されるので、いつ摂っても吸収されます。胃の中には水分があり、ビタミンのサプリメントを飲むときの水だけでも溶けることができます。

この脂溶性と水溶性の両方のビタミンなどが含まれたサプリメントは、食後に摂ればよいことになります。

水溶性の成分であっても、食事の内容によって吸収率が異なるものもあります。その代表は代謝促進成分のL‐カルニチンで、たんぱく質との相性がよいので、食事でたんぱく質を摂るタイミングで摂取したほうが効果的に吸収させることができます。そのため、水溶性であっても食後に摂るべきだということがわかります。

L‐カルニチンは脂肪酸を結合して細胞の中のエネルギー産生器官のミトコンドリアに取り込むのに必要な成分で、体内で合成されます。合成はされるものの、そのピークは20歳代前半です。年齢を重ねると代謝が低下するのはL‐カルニチンの減少と関係することが確認されています。

代謝促進成分のα‐リポ酸も水溶性の成分ですが、胃液によって分解されやすく、分解されるとα‐リポ酸の性質がなくなります。そのために胃液が分泌されない空腹時に摂る必要があります。

もう一つの代謝促進成分のコエンザイムQ10は脂溶性の性質があります。本来ならα‐リポ酸とコエンザイムQ10は別に摂らなければいけないのに、それが一緒になったサプリメントがあり、いつ摂ればよいかわからない状態になっているのです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕