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血糖値が上昇して血液中のブドウ糖が多くなりすぎると、血液中の赤血球や白血球の流れが悪くなります。赤血球は全身に酸素を運ぶ役割をしていて、赤血球のサイズより狭い毛細血管を通過していきます。赤血球の直径は約10μm、毛細血管の直径は約8μmであるので、赤血球はつぶれるようにして通過します。

これは赤血球が1つずつ通過していくからで、赤血球がくっついた状態では通過できなくなります。血液中のブドウ糖が多くなりすぎると、ブドウ糖が赤血球をくっつける接着剤のようになり、くっついた赤血球が毛細血管をふさぐような状態となります。

そのために酸素の供給量が低下するだけでなく、白血球も毛細血管を通過しにくくなります。血液中のブドウ糖が増えすぎると、血流が全体に低下します。
糖尿病になると毛細血管が集中している網膜、腎臓、神経細胞の血流が低下して、酸素供給が低下するために、新陳代謝が低下します。これ合併症の要因となっています。

また、免疫を司る白血球も動きが遅くなります。これは消防車と混雑している道の関係にたとえられます。道がすいていれば火事が発生したところに、すぐに駆けつけられますが、渋滞していると到着に時間がかかり、小火(ぼや)で消せるはずだったのに、全焼することにもなりかねません。

糖尿病になると免疫力が低下するのは、免疫細胞の流れが遅くなることが関係しています。高血糖だった期間によるものの、糖尿病患者の平均寿命は、そうでなかった人と比べて10年ほども短くなっています。

このようなことを予防するためには、血糖値を安定させることが重要で、血糖値を下げる効果がある食事療法、有酸素運動に努めることが大切になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

抗酸化成分を摂るなら、できるだけ抗酸化力が強い食品を摂りたいと考えるのは当たり前のことかもしれません。しかし、身体に必要な抗酸化成分は一種類の食品だけで摂ることはできません。抗酸化成分は、すべての活性酸素に対して、同じように効果が得られるわけではなく、それぞれの抗酸化成分によって消去しやすい活性酸素があるのです。

また、抗酸化成分は、他の抗酸化成分と一緒になって働くことで、よい抗酸化作用が高まることも確認されています。

抗酸化成分は、種類によって集まりやすい体の部位が異なり、作用しやすい部位も異なっています。たとえば、肝臓に作用する抗酸化成分は肝臓に届きやすく、肝臓で抗酸化力を発揮しやすくなっています。肝臓のほかの部位で効果を得るためには、肝臓に充分すぎる量が送られることが必要で、肝臓で余分となった分が他の部位に回ることになります。

活性酸素の害は全身に及ぶものであり、体調の不良は弱い器官から現れやすいという特徴があります。同じだけの活性酸素が発生したとしても、現れる状況に違いがあるのは、それぞれの人の身体の状態が異なっているからです、活性酸素が、どの器官に影響を与えているかは、検査をしても、なかなか判断がつくものではありません。

そのため、活性酸素に対抗するには、さまざまな器官に働きかけてくれる抗酸化成分を摂ることが大切で、そのためには、いろいろな色素が含まれた食品を摂ることが大切になってくるのです。

活性酸素を消去するものを総称してスカベンジャーと呼んでいます。そのスカベンジャーには、次の5種類があります。

1)体内の抗酸化酵素

2)SODと似た働きをするSOD様酵素

3)抗酸化酵素を活性化させるミネラル

4)活性酸素に電子を与えるビタミン

5)活性酸素に電子を奪われやすい抗酸化成分

このことは、すでに説明しました。

これらの働き方には順番があり、最初に抗酸化酵素のSODとSOD様酵素がスーパーオキサイドラジカルと過酸化水素を消去し、ビタミン、ミネラル、抗酸化成分がヒドロキシルラジカルと一重項酸素を消去します。

このようにスカベンジャーは、チームで働き、効果的に活性酸素を消去していくので、それらを応援するビタミン、ミネラル、抗酸化成分をともに摂ることが活性酸素対策の一番の方法といえます。

体内の有害物質が多くなるほど、それを分解するために肝臓が働き、そのときに活性酸素が多く発生します。体の中には、環境中の向上の汚染排水や排気、自動車などの排気ガス、農薬などの鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などが、水や食品、空気などを通じて入ってきます、

有害ミネラルのアルミニウム、水銀、鉛は肝臓に蓄積されやすく、蓄積されている間は肝臓が働き続け、活性酸素も発生し続けます。

有害物質は身体の中でも作られます。体が活動することで疲労物質の乳酸、尿素、尿酸、アンモニアなどが作られ、腸内細菌の悪玉菌はインドール、スカトール、硫化水素などの毒素を作り出します。

また、野菜に含まれる硝酸塩と魚介類のたんぱく分解分であるアミンが胃の中で結びつくと発がん物質のニトロソアミンが発生します。発生量が多くなるほど分解するときに活性酸素が多量に発生します。

これらの有害物質を分解し、身体の外に排出するデトックスを盛んにすることで活性酸素の発生量を減らすことができます。有害ミネラルは亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄などのミネラルを摂ることによって解毒・排出を促進することができます。

これらのミネラルのほとんどは、酵素の働きを高める補酵素ともなっています。カルシウムは補酵素ではないものの、酵素を働かせる補因子となっており、やはり酵素の働きを盛んにします。

活性酸素には欠けたマイナス電子を取りやすいものから順番に奪って補うという性質があります。身体の細胞よりもマイナス電子が奪われやすいものが近くにあれば、そこから先にマイナス電子を奪っていくために、体内の細胞は活性酸素からマイナス電子を奪われないようになり、破壊から守られることになります。

活性酸素にマイナス電子を奪われやすいのが抗酸化成分と呼ばれるもので、その代表的なものが植物などに含まれている色素成分です。

紫外線は活性酸素を多量に発生させます。紫外線を浴びることで光合成を行って成長する植物が、紫外線を浴びて活性酸素が多く発生して細胞が破壊されていたのでは成長することも、生き延びることもできなくなります。そのため、紫外線による活性酸素の発生に対応するために、抗酸化成分を色素の形で作り出して、内部に溜め込んでいるのです。

植物の色素は紫外線が強いほど多くなり、色が濃くなる傾向があります。太陽光が強い赤道に近い地域ほど植物の色は濃くなっています。色鮮やかな野菜を見ると、その原産地は赤道近くの地域が多くなっています。たとえば、トマトやトウガラシ、ナスはペルー、レモンはインド、メロンはエジプトとされています。

ワインやココアなどに含まれるポリフェノールに抗酸化作用があることは広く知られていますが、ポリフェノールは植物に含まれる褐色の色素で、この抗酸化成分も日差しが強いところで育ったものには多く含まれています。

沖縄の海で獲れる魚は熱帯魚のように色鮮やかなことが知られています。これも紫外線に対抗するための色素を多く作り出し、内部に多く溜め込んでいる結果です。同じ海域であっても、紫外線が届く浅瀬に棲息する魚は熱帯魚のように色鮮やかで、紫外線が届きにくい深いところに棲息する魚ほど色は薄くなっています。これも紫外線の強さが魚の色素に影響している一つの証拠としてあげられます。

抗酸化成分が体の中で酸化しやすい性質は、私たちの健康維持にとっては大きなプラスになります。しかし、身体に入る前の段階で酸化が進んだのでは、抗酸化成分というよりも酸化した活性酸素を摂っているのと同じようなことになります。

その例として取り上げられることが多いのは、緑茶の色素成分のカテキンです。カテキンは抗酸化作用が非常に強く、茶葉はお湯で淹れたときから急速に酸化が始まります。抗酸化作用が強いほど酸化しやすいので、時間がたってから再び淹れたお茶のカテキンは酸化が進んでいます。緑茶は手軽に抗酸化成分を摂れるものですが、茶葉は酸化しやすいことを知って、頻繁に茶葉を交換すべきです。

SODの働きを高めたり、SOD様酵素が含まれたものを摂ることのほかにも活性酸素を消し去る方法はあります。その方法の一つは、欠けたマイナス電子を与えることです。その役目をするものとして知られているビタミンを摂ることです。ビタミンが活性酸素に欠けているマイナス電子を与えて元の状態に戻すことで、活性酸素は害のない正常な酸素に戻ります。

活性酸素によってマイナス電子が奪われた細胞に対しても、マイナス電子を与えることで電子のバランスを整えて、それ以上は細胞の破壊が起こらないようにしてくれます。その電子を与える役目をしているのはビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンEです。

β-カロテンは植物に含まれていて、身体の中でビタミンAが不足したときにビタミンAに変化します。ビタミンAは、活性酸素によってマイナス電子を奪われた細胞に、欠けたマイナス電子を直接的に与えます。

ビタミンEも同様に電子を与えますが、マイナス電子を与えてバランスが崩れると活性型ビタミンEに変化してしまいます。この活性型ビタミンEは、活性酸素よりも細胞からマイナス電子を奪いやすく、細胞を破壊しやすくなっています。これではビタミンEが豊富に含まれる食品を多く摂ったらマイナスにも作用しかねません。このマイナス面をサポートしてくれるのがビタミンCの働きです。

ビタミンCには、単独でもマイナス電子を与えて活性酸素を消し去る働きがありますが、ビタミンCがあると活性型ビタミンEは欠けたマイナス電子をビタミンCより与えられて正常なビタミンEに戻ることができます。このことによって害がなくなるだけでなく、ビタミンCによって正常な状態になったビタミンEは再び活性酸素を消し去ることができるようになります。

この組み合わせは「抗酸化ビタミンのACE(エース)」とも呼ばれています。

SODの働きを活性化させることはできても、加齢によって減ったSODを増やすことはできません。そこでミネラルとともに摂るようにしたいのが、「SOD様酵素」が豊富に含まれた食品です。SODは私たちの身体の中にある酵素ですが、その酵素と同じ働きをする植物や動物に含まれている酵素をSOD様(よう)酵素と呼んでいます。

これは植物などが内部で発生する活性酸素を消去するために作り出しているもので、SODとまったく同じではないものの、活性酸素を消し去る作用があります。そのため、この酵素が含まれた食品を摂っていれば、活性酸素を消去する能力が高まっていくというわけです。

これは植物などが内部で発生する活性酸素を消去するために作られ、蓄積されているものです。植物の多くは日光を浴びて光合成を行ってたんぱく質とエネルギーを作り出して成長しています。

しかし、日光とともに浴びる紫外線によって活性酸素が発生します。これでは細胞を傷つけ、生き残れないことにもなりかねないので、活性酸素に対抗するためのSOD様酵素を豊富に蓄えているというわけです。

そのSOD様酵素が豊富に含まれている食品としてはキノコ類、野草類、豆類などがあげられます。中でも強い抗酸化作用が認められ、免疫力を高めることが知られている霊芝、漢方薬の雄である高麗人参、田七人参などには豊富に含まれています。

余計な活性酸素を消去するための対策として、初めに考えたいのは、SODなどの抗酸化酵素の働きを高めることです。

抗酸化酵素のSOD、グルタチオンペルオキシターゼ、カタラーゼは、たんぱく質のほかに亜鉛、マグネシウム、銅、マンガン、セレン、鉄といったミネラルから構成されています。これらのミネラルは酵素を働かせる補酵素としての役割をしています。その働きが低下している場合には、これらのミネラルが含まれている食品を補給することで、ある程度は高めることはできます。

しかし、現在のように活性酸素が多量に発生する環境では、食事から充分に補給するのは難しくなっています。しかも食べ物に含まれるミネラルの量は品種改良や促成栽培、栽培環境の悪化などによって低下しています。動物も植物も内部に入ってきた有害物質を分解するためにミネラルが使われています。

そのため、農薬や食品添加物、薬剤などが多くなるほど、ミネラルの量が減っていきます。食品からだけではミネラルが充分に確保しにくいだけに、サプリメントから補給することも考えなければならなくなっています。

活性酸素が身体の中で多量に発生することを防ぐことができないなら、余計に発生した活性酸素を消去する方法を考えなければなりません。

活性酸素を消去する酵素を、私たちは身体の中に持っています。それは、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)、グルタチオンペルオキシターゼ、カタラーゼの3種類の酵素です。

SODは体内で活性酸素が発生すると、すぐに欠けているマイナス電子を与えて過酸化水素に変える働きをします。SODには、マンガンを補酵素にしてミトコンドリア内で造られるマンガンSODと、亜鉛や銅を補酵素にして細胞内で作られる亜鉛SODと銅SODとがあります。

SODによって変えられた過酸化水素はグルタチオンペルオキシターゼとカタラーゼによって水に変えられ、活性酸素は消去されます。グルタチオンペルオキシターゼはセレンを、カタラーゼは鉄を補酵素としています。これらの補酵素であるミネラルは通常の食生活では不足しがちなものです。

これらの抗酸化酵素が充分に働いていれば活性酸素によって身体が傷つけられることはないはずですが、その酵素の働きは加齢につれて低下していきます。若いときには、活性酸素を発生させる紫外線を浴びても、肌荒れや肌のシミなどを心配することはなかったものの、年齢を重ねるにつれて紫外線を浴びることで肌荒れ、シミができやすくなります。
 
女性の場合には、25歳は「お肌の曲がり角」といわれていますが、この年齢を境にしてSODの働きが急に低下することによって活性酸素が多く発生するようになり、皮膚の細胞の破壊が進みやすくなるからです。

破壊されるのは皮膚の細胞だけではなく、外からは見ることができない体内の細胞も同じように活性酸素によって破壊されています。それだけに、年齢が進むほど、活性酸素への対策を取ることが必要となります。

肝臓は体重の50分の1ほどもある大きな臓器で、その主な働きとしては解毒が知られていますが、このほかにもアミノ酸からのたんぱく質の合成、ホルモンや免疫物質の材料の合成、ブドウ糖や中性脂肪の貯蔵、古くなった赤血球などの分解、ビタミンの活性化、体熱の発生など11種類もの多彩な働きをしています。

体内に入った有害物質は肝臓まで運ばれ、肝臓の細胞の酵素によって解毒・分解されていきますが、そのときには肝臓の細胞での代謝が盛んになり、活性酸素が多量に発生します。そのため、肝臓には活性酸素を消去する強い働きが備わっています。活性酸素を消去する抗酸化酵素は肝臓でアミノ酸を材料にして作られているため、肝臓には抗酸化酵素が多く存在しています。全身で発生した活性酸素は血流に乗って肝臓まで運ばれてきますが、そのために肝臓で消去される活性酸素の量は発生した量の半分ほどにもなっています。

肝機能が低下すると活性酸素の消去能力が低下して、活性酸素によって血管が傷つけられるようになります。肝臓は血管が密集している臓器だけに、血管が傷んでいくことで、さらに肝機能が低下していきます。そのために、さらに活性酸素の発生量が増えて……というように悪循環に陥ってしまいます。また、肝機能の低下によってビタミンの活性が低下して、抗酸化作用が弱まることでも肝臓を傷める要因になります。

肝機能は年齢を重ねるにつれて低下していきます。それは働きが低下するだけでなく、肝臓そのもののサイズも小さくなってくるからです。日本人は欧米人に比べて体格が小さい分だけ肝臓のサイズも小さくなっています。

歴史的に食事によるコレステロールの摂取量が少なかったために、コレステロールが材料となっている肝臓の細胞膜が弱くなりやすく、高齢者では欧米人よりもサイズが小さくなっていきやすいのです。女性は男性よりも体格が小さいうえに、肝臓のサイズが小さくなっていくスピードも速いので、どうしても女性のほうが肝機能は低下しやすくなっています。

肝臓を強化するためには、肝臓に負担をかける有害物質を減らすことも大切ですが、それと同時に肝臓を守り、肝臓の働きを強める抗酸化成分を多めに摂ることを心がけるようにしたいものです。また、肝臓で抗酸化酵素を多く作り出すために、その材料となるアミノ酸も多く摂ることが大切になります。