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“三度目の正直”という言葉があります。一度や二度では当てにならないけれど三度目は確実という意味ですが、2回アタックしても期待するような反応がないと、そこで諦めてしまって3回目のアタックをしないということになります。

発達障害の支援に限ったことではないのですが、子どもが頑張っても成果が出ない失敗体験をすると、それが2回重なっただけで、もう3回目を諦めてしまうことが多くなっています。頑張れば達成できるという保証もなく、以前と同じ方法でアタックしたのでは成果が出ないのは仕方がないことです。

これに対して、“二度あることは三度ある”という言葉もあって、同じことが二度続けてあったときには必ず繰り返されるという意味です。1回目か2回目のアタックで望みがかなえられたら、それが成功体験となって次も頑張ろうという気持ちにもなります。

どちらが良いのかといえば、後者のほうになるわけですが、発達支援に携わっていて、質問も相談もないのは、支援がうまくいっているからだと考える人が、支援する側の人に案外と多いことに気がつきました。

質問や相談をするほうは、それに返答をしてくれたとしても、思ったような、願ったような返答でなかったときには、残念な気持ちになります。それでも1回目は質問の仕方が悪かった、タイミングが悪かったと判断して、2回目のトライアルをします。

それで願いがかなったならばよかったのですが、2回目でも期待が裏切られると、もう質問をしなくなります。答えてもらう喜びや満足感よりも、充分に答えてもらえなかったガッカリ感のほうが遥かに強いと感じているからです。

講習をしたあとに質問がなかったことを、よく理解してくれた、満足したと思うのではなく、聞きたくても言い出せない気持ちがあることを考えて対応することが発達障害の支援者には求められることです。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕

栄養不足は貧困問題で語られることが多いのですが、発達障害児の支援という大きな課題を解決するためには大いに語られなければならないことです。

栄養不足は、まずはエネルギー源の不足が課題で、必要なエネルギー量を確保するように食べられるようにすることが大切です。ただエネルギー量を確保するだけであったら、エネルギー量が高い脂肪を多く摂ればよいわけで、脂肪のエネルギー量は1gあたり約9kcalと、糖質とたんぱく質の約4kcalと比べると2倍以上になっています。

エネルギー量の確保もバランスが重要で、ただエネルギー量が多ければよいというわけではありません。脂肪はエネルギー量が多いので、摂りすぎれば太っていく、つまり余分な体脂肪を増やすことになります。

余分でない体脂肪もあって、これはエネルギーの蓄積のための適切な量のことで、適切な体脂肪(中性脂肪)をエネルギー化させるために必要な栄養素があります。それはビタミン、ミネラル、代謝促進成分です。ビタミンとミネラルが不足しているとエネルギー代謝が低下して、せっかくのエネルギー源が使われなくなります。

そして、作り出されたエネルギーによって細胞の中で行われる各種の働きが低下していくことになります。身体を成長させるのも、ホルモンや神経伝達物質などを作り出すのにもエネルギーが必要となります。

そのエネルギーを多く作り出すために必要なのが代謝促進物質で、脂肪をエネルギー化するにはL‐カルニチンが必要です。必須アミノ酸を材料に体内で作られるものの、子どものときには体内の合成量が少なく、材料の必須アミノ酸が含まれる肉、魚、卵、乳製品、大豆製品が充分に摂取されている必要があります。

発達障害児の場合には、特に多くのエネルギーが必要で、発達栄養としてアプローチする子どもは、より多くの種類の食品を摂らなければなりません。そのことの重要性と解決方法を伝えることもDNA資格認定者の大切な役割です。
〔発達栄養指南:小林正人〕

サプリメントを使う前に、自分の食事の内容を確認して、何が不足しているのかを知ることが大切です。そのために日本メディカルダイエット支援機構では「食生活チェック表」という調査票を用いています。

栄養バランスを確認する方法としては、これは国民健康・栄養調査でも採用されている方法なのですが、1週間分のメニュー(献立記録)を出してもらい、栄養素の種類と量を確認することが一般に行われています。

提出されたメニューの内容が実際の食事と合っているのかを確認するために写真記録の提出が求められることもあります。そのときに使われるのが「写ルンです」というインスタントカメラ(レンズ付きフィルム)です。巻き戻しも加工もできないので、的確な記録ができるツールとされています。

そして、提出されたメニューの内容から栄養の専門家が栄養素の種類と量を分析して、過不足を判断するわけですが、そのあとに実施されるのは栄養指導です。どのような食品を摂ればよいのかのメニュー提案がされるのですが、これまでの食生活を大きく変えなければならないのでは長続きしません。

そこで食事の傾向を把握するために使われるのが「食生活チェック表」です。私たちは、食生活の傾向から過不足を把握して、これまでの食事内容から何をプラスするのか、もしくはマイナスするのかを伝えています。

これなら余計な手間もかからず(指導をされるほうも、指導をするほうも)、食事の変更が続けやすくなっています。「食生活チェック表」は日本臨床栄養学会の元理事長の板倉弘重医学博士の監修を受けています。

それぞれの食品を1週間に何回食べているのかをチェックしてもらい、そこから過不足を判定するのですが、生活活動や運動量、疾病の有無なども栄養量に影響を与えるので、それもチェック項目に入っています。

そして、摂取しているサプリメントや健康食品についてもチェックしてもらい、それで栄養バランスが取れているのか、余計に摂取しているものはないか(勿体無いことをしていないか)を確認して、指導に役立てるようにしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」では、「主菜を組み合わせてたんぱく質を充分に」と示されています。

たんぱく質は、身体を構成するために必要不可欠な栄養素です。主菜は、魚や肉、卵、大豆製品などを使った食事の中心となるおかずの料理で、たんぱく質や脂質を多く含んでいます。

魚介類や肉類由来のたんぱく質摂取量は、全体のたんぱく質摂取量のうち、それぞれ2割程度にあたります。同様に、穀類由来のたんぱく質摂取量も全体の2割を占めるため、主菜だけでなく、穀類もしっかり摂る必要があります。

さらに、主菜は、その主材料の種類によって含まれる栄養素が異なります。例えば、魚の中でも、特に青魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれるほど、牛肉や豚肉などの畜肉には鉄が含まれています。また、大豆製品には、食物繊維も豊富に含まれています。

特定の食材に偏らず、多様な主菜を組み合わせて、たんぱく質を充分に摂取するように心がけます。

たんぱく質が豊富な食品の中には、注意が必要な食品もあります。レバーなどにはビタミンAが多く含まれていますが、ビタミンAは過剰摂取によって先天奇形が増加することが報告されているため、妊娠を計画する人や妊娠3か月以内の人は大量の摂取を避けなければなりません。

また、一部の大型の魚介類には水銀の量が比較的多いものも見受けられるため、おなかの赤ちゃんに影響を与える可能性が指摘されています。

肉・魚のパテ、生ハム、スモークサーモンやナチュラルチーズなど加熱していない食品(食前に加熱しない調理済み食品を含む)は、リステリア菌という食中毒菌が増殖している可能性があり、妊娠中は感染しやすく、赤ちゃんに影響が出ることがあります。普段から食品を充分に加熱する必要があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

糖尿病は高血糖のために細小血管がもろくなり、合併症が起こりやすくなります。特に多い網膜症、腎症、神経障害は三大合併症と呼ばれています。

◎網膜症
糖尿病性網膜症では亡くなることは少ないものの、1年間に新たに約3000人が視覚障害になり、障害者手帳を交付されています。この多くは失明にまでいたっています。失明のほとんどは網膜剥離によるものです。目は多くの酸素を必要としていますが、血管がもろくなると運ばれる酸素量が少なくなります。そのため新しい血管を作り出すのですが、この血管は弱く、ショックを受けたときに網膜ごと剥がれ落ちることがあります。

◎腎症
慢性腎不全によって人工透析をしている人は年間30万人を超えています。そのうち約45%は糖尿病性腎症が原因で、もともと腎臓に原因があった人の割合を上回っています。糖尿病性腎症で人工透析を始めた人の寿命は、それ以外の腎機能障害が進行して人工透析を始めた人よりも、年齢によって違いはあるものの5年ほども短くなっています。一般の腎臓病は血液を濾過する糸球体が徐々に侵されていくのに対して糖尿病性腎症は細小血管だけでなく、糸球体も全体的に侵されるために合併症の進行が早くなります。

◎神経障害
神経障害は、合併症の中では比較的早く現れやすく、細小血管が傷んで神経細胞に血液が充分に送られなくなることから起こります。知覚神経の感覚が鈍くなっていると、足にできた傷が気づかないうちに悪化して壊疽(壊死を起こして部分的に腐っていく)となり、足の指や足の切断までいたる人も多くなっています。壊死になるのは糖尿病によって免疫力が低下していくことも関係しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

社会課題の解決は子ども支援のキーワードで、助成金の対象となる活動も社会課題を示して、それを解決するための活動を打ち出せば、比較的助成金が受けやすくなると言われています。

例えば、貧困対策では、日本の子どもの貧困は7人に1人にもなっていて、食べるものを寄付して貧困による栄養問題を解決しようというのは、すでにアフリカなどの貧困国だけの問題ではなくなっています。

そこで寄付が集められ、フードバンク、フードドライブによる食料支援も盛んに行われるようになりました。

フードバンクは、食品会社の規格外品や、まだ食べられる食品が印字ミス、賞味期限が近いなどの理由で販売ができない食品を引き取って、福祉施設や困窮家庭に届ける活動を指しています。

フードドライブは食べ物を募る活動で、家庭で余っている食べ物を持ち寄って、地域の福祉施設やフードバンクに寄付することを指しています。

捨てられるはずだった食べ物を、食べ物が必要な人、中でも子どもがいる家庭に届ける活動で、問題とされるのは家庭での廃棄です。届けられる食品の農薬、食品添加物への心配から、家庭ごみと一緒に廃棄されている事実があります。

それこそ社会課題となるような出来事ですが、そのようなことが起こるのは寄付する人、配布する人の安全性への意識の低さと、食品を受け取った人の過剰な反応によります。すべての食品添加物が危険だということではなくて、許容範囲はあります。そういった知識の不足が別な形でフードロスを生むことになります。

もう一つは身体のほうの問題で、解毒能力、抵抗力などが低いことによって危険度が高まることです。成長過程の子どもは危険性があるものへの抵抗力が低く、免疫も低いため、大人と同じ種類、同じ量でも健康被害が出やすくなっています。

このような問題への対応も、DNA資格認定者に期待されることです。
〔発達栄養指南:小林正人〕

細胞の中にあるミトコンドリアでは、エネルギー源(ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸)を原材料としてエネルギー産生が行われています。エネルギー産生はミトコンドリアのTCA回路で酸素を使って行われると一般には紹介されていますが、実際にはミトコンドリアの中でTCA回路を使わなくてもエネルギー産生は起こっています。

ただ、その産生量は少なくて、ブドウ糖1分子から2分子のATP(アデノシン三リン酸)が発生するだけです。それに対してTCA回路を経ると、ブドウ糖1分子から36分子のATPが作り出されます。脂肪酸は、ブドウ糖に比べてエネルギー量が多いので(ブドウ糖1gが約4kcal、脂肪酸1gが約9kcal)、それだけ多くのATPを発生させることができます。

TCA回路でエネルギー物質のATPが作られているといっても、何もないところから、いきなりATPが発生しているわけではありません。ATPはアデノシンという化合物に3つのリン酸が結びついた形をしていて、ADP(アデノシン二リン酸)にリン酸が1つ結びついて作られます。

TCA回路で起こっている複雑な生化学反応は、ADPにリン酸を1つ結合させて、ATPにしているだけです。そして、ATPからリン酸が1個離れるときに約8kcalのエネルギーが発生します。また、ADPからリン酸が1個離れてAMP(アデノシン一リン酸)になるときにも8〜10kcalのエネルギーが発生します。

わずか8kcalであっても、ミトコンドリアは1つの細胞には平均すると300個ほどとされていて、ブドウ糖も脂肪酸もミトコンドリアの中に次々と入ってくるので、たった1回だけでも2400kcalになります。

全身の細胞は60兆個以上とされているので、膨大な量のエネルギーが発生しているはずですが、そんなにも多くのエネルギーが体内で使われていないのは、エネルギーを作り出すためにもエネルギーが使われているからです。

このメカニズムは非常に複雑なので、これから徐々に明らかにしていくことにします。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

L‐カルニチンはダイエットを目的としたサプリメント成分として知られていますが、もともとは代謝が低い人に使われる医薬品の成分で、それが食品の成分としても使われるように許可されました。許可されたのは2002年のことで、すでに20年以上の使用実績があります。

エネルギー源のうちエネルギー量が高いのは脂肪酸で、1gあたり約9kcalとなっていますが、糖質の代表であるブドウ糖は約4kcalと2倍以上のエネルギー量があります。エネルギー量が多いだけ、体内で発生するエネルギー量も多くなります。

脂肪酸は細胞の中にあるミトコンドリアに取り込まれてエネルギー化されます。ミトコンドリアはエネルギー産生の小器官ですが、1つの細胞の中には200〜3000個もあって、すべてを合わせると体重の10%ほどにもなります。それだけ重要な役割をしているわけです。

脂肪酸は単独ではミトコンドリアの膜を通過することができなくて、L‐カルニチンと結びつくことによってミトコンドリアの膜を通過して、中に取り込まれます。L‐カルニチンは体内で合成されるものの、そのピークは20歳代前半で、それ以降はL‐カルニチンの合成量が減ることによってエネルギー代謝が低下していきます。

年齢を重ねると、同じ食事をして、同じように活動・運動をしていても、だんだんと太っていくようになるのは代謝が低下していくからですが、その大きな原因がL‐カルニチンの合成不足なのです。

L‐カルニチンというとダイエットのための成分と認識されているかもしれないのですが、細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使われません。細胞の中で多くのエネルギーが作り出されると、そのエネルギーを使って、細胞の中の生化学反応が起こります。
身体を構成する成分の合成、ホルモンや神経伝達物質などの合成も、エネルギーによって行われているので、L‐カルニチンの摂取によって全身の健康度を上昇させることができるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

発達栄養というと、発達障害と栄養を組み合わせた言葉ということで、成長と栄養の話が注目されがちですが、私たちは自律神経の調整も重要な事項として研究・教育に当たっています。自律神経は全身の働きを調整する重要な神経系統で、交感神経と副交感神経に分かれています。交感神経も副交感神経も全身に張り巡らされていて、交感神経は働きを高めるアクセルの役割を、副交感神経は働きを抑えるブレーキの役割をしています。

栄養に関することでいうと、消化(口腔と胃)、吸収(腸)、循環(血流)、代謝(全身の細胞の働き)、排泄(大腸)までの一連の流れは、すべて自律神経が調整しています。機能を高めるというと興奮作用がある交感神経の働きかと思われるところですが、消化液を出すのも、吸収を高めるのも、腸の蠕動運動も、血流を盛んにするのも、細胞の働きを高めるのも、そして排泄を進めるのも、すべて副交感神経の働きによるものです。

この自律神経の調整は発達障害があると乱れやすく、そのために食べてから出すまでの生きていくための機能が低下しやすくなっています。その改善のためには、副交感神経の調整をする神経伝達物質のセロトニンが必要になるものの、体内での合成量が少ないことも発達障害の特性となっています。
そのために成長や機能を高めるために、必要な栄養素を摂取しても、それが充分に働かないことになります。ましてや発達障害では食の困難さがあり、栄養吸収がスムーズにいかないことがあり、悪循環を起こす結果になりがちです。

その改善のためには、栄養摂取、自律神経調整に加えて、それらに影響を与える心理的な要因までを理解することが重要になるため、発達栄養の講習では発達障害の特性、食の困難さ、脳科学(といっても難しい話ではなくて理解できるように考えています)と、栄養学の基本的なことを伝える内容としています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

サプリメント(supplement)は補助、補完、補充といった意味があり、食事に関して使われる場合には、不足する栄養素を摂取するためのものを意味しています。本来であれば不足しているものが何であるのかを知って、その上でサプリメントを使うのが正しい選択です。

ところが、何が不足しているのかわからないから、とりあえずマルチビタミンやマルチミネラルを摂っておこうと考える人もいます。そのように考えるのは、ビタミンもミネラルも多く摂っても、必要のないものは体の外に排出されると思い込んでいる方も多くいるからです。

ビタミンもミネラルも体内で多く保持されることがない、そのために毎日摂らなければならないと思っているから、そのような考えが出てくるわけです。その考えは当たっている部分もあれば、当たっていない部分もあります。問題となるのは当たっていない部分です。

ビタミンは性質から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンとに分けられます。余分となったら排出されるのは水溶性ビタミンのほうです。脂溶性ビタミンのビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは体内の脂肪に溶ける形で保持されます。だから、摂取量が少ないことが数日間あっても不足しにくくなっています。

その反面、脂溶性であるために過剰症が起こる可能性があります。脂溶性ビタミンが体内で多くなりすぎることで体調不良が起こります。食事から摂取するなら脂溶性ビタミンが過剰となるほど多くなりすぎることはあまりなくても、サプリメントは急に多くの量を摂ることもあり、過剰症の危険性は常につきまとっているのです。

ミネラルは過剰症が起こりにくいといっても、摂取の上限量が定められているものもあります。商品名としてはマルチビタミンであっても、多くの種類のミネラルを加えているものもあり、1日の摂取量がわからずに摂るのは危険だということです。

だから、サプリメントの摂取を考えるときには、その前提として自分が食事でビタミン、ミネラルを、どれくらい摂っているのか、バランスが取れているのか、本当にサプリメントを摂取する必要があるのかを知っておくことが重要になります。

サプリメントは一般の食品に比べたら、決して安いものではないだけに、無駄なことをしないためにも食事内容を確認することから始めるべきです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕