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いつやるべきなのかと問われたときに、「今でしょ!」と言うのは今ではギャグと捉えられてしまいがちですが、今まさにやらなければいけない状況で背中を押すために使うには的確な言葉です。

“今でしょ!”と言うべきタイミングは、本来はベストタイミングであるべきで、力を注いだのに、実はタイミングが合わなかった、少し前であったりピークを過ぎていたということでは効果が現れにくいだけでなくて、モチベーションにも関わってきます。

待ちに待ったベストのタイミングが訪れたときに、「潮時だ」と言ったら、前進するどころか退散の準備を始められたということを経験したことがあります。「そろそろ潮時」と言われると、もう頑張らずにストップしよう、引き返そうという意味だと思われているのでしょうが、なにも「そろそろ終わり」と言っているわけではないのです。

機運が盛り上がってきて、いよいよ本気になって進もう、アクセルを一気に踏み込むタイミングと思って掛け声をかけたのに、ブレーキを踏まれるようなことになったら、進むものも進まなくなり、健康づくりの機会を逃すことにもなります。

辞書の最高峰の広辞苑には、潮時は「あることをするための、ちょうどいい時期。好機。時期。」と書かれています。潮の満ち引きの満ちている絶好のタイミングのことで、引いている波のときには進みにくいということで、船を漕ぎ出す好機が潮時なのです。

多くの人が誤用をしていれば、いつの間にか正しい使い方とされるという考えもあるものの、文化庁の「国語に関する世論調査」によれば、正しい使い方をしているのは60%を超えていて、誤用は35%ほどということです。

潮時を退散の意味で使うのは、まだ間違いであり、潮時を逃してはいけない、まさに「今でしょ!」の勢いで健康づくりには取り組んでほしいのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

発達障害児への支援は、発達障害者支援法に従うなら、第一義的には国や地方公共団体(自治体)の責務となっていることから、“公助”が期待されます。しかし、国も自治体も、すべてを頼ってよいような状況ではありません。

それは人員的にも予算的にも限界があるからで、今後の超高齢社会への対応には、さらに大きな負担が必要となり、“公助”では望むような発達障害児の支援は得られないのは明らかです。

発達障害者は社会に頼る存在ではなく、高齢化や少子化が急速に進む中にあっては、むしろ社会参加する大切な人材と考えられています。

発達障害は生涯にわたって特性が継くものの、発達障害者支援法が示す早期発見、早期支援が充実して、脳機能の改善が功を奏する未就学児への機能訓練も可能です。それを担っている発達障害児支援施設は、福祉の分野での公的支援によって実施されていますが、数的にも内容的にも充分といえる状況ではありません。

発達障害児の3分の2ほどは通所による支援を受けられない数的な状況から、家庭での支援が重要となるものの、家庭でできることには限界があり、子どもの発達の基盤となる栄養摂取についても充分とは言えない状況です。

このようなことから、当事者(発達障害児と保護者)や当事者を取り巻く方々(親戚縁者や知人、地域の方々)が協力しあって発達支援に取り組む“共助”が求められる状況です。共助であっても部分的な公助(会場の提供や募集の広報など)は必要で、上からの支援を期待するだけのピラミッド型ではなくて、下から多くの参加者が支える“お神輿型”の活動が期待されています。

その期待に応える活動をするために、広い視野と行動ができる組織が必要との考えから、新たな発達支援の行動を起こそうとしているのです。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕

脂肪と一般に呼ばれるのは中性脂肪で、貯蔵型の脂肪のことです。人間の身体の脂肪細胞の中に蓄積されているのは中性脂肪で、動物食品に含まれる脂肪も中性脂肪です。中性脂肪はグリセリドという脂肪に、脂肪酸3個が結びついた形をしています。

食品で摂った中性脂肪は、そのままの形では小腸から吸収されることはありません。そのため消化液によって脂肪酸に分解されてから吸収されます。体内でエネルギーとして使われなかった脂肪酸は、肝臓で中性脂肪に合成されてから脂肪細胞の中に取り込まれます。そして、脂肪酸が体内で不足したときには、脂肪細胞の中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸が血液中に放出されます。

食事経由の脂肪酸も、脂肪細胞から放出された脂肪酸も、全身の細胞に取り込まれて、細胞の中にあるエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアに入って、エネルギー化されます。ミトコンドリアの膜を脂肪酸が通過するときにはL‐カルニチンと結びつく必要があります。

L‐カルニチンは生命維持の重要な成分ということで、必須アミノ酸のリシンとメチオニンを材料に肝臓で合成されているのですが、合成のピークは20歳代前半で、年齢を重ねるほど合成量も体内の保持量も減っていきます。そのことが加齢による代謝の低下を起こしているのです。

体内で合成されるL‐カルニチンが大きく不足するために身体に異常が起こる疾患にカルニチン欠乏症があります。これは筋肉壊死、ミオグロビン尿、脂質蓄積性ミオパチー、低血糖、脂肪肝、筋肉痛、極度の疲労、心筋症を伴う高アンモニア血症を起こすもので、その改善のために使われる医薬品の成分がL‐カルニチンです。

2001年まではL‐カルニチンは医薬品の成分としてしか使うことができなかったのですが、2002年に食品の成分としても使うことが許可されました。そのおかげで今はエネルギー代謝促進のサプリメントとしても活用することができるようになりました。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

筋肉を強化する運動というと白筋を刺激する無酸素運動という印象があるのですが、赤筋を刺激する有酸素運動によっても筋肉を強化することができます。ただし、一般に有酸素運動とされるウォーキングやジョギング、エクササイズなどを漫然とやっていても、その効果はなかなか高まってくれません。

筋肉を強化するためには、身体に強めの負荷がかかることが重要ですが、歩くだけでも筋肉を強化することができます。そのメカニズムについて、紹介していきます。

有酸素運動は、酸素を取り込みながらエネルギー代謝を盛んにしていく運動です。細胞内のエネルギー産生器官のミトコンドリアのTCA回路では酸素を用いて、ブドウ糖や脂肪酸をエネルギー源として代謝が行われています。

TCA回路でブドウ糖と脂肪酸を代謝した結果として、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られます。ATPからリン酸が1個外れてADP(アデノシン二リン酸)になるときにエネルギーが発生します。身体に負荷が高まるウォーキングをするとADPから、さらにリン酸が1個外れてAMP(アデノシン一リン酸)になりますが、そのときにAMPキナーゼという酵素が発生します。

AMPキナーゼには、細胞にブドウ糖を取り込む働きをするGLUT4(グルコース輸送体)が細胞膜に移動して、ブドウ糖を効果的に取り込ませる働きがあります。これによって多くのエネルギーが発生するようになります。

通常はGLUT4を移動させて、ブドウ糖を細胞に取り込む働きをさせているのは、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンです。インスリンが不足すると全身の細胞へのブドウ糖の取り込みが低下して、血糖値(血液中のブドウ糖の値)が下がりにくくなります。

ところが、有酸素運動をすると、このメカニズムによって血糖値が降下します。血糖値が降下すると、肝臓で脂肪合成するインスリンの分泌量が減少するために血液中の中性脂肪の減少にもつながります。糖尿病になると、食事療法とともに運動療法が指導されますが、これは運動によってAMPキナーゼを多く発生させて、インスリンが不足した状態でも血糖値が下げられるようにするという意味もあるのです。

それと同じ結果が得られるのは、最大酸素摂取量(全力運動)の60〜70%の強度の運動をしたときです。体力があり、負荷が高まっても耐えられる人の場合には、かなりの運動が必要になります。ところが、体力が低下してきた人の場合には、それほど負荷がかかる運動でなくてもAMPキナーゼを多く発生します。その最大酸素摂取量の60〜70%は早歩きのレベルの運動量なのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

歩くスピードは、普通の速度(時速4~5km)でも10分間も歩けば、ブドウ糖を盛んに代謝させる効果があります。しかし、もっと効果を高めるためには速歩がすすめられます。速歩は一般には普段の歩き方よりも20%ほど速く歩くスタスタ歩きのことを指します。

時速にして7km以上になりますが、少し息が弾むような速歩でもジョギングに比べて30%ほどエネルギー消費が少ないだけです。つまり、速歩で10分間も歩いたほうが血管への負担も少なく、エネルギー代謝効果が高いということです。

運動を行う時間帯としては、血糖値が上昇した食後1時間から2時間後に行うのが最も効果的です。とはいえ、運動は時間帯に限らず行ったほうがよいので、食後に時間が取れない人は、できるときに行うようにします。

血糖値が高めの人には、ウォーキングなどの持久運動のほかに、筋肉をつけるための強化運動も指導されることが多くなっています。

血糖値が高い人は、筋肉細胞にブドウ糖を取り込んでエネルギーとする力が弱くなるため、ブドウ糖の代わりに脂肪酸もエネルギーとして使われるようになります。

そのために糖尿病まで進むと脂肪酸がエネルギーとして使われるために、だんだんとやせてきます。また、筋肉に蓄えられているたんぱく質もエネルギーとして使われるために、筋肉が衰えていくようになります。

糖尿病予備群と呼ばれる血糖値が高い状態では、筋肉が急に減っていくようなことはないものの、筋肉への負荷が低下すると徐々に筋肉が衰えていくことになります。

ブドウ糖は筋肉で多く使われているため、筋肉の量が増えることは、それだけブドウ糖が筋肉に取り込まれることになり、血糖値も下がりやすくなります。

筋肉の能力というと瞬発力と持久力があげられますが、もう一つの筋代謝力が注目されています。これは筋肉がブドウ糖や脂肪酸を代謝させる能力のことで、有酸素運動を続けることで高まっていきます。筋代謝力を高めるためにもウォーキングは有効です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

エネルギー代謝は、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が細胞のエネルギー産生の小器官のミトコンドリアで生化学反応を起こすことによって起こっています。

初めに多くのエネルギーを発生させるのは糖質で、その中でも主にエネルギー源として使われるのはブドウ糖です。ブドウ糖はブドウから初めて発見されたことから命名されました。ブドウ糖は主としてミトコンドリアの中でエネルギー代謝が行われますが、ミトコンドリア以外でも一部のエネルギー代謝が起こっています。

ブドウ糖のエネルギー代謝には体内に取り込まれた酸素を使わないままエネルギーとする解糖系の代謝と、酸素を使う有酸素系の代謝の2つの系統があります。

解糖系の代謝は、ブドウ糖は酵素の働きによってピルビン酸に変化して、その過程でエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が発生します。この場合にはブドウ糖1分子当たり、2分子のエネルギー物質であるATPが発生しています。酸素が使われない場合のほかに、激しい運動によって酸素が不足したときにも解糖系のエネルギー代謝が行われます。

これに対して有酸素系の代謝では、ブドウ糖1分子当たり36分子のATPが発生します。酸素を用いた代謝は、無酸素系の18倍のATP発生と、非常に効率がよいわけです。

ピルビン酸は酵素の働きによって補酵素のアセチルCoAに変換され、これがミトコンドリア内のTCA回路(Tricaboxcylic acid cycle)に入ります。TCA回路はミトコンドリア内で起こる9段階の代謝回路で、アセチルCoAはクエン酸に変化して、その後は次々と別の酸に変換されていきます。

クエン酸から始まることからクエン酸回路、TCA回路の発見者のドイツの化学者ハンス・クレブスにちなんでクレブス回路とも呼ばれています。

ATPはエネルギー物質であって、さらに変化することによってエネルギーが発生しています。(それについては次回、解説します)
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

小学生のときのこと、父親の影響で剣道と柔道を同時にやっていました。同時といってもまったく一緒にしていたわけではなくて、家の近くの道場が剣道と柔道を交互にやっていたので、今日は剣道、翌日は柔道、その次は剣道というような組み合わせです。

父親の転勤先には柔道の道場がなかったので剣道だけかと思っていたら、足が早かったために中学校では剣道部に所属しながら陸上部の練習にも参加して、県大会では剣道の団体戦と陸上の4×200mリレーのメンバーとして同じ日に別会場で選手をしていました。

剣道の予選、リレーの予選、剣道の準決勝、リレーの決勝と間を置かずに出ていたので、今流行りの“二刀流”と呼ばれていました。そんな呼び方をしたのは、本当に二刀流(大刀と小刀)で大会に出ていた剣道のメンバーの父親でした。

スポーツ栄養学は今では当たり前のことでしたが、当時は何を食べれば、どんな結果が望めるのかということがわかっていなかった時代で、競技の当日の食事に関しては偏食があったので、きっと能力を発揮できないような食事のまま望んでいたのだと思います。

高校になると運動部の掛け持ちということはできなくて、剣道部に所属しながら写真部にも入り、バンド活動もしていました。バンドのリーダーは、後にプロのミュージシャンになって、全国ツアーのときに取材する立場で再開しました。この二刀流、三刀流では他のものは趣味みたいなものでしたが、高校3年からは知人の住職のすすめで空手と少林寺拳法の道場に通っていました。

こんな三刀流だったので、どれも段位は2段階で終わったのですが、そのときに指導者から言われた食事のアドバイスが、それぞれ違っていました。どの方法がよいのか知りたくて、病院の栄養士の紹介で、その方の出身の大学の先生(確か講師だったような)を訪ねて、スポーツ栄養学があることを知りました。それが後の臨床栄養とスポーツ栄養、さらに発達栄養のきっかけになりました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

面倒なことを押し付けられそうになったときに、「私には役不足です」と答えて断ったつもりなのに、「それでは、よろしく」と任されてしまって困惑したという方に会ったことがあります。この場合には、押し付けてきた(と思われる)人のほうが正しくて、押し付けられたと文句を言う人のほうが間違っています。

このことをセミナーで話をすると、受講者からは“?”の連発になります。それは“役不足”の意味がわかっていないからで、多くの人は“力不足”と混同しています。

役不足というのは、自分の実力に対して与えられる役割が低い、弱いといった意味で、「もっと力が発揮できる役を与えてほしい」というときに使う言葉です。

これは健康づくりの活動する人に対しても同じことがあり、もっと評価されるべき役としてリーダーを任されてよいはずの人に、“役不足”と思わせるような役割しか与えられないことがあります。

例えば、地域で健康づくりのウォーキングを実施しているグループなり団体で、参加者をまとめる力があり、技術的なことを教えるにも充分な力量がある人なのに、ずっと以前からリーダーになっている人が、そのまま続けているということがあげられます。

今や、ただ歩けばよい、歩いていれば健康ということでは満足しない人が増えていて、もっと健康になる方法、それぞれの人が希望する効果(血圧を下げたい、血糖値を下げたいなど)に対して対応できない状況で終わっていることがあります。コロナ禍を経験して、外出も制限されるような中にあって、低下した健康度を高めたいという要望が湧き上がっている時代だけに、それに対応するようにするのがリーダーの役割だと考えます。

それは個人の資質に関わることではなくて、組織的な問題も絡んでいます。ウォーキングの全国団体は、これまでに歩いてきた距離(公式の大会イベントのみ換算)を記録して、長く歩いた人を表彰する制度が設けられています。そのために、先に参加した人が常にリードしていて、後から参加した人はランクが低いとみられてしまいます。

本来の評価のポイントとは異なるランキング付けがあるために、地域でも役不足の人が期待されているにも関わらず、なかなか力が発揮できないということが多いのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

発達障害は法律(発達障害者支援法)にも医療にも使われている用語で、これに準拠して多くの場面では“発達障害”が使われています。これに対して“発達障がい”と、“害”の文字を使わないようにしている例もあります。

害は危害や公害などにも使われて、害を為すものという印象が抱かれることもあり、マイナスのイメージを与えることから、地方自治体や企業、団体などでは“発達障がい”を使用するところも増えています。法人名や活動名にも“発達障がい”が使われる場面も増えています。

NHKの表記では障害を使っています。ここでいう障害とは障害者本人ではなくて、社会側の障害のことであり、障害者は社会の障害に向き合っている人たちだという考え方をしています。そして、社会の障害を取り除くことが重要であるということを示しています。

大切なのは表記ではなくて気持ち、意識であるということです。

車椅子で移動している人が、2階に上がりたくても階段しかなくて、上がることができない状態が障害となります。2階に上がるのを手助けしてくれる人がいなかったら対処することができず、障害をなくするように取り組むこと、周囲から手を差し伸べて障害を感じなくするようにすることが、障害者とともに社会の障害に向かっていくこととして求められています。

発達障害の場合には、一般に認識されている障害とは異なることがあるために、障害と障がいの使い分けが難しいことがあります。この議論を避けようとするのではなく、私たちの活動では「発達支援」として、障害(障がい)の文字を使っていません。発達障害がある子どもと保護者だけでの支援だけでなく、発達障害児も定型発達(発達障害でない)の子どもも支援すること、そして当事者を取り巻く方々や地域全体の支援をすることが重要との考え方があるからです。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕

全身には60兆個以上の細胞があり、細胞はエネルギー源を取り入れて、エネルギー代謝を行って、生命維持のためのエネルギーを作り出しています。細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中だけで使われます。そのエネルギーが、電気のように他の細胞に流れていって使われることはありません。

神経伝達は一つの神経細胞から隣の神経細胞に伝わって、全身に情報が伝達されています。この場合もエネルギーが電気のように流れているのではなくて、神経細胞の端から神経伝達物質が出て、これを次の神経細胞が受け取って情報を伝えています。

エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質ですが、たんぱく質は身体を構成する重要な成分であるので、エネルギー源として使われないほうがよいわけです。糖質と脂質は細胞の中のエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアに取り込まれて、この中にあるTCA回路でエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られています。

糖質はブドウ糖に分解されたあとミトコンドリアに入ってアセチルCoAという高エネルギー化合物に変化しますが、そのときにはビタミンB₁、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸が必要になります。脂質から脂肪酸に分解されるときにはビオチンが必要になり、脂肪酸からアセチルCoAに変化するときにはビタミンB₂、ナイアシン、パントテン酸が必要になります。このように水溶性のビタミンB群が充分にあることで、代謝の前段階が整えられるのです。

エネルギー源の脂肪酸がミトコンドリアの膜を通過するときには、L‐カルニチンと結びつく必要があります。L‐カルニチンなしでは脂肪酸をエネルギー化させることができないということで、肝臓で必須アミノ酸のリシンとメチオニンを材料にして合成されています。しかし、その合成のピークは20歳代前半で、その後は年齢が進むほど合成量が減り、脂肪酸のミトコンドリアへの取り込みが低下していきます。

このことが加齢による代謝低下の原因であり、日本人の血液温度が低いという体質の弱点を生み出しています。体質的なものでは改善は難しいという時代もありましたが、今ではL‐カルニチンをサプリメントとして摂取することができるようになり、体熱の産生を進められるようになっているのです。

L‐カルニチンを例としてあげることが多いのは、日本メディカルダイエット支援機構の副理事長がL‐カルニチン研究の第一人者で、代謝科学の研究者でもあることから、私たちも力を注いで研究を進めていることが関係しています。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕