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デトックスは体内の毒素(有害ミネラル)を排出することで、そのために遠赤外線の効果を使って大量の汗をかくということが一般にはすすめられています。それでデットクスは充分と思われがちですが、デトックスを広めた医師は腸内洗浄をすすめていました。毒素を最も多く排出しているのは大腸で、その多くは便に含まれているからです。

腸内洗浄はアメリカでは比較的広まっている方法で、その取材でアメリカを訪れたときに、多くの施設を訪問させてもらいました。その多くの医師が口にしていたのは、「有害ミネラルの70%は便とともに排出されている」ということでした。尿からは20%以上(場合によっては25%)が排出されていて、汗からの排出は1〜2%でしかありません。

岩盤浴などに通って、汗をかいて排出しようにも、汗には多くは含まれていないので、イメージとは違った結果でしかないということです。アメリカ人の便通は1週間に3〜4回で、2日ほどは便通がなくても当たり前という感覚です。そのために毒素もたまりやすくなるので、腸内洗浄のように強制的な排出への期待が高くなっています。

腸内洗浄は装置で直腸内に液体を送り込んで、それを引き戻すときに腸壁にたまった排泄物とともに有害ミネラルも排出しようとするものです。腸内洗浄では腸内細菌も多く排出されます。善玉菌も悪玉菌も排出されて、その後に大きく増えるのは悪玉菌のほうです。そこでアメリカでは腸内洗浄の最後に善玉菌に当たる菌を注入していました。

それと同時に、腸内の温度を高めて善玉菌が増殖しやすいようにしています。その方法は機械的に腹部を温めるほかに、ウォーキングや入浴も指導されます。多くの汗をかくということは、血流がよくなっているわけなので、間接的にデトックスを進める方法ということになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

運動を始めると、細胞の中ではエネルギー不足の状態が起こります。これを解消するために、できるだけ多くのエネルギーを作り出そうとして細胞のミトコンドリアの中でATP(アデノシン三リン酸)がリンを2個外してAMP(アデノシン一リン酸)に変化してエネルギーが作り出されます。

細胞内にAMPが多くなると、エネルギーの枯渇状態を感知してAMPキナーゼ(アデノシン一リン酸キナーゼ)という酵素が活性化します。このAMPキナーゼが指令を出して血液中のブドウ糖が取り込まれるという仕組みになっています。

ATP系のエネルギー消費は10秒間ほどで終わり、そのあとは乳酸系と呼ばれる無酸素状態でブドウ糖を主にエネルギーとして使う運動となりますが、乳酸系運動は10分ほどしか続かず、そのあとも運動を続けると、有酸素系と呼ばれる脂肪とブドウ糖をエネルギーとして使うエネルギー代謝へと切り換わっていきます。

ウォーキングを始めたときには、平常時に比べると多くのエネルギーを、すぐに作らなければならないので、代謝しやすいブドウ糖が先に使われます。ブドウ糖が中心になって代謝するのは10分間ほどです。

そのため、血糖値を下げるためには、10分間のウォーキングを何度か繰り返す方法がすすめられます。
血糖値が高いことを指摘されて、運動をするように言われると、以前に運動をしていた人は、その運動を再開させたり、走ったりしがちです。しかし、血糖値が高めの人に激しい運動は禁物です。

心拍数が高まりすぎる運動は、心臓や血管の負担が大きくなります。血糖値が高い状態が続いていると血管の細胞が傷みやすくなり、強い負担がかかっています。その状態での激しい運動は合併症のきっかけとなることも考えられます。歩くことは血管にダメージを与えない運動という意味でもすすめられています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が細胞のエネルギー産生小器官のミトコンドリアに取り込まれればエネルギー代謝が起こると単純に考えられがちですが、ミトコンドリアに取り込まれる前に高エネルギー化合物のアセチルCoAに変化する必要があります。

そのために必要になるのが水溶性ビタミンです。水溶性ビタミンのビタミンB群とビタミンCは、酵素の働きを補う補酵素として働いて、糖質、脂質、たんぱく質の変化を進めます。

糖質からブドウ糖に分解されるときには水溶性ビタミンは必要ないものの、ブドウ糖がミトコンドリアに入ってアセチルCoAに変化するときにはビタミンB₁、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸が必要になります。

脂質から脂肪酸に分解されるときにはビオチンが、逆に脂肪酸から脂質に合成されるときにはナイアシンが必要になります。また、脂肪酸からアセチルCoAに変化するときにはビタミンB₂、ナイアシン、パントテン酸が必要になります。

たんぱく質からアミノ酸に分解されるときにはナイアシンが、逆にアミノ酸からたんぱく質に合成されるときにはビタミンB₆、ビタミンB₁₂、葉酸が必要になります。また、アミノ酸からアセチルCoAに変化するときにはビタミンB₆が必要になります。

そして、アセチルCoAがTCA回路に取り込まれてエネルギー代謝が起こるときにはビタミンB₁、ビタミンB₁₂、葉酸、ナイアシンが必要になります。

これらの働きをする水溶性ビタミンは、どれか1種類があればよいということではなくて、すべての種類が必要になります。エネルギー代謝のためには、水溶性ビタミンは1種類も欠かせない、必要量が確保されないといけないということで、食事の内容が重要になってくるのです。

ところが、発達障害児の中には極端な偏食のために、野菜が食べられないということもあって、ビタミン不足からエネルギー代謝の低下が起こりやすく、そのために改善しにくくなっているということがあるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

感覚過敏のうち食べることに直接的に関わってくるのは味覚過敏ですが、味覚以外にも食べられるものを制限するような感覚過敏が確認されています。

温かいものは温かく、冷たいものは冷たくして提供するのが、おいしい料理の基本です。温かさの基準となるのは60℃です。温かい温度は80℃、60〜80℃がぬるいというのは通常の感覚です。

この温度なら熱いと感じないように思われがちですが、感覚過敏には60℃以下で、冷めていると感じるような温度であっても火傷しそうなほどに熱く感じる場合があります。これとは逆に、冷たいものが痛みを引き起こして飲めないという感覚過敏もあります。

冷蔵庫の温度は5℃が中心温度で、10℃以下に保たれるように設定されています。冷蔵庫から出して、おいしく感じるサラダの温度は10℃以下とされていますが、これでも痛みを感じるのが感覚過敏の特徴です。感覚過敏では氷が歯に当たっただけで強烈な痛みにも感じます。

温度はおいしさを左右する重要な要素で、温かなご飯は食べられても、冷めたご飯が食べられないという子どもは少なくありません。これは単に温度の違いだけではなく、米のでんぷんの性質も関係しています。米は炊飯や蒸煮などによって加水加熱するとアミロース(多数の糖分がつながった高分子)の結合が崩れ、でんぷんが糊化します。

この状態をα(アルファ)化といいます。α化した米のでんぷんは熱が冷めていくとβ(ベータ)化して老化した状態になります。粘性が失われ、消化がよくない状態になります。

粘度が高いコシヒカリ系のコメはβ化するとおいしさが失われるのに対して、粘度が低いササニシキ系はβ化してもおいしさが残るという特徴があります。米を変えることで、冷めたご飯は食べられないということがなくなり、その成功体験が冷めた料理でも食べられるようになる、ということもあります。家で飲食している米と銘柄が違うと食べられないという子どももいますが、これも炊飯米の性質が関係しています。

餅はα化したあとにβ化しにくくなっていますが、ネバネバとした食感があり、喉に詰まりやすくなっています。餅は飲み込み能力が高い若い世代が喉に詰まることは少ないものの、喉に詰まることがあると思っただけで食べられない子どももいます。

王道というと、正攻法や定番という意味で使っている人が多いようです。会話や講演などの中で「王道」というキーワードが使われるたびに、本来の意味で言っているのか、それとも誤用なのか気になってしまいますが、大抵は誤用のほうです。

単なる用語の間違った使い方であったら、それほど気に止める必要がないのかもしれません。しかし、健康に関わることについて、「これが王道だ」と言われて、本来の意味のほうで言っているとしたら、とんだ勘違いをすることになります。

そして、健康になるために必要な方法だと思って、効果がないことを続けることにもなりかねません。効果がないことに頑張るほど辛いことはありません。(辛いは「つらい」であって「からい」ではありません)

王道の本来の意味は「楽な方法」です。本来の意味を知っている人に対して、「あなたのやり方は王道です」と言ったら失礼にあたり、激怒されて、今後の付き合いも消滅してしまうかもしれません。

王道は英語では「royal road」と書かれるので、王様の道、正しい方法、まさに正攻法という意味に勘違いされやすいのは事実です。王道は、アケメネス朝ペルシャ帝国(紀元前6世紀から4世紀)にダレイオス1世が建設させた首都スーサから小アジアのサルディスを結ぶ2400kmの幹線道路のことです。それまでは通りにくく、3か月もかかった移動が王の道ができることによって1週間ほどで行けるようになったことに由来しています。

そこから楽な方法、多くの人がやりがちな安易な方法という意味となりました。

教育の世界では、古代ギリシャの数学者のユークリッド(エウクレイデス)が幾何学の学習について、エジプト王プトレマイオス1世に言った「学問に王道なし」という言葉がよく使われています。この使い方が王道の正しい意味を示しています。

話を健康づくりに移すと、安易な方法で、あまり効果がない方法を王道だと思い込むようなことがないように、例えば単純な歩くということでも、長い距離を歩けばいい、長時間歩けばいというのは誤用のほうの“王道”です。正しい理論を知って、それに従った方法は覚えるにも続けるにも楽ではないとしても、最終的に健康を手に入れるために「健康づくりに王道なし」の気持ちで取り組むことが大切だということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

発達障害がある人は、一般的に言われる障害者と比べると見た目ではわかりにくいこともあり、困難さを抱えていることも気づきにくいことがあります。その気づきにくいことを察知して、手を差し伸べるには、発達障害について理解することが非常に重要です。

しかし、発達障害は障害と見ない風潮もあり、障害者の差別を解消するために活動している社会運動からも外されてしまうこともあります。

障害者の差別の解消することを目的とした法律は障害者差別解消法(正式名称「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)といい、2016年に施行されました。障害がある人の人権が障害のない人と同じように保障されるとともに、教育などの社会生活に平等に参加できる共生社会の実現のために、合理的配慮をすることが国、地方公共団体、国民の責務とされました。

合理的配慮というのは、社会的なバリアのことで、障害者から自治体や事業者がバリアを取り除くことを求められたときには、自治体は負担が重すぎない範囲で対応すること、事業者は対応に努めることが定められています。事業者というのは仕事として実施する会社や団体だけでなく、ボランティア活動をするグループなども事業者に該当します。

障害者というと身体障害、知的障害、精神障害、難病による障害がイメージされますが、障害者差別解消法の障害者には発達障害者と発達障害児も含まれています。合理的配慮が行政、学校、企業などの事業者に求められるようになり、必要に応じて可能な限り、合理的配慮を提供することがいわば義務化されたわけです。

障害者差別解消法に基づいた発達障害児の支援のための合理的配慮の一環として、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害がある子どもが学校などで安心して学び、社会で育つことができるように、発達障害児の理解を進めることを目指した普及活動としています。

この実現のためには、発達障害の社会的な理解を進めることも大切で、障害者差別解消法が定める差別を気づかないままにしていることがわからないことには、発達障害者と発達障害児の社会的障壁を取り除くことも難しいことになります。だから、理解を進める活動に取り組んでいるのです。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕

エネルギー代謝の解説を本格的に始めるにあたって、代謝の概要について触れておきます。代謝というと、一般にはエネルギー源を材料にしてエネルギーを作り出すことを指していますが、定義的にはエネルギーを作り出す「異化」と、それとは逆にエネルギーを使って物質を作り出す「同化」に分けられます。

ダイエットだけに注目すると、エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質を使って、全身の細胞の中にあるミトコンドリアという小器官でエネルギーを作り出すことで、余分な体脂肪をエネルギー代謝によってエネルギー化することで、体脂肪が減っていきます。体脂肪は脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪を指していて、内臓脂肪と皮下脂肪に大きく分けられています。

重要なのは同化のほうで、作り出したエネルギーを効果的に使うことで、全身の細胞の働きを高めて、内臓や器官、神経などが正常に働くようにしていきます。そのためには、できるだけ多くのエネルギーを作り出すようにすることが大切で、その代謝を高める方法がメディカルダイエットです。

体脂肪を減らすのは、内臓脂肪がたまりすぎることによって起こる高血圧や糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)を防ぐためです。内臓脂肪によって起こる不具合はメタボリックシンドローム(metabolic syndrome)と呼ばれ、内臓脂肪症候群と訳されています。しかし、正式には代謝症候群と呼ぶべきです。代謝はmetabolismと訳されているのです。

私たちが研究して講習しているエネルギー代謝はenergy metabolismとなります。エネルギー代謝を高めれば異化が進んで、エネルギーが作り出された分だけ内臓脂肪が減っていくわけですが、それで終わったら普通のダイエットです。作り出されたエネルギーを使って、同化によって身体を構成する成分を作り出すためにも必要ですが、細胞の生化学反応を進めるためにも使われます。

エネルギーは電気エネルギーとして脳や神経を正常に働かせるためにも使われます。こういったエネルギーを効果的に作り出して、健康を維持・増進させることを私たちは目指しているのです。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

カルシウムというと、骨や歯に必須の体内で最も多いミネラルで、体重の約99%が骨や歯にあることから、“骨と歯のミネラル”と一般には考えられています。不足すると骨粗鬆症や骨軟化症を引き起こすことが知られています。

それは事実なのですが、重要なのは残りの約1%で、血液や筋肉中にカルシウムイオンとして溶け込んでいます。血液中では血液凝固の作用をしていて、筋肉中では筋肉収縮をさせるミネラルとなっています。

収縮ということでは、腸壁を刺激して蠕動運動を盛んにして、便通を促進する作用があります。カルシウムの小腸からの吸収率は約30%ですが、残りの約70%は蠕動運動を起こすために使われています。吸収率が低いことにも意味があったのです。

カルシウムが不足するとイライラしやすいことが知られています。これはカルシウムが神経伝達物質であることと関係があり、一つの神経細胞から次の神経細胞に情報を伝えていくときには神経伝達物質が必要です。その神経伝達物質の一つがカルシウムなのです。

神経系の調整のほかに、細胞内外のカルシウム濃度の調整によって細胞の機能の調整、ナトリウム排泄によって血圧調整をする作用があります。

このように、カルシウムはさまざまな働きをしているのですが、カルシウムの体内の全体量は体重の2%ほどでしかありません。少ないから重要性が低いわけではなくて、少ないからこそ少しの不足でも身体に大きな影響を及ぼすことになります。

1日に600mg以上は摂取する必要があるとされるのは、体内では1日に180mgが必要であって、吸収率が約30%であることから600mg以上という摂取量が割り出されています。しかし、実際の摂取量は厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(令和元年調査)では年代によって20〜30%も不足しています。

カルシウムは小魚、干しエビ、海藻類、牛乳、乳製品などに多く含まれるものの、摂取量が少ない現状を考えると、サプリメントも必要になっています。

血圧が上昇する原因は複数ありますが、内臓脂肪の蓄積によっても上昇します。内臓脂肪が蓄積すると悪玉の生理活性物質のアンジオテンシノーゲンが分泌されます。この生理活性物質はインスリン抵抗性を引き起こして血糖値を上昇させることが知られていますが、それと同時に血管を収縮させ、さらに血液中の塩分濃度を高めるために、血圧を上昇させます。

肥満になると、血管の外側にある脂肪細胞が膨らむことになり、血管が圧迫されて血液が送り出されたときに弾力をもって膨らみにくくなります。そのために血液による圧力が血管に強くかかるようになって、血圧が高くなっていきます。

また、肥満になると、脂肪細胞の中にたまっている脂肪を血液中に放出するために自律神経の交感神経の働きが盛んになり、脳から興奮作用があるアドレナリンが多く分泌されるようになります。アドレナリンは血圧を上げるホルモンでもあるので、多く分泌されるほど血圧は上昇していくようになります。

20歳のときよりも10kg以上も太った人は、脂肪細胞が肥大増殖型になっています。脂肪を多くためているのは正常な状態ではないために、常にアドレナリンが多く分泌され、常に血管が収縮して血圧が上昇することになります。

内臓脂肪を減らすのに効果があるのは有酸素運動です。有酸素運動は、酸素を吸いながらの運動で、酸素を体内に多く取り込みます。脂肪を分解する働きをする酵素のリパーゼの働きによって分解された脂肪酸は、細胞のミトコンドリア内で酸素を使って代謝されます。細胞の中でも代謝によって多くのエネルギーを作り出しているのは筋肉細胞です。

有酸素運動にはウォーキングやサイクリング、ジョギング、エアロビクスなどがありますが、運動をしなれていない人にとってはジョギングやエアロビクスは身体への負担が大きく、負荷がかかりすぎると通常の酸素摂取では間に合わずに無酸素運動と同様の状態にもなりかねません。

リパーゼは平常の体温では、それほど働きがよくはなくて、身体を動かして筋肉が温まってくることによって働きがよくなっていきます。歩き始めてから10分くらいまではブドウ糖が盛んに代謝していて、その後に脂肪の代謝が盛んになっていきます。

有酸素運動は、無酸素運動に比べると血管への負担が少なく、血管の弾力性を高めることにも役立つため、血圧が高めの人でも安心して続けることができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

代謝というと全身の細胞の中で起こる生化学反応のことを指しています。特に大きな役割は生命維持に必要なエネルギーを作り出すことであることから、“エネルギー代謝”と表現されることが多くなっています。

エネルギー代謝というと、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料にして、細胞の中のエネルギー産生の小器官のミトコンドリアの中でエネルギーを発生させることというのが一般の認識です。これは代謝の一つの働きであって、これは“異化”と呼ばれています。食べたものを異なる形のエネルギーに変化させるという意味です。

細胞の中で発生したエネルギーは、その細胞の中でだけ使われるもので、他に流れていって使われるようなものではありません。全身の健康を考えるなら、全身の細胞にエネルギー源が運ばれる必要があるわけです。

発生したエネルギーの70%は基礎代謝という生命維持のために使われます。そのうちの70%、つまり約半分は体温を維持する(細胞が働けるように温めておく)熱エネルギーとなります。この他には身体を動かす運動エネルギー、神経伝達の電気エネルギー、細胞内の生化学反応のための化学エネルギーとなります。

発達栄養で特に重視しているのは化学エネルギーで、これを使って細胞内では身体を構成する成分や酵素、ホルモン、神経伝達物質などが作り出されています。この部分の代謝が“同化”と呼ばれています。

発達障害に限らず、成長段階の子どもは多くのエネルギーが必要となり、作り出されたエネルギーによって神経伝達物質を作り出しています。ところが、発達障害では神経伝達物質の製造が低下していて、そのために脳や神経の働きが低下するために、発達障害の特性が現れやすくなっています。

発達支援の栄養摂取は、同化を促進するために、異化を促進することが重要で、その役割をしているのが代謝促進成分のL‐カルニチンです。乳幼児と小児はL‐カルニチンの体内合成量が少ないために、異化を進めるための食事の工夫が必要となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕