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発達障害者は、発達障害があり、そこに社会的障壁が加わることによって日常生活や社会生活に制限を受けている存在だということを発達障害者支援法は定義(第二条)しています。

これは早期に発見して、早期に改善のための対処をすることで、発達障害であっても状態を軽減させ、本人や家族などの困難さを少しでも解消しようという考えに基づいています。

発達障害者支援法の第三条でも、国や地方公共団体は発達障害児に対して、発達障害の症状の発現後できるだけ早期に把握して、状況に応じて適切に、就学前の発達支援、学校における発達支援が行われるようにすることが定められています。

また、発達障害者に対する就労、地域における生活等に関する支援、発達障害者の家族その他の関係者に対する支援が行われるよう、必要な措置を講じることも定められています。

このことから、生活をする地域の自治体も発達障害児を早期に発見するための活動をしなければならないこととなっています。

この発達障害者に対する責務は自治体に課せられたことではなくて、国民一人ひとりにも課せられています。発達障害者支援法の第四条には「国民の責務」として、「国民は、個々の発達障害の特性その他発達障害に関する理解を深めるとともに、基本理念にのっとり、発達障害者の自立及び社会参加に協力するように努めなければならない」と書かれています。

理解をするための勉強の機会を得ることを個々に求めても国民的な理解を進めることはできないことから、やはり自治体や関連団体が着手するべきこと、自治体だけで不可能であれば民間との協働で実施することが求められているわけです。

国や自治体任せにして、頼りきりになってはいけない、公助ではなく共助で取り組むべきだということです。

発達障害者支援法の第二条の二の「基本理念」を見ると、国や地方公共団体(自治体)が発達障害者を支援する団体との連携を進めることが示されています。連携を進めるということは、発達障害者の支援は自治体だけでなく民間の団体にも期待されているということで、自治体の協力を得ながら、市民活動として取り組むべきである、ということが示されているわけです。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕

発達栄養学のベースとなっているのはエネルギー代謝科学で、臨床栄養学でも中心的な課題とされてきたことです。エネルギー代謝は、全身の細胞にあるエネルギー産生の小器官のミトコンドリアでエネルギーを作り出すシステムを指しています。

ミトコンドリアは非常に小さなもの(直径0.5μm、長さ1μm)ですが、全身のミトコンドリアを合わせると体重の10%にもなります。それだけ重要な器官であり、生命維持に必要なエネルギーを作り出すという大きな役割を果たしています。

エネルギー産生はエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料としてエネルギーを作り出すことと一般には認識されていますが、作り出されたエネルギーを用いて細胞内の生化学反応を起こすことも含まれています。身体を構成する成分や機能を維持する成分(ホルモン、神経伝達物質、酵素、免疫細胞など)を作り出すためにも使われることから、多くのエネルギーを発生させることが健康の維持・増進に重要な役割を果たしています。

子どもは身体の大きさと比較すると非常に多くのエネルギーを必要とします。そのエネルギーを効率よく発生させることが重要であり、そのためにはエネルギー代謝を最大限に高める必要があります。中でも発達障害がある子どもは、自分をコントロールして周囲と対応していくために、非常に多くのエネルギーを必要としています。

エネルギー代謝に対して重要な役割をする消化、吸収、血液循環、細胞代謝、排泄は、どれも副交感神経によって働きが盛んになります。発達障害では、これらの働きが弱まることからエネルギー代謝が低下しやすく、さらに心身に大きな影響を与えることになります。

こういったことを改善するために、エネルギー代謝を高める成分(ビタミン、ミネラル、代謝促進成分)を効率よく摂取する方法が大切になります。また、代謝を促進するための生活活動や運動、入浴や睡眠などの生活面で幅広いアドバイスも必要であり、そのための知識を得ることも講習の重要な役割であると認識しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

自閉症スペクトラム障害に特徴的にみられる感覚過敏のうち、食事に直接的に影響するのは味覚過敏です。酸味、苦味、渋味、辛味、塩味に過敏に反応して食べられないということで、料理をする家族にも大きな負担がかかります。このうち食べなくても健康に影響がないものは避けて、食べなければ健康が維持できないものは、なんとかして食べられるようにしようと考えるのが一般的です。

酸味がある食品の代表的なものは柑橘類(レモン、オレンジなど)、イチゴで、特に豊富な栄養素はビタミンCです。ビタミンCは淡色野菜、緑黄色野菜に豊富に含まれています。ビタミンCは緑茶にも含まれていますが、苦味があって、これが苦手だという子どもも少なくありません。

苦味はレバーの特徴的な味覚で、味覚過敏でなくても苦手な子どもが多くいます。レバーにはビタミンB群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂がすべて含まれていて、レバーさえ食べていればミトコンドリアのTCA回路を正常に働かせてエネルギー代謝を促進する4種類のビタミンB群を補うことができます。しかし、レバーは大人でも苦手な人は多く、味覚が育っても克服が難しい食品の一つです。

ビタミンB群は水溶性ビタミンのために毎日、摂る必要があります。ビタミンB₁は豚肉や大豆に、ビタミンB₂は魚や乳製品、卵、大豆に、ビタミンB₆は魚や肉、卵に、ビタミンB₁₂は魚や肉に多く含まれています。これらの食品を摂って、補給する必要があります。

苦味がある食品にはミネラルが多く含まれ、ミネラルが多く食品には渋味もあります。渋味の正体はタンニンやカテキンなどのポリフェノールです。タンニンもカテキンも緑茶に多く含まれている抗酸化成分です。苦味が苦手な子どもは、一般には子どもが大好きだとされているチョコレートも苦手です。

辛味成分は唐辛子のカプサイシン、しょうがのジンゲロール、山椒のサンショオールなどで、食欲を増進させたり、発汗や清涼感などの作用もあります。しかし、辛味がある食品を食べなくても生きていくことができます。塩味は塩分(ナトリウム)の特徴で、加工食品や調味料に塩分が多くなっています。減塩が叫ばれる時代には、塩味の過敏は、あまり影響がないと考えられます。

大豆が身体によいと言われれば、大豆のどの部分なのかと考えることがないのは、大豆そのものを食べるのが当たり前になっているからです。特に品質が高い、栄養価が高い部分だけを取り出して、“一等大豆”などと言って販売されることはありません。

大豆が原材料の商品の中には“丸大豆”とうたったものがあります。初めて丸大豆がコマーシャルに使われたときに、その醤油メーカーの広報に電話をかけて、丸でない大豆の形を聞いたことがあります。「丸でないのは三角ですか四角ですか」という質問にも、広報は嫌な顔もせずに(電話なので顔は見えないのですが)、「丸大豆は大豆が丸ごとという意味です」と答えてくれました。

大豆は植物油の材料でもあって、大豆油を絞った残り(脱脂大豆)が一般的な醤油の原料となっています。油は不要なものではなくて、栄養成分が多く、丸大豆の醤油は風味も違ってきます。それなのに脱脂大豆で醤油を作るときには、従来は使わなかった添加物が必要になってきます。それは加工のためであって、商品にする最終段階で取り除く場合には(もちろん商品に残留していない条件つきで)表示しなくてよいことになっています。

小麦粉の材料は小麦です。小麦の粒から外皮と胚芽を取り除いて、残った部分の胚乳と呼ばれる部分が小麦粉となっています。中心部ほど糖質が多くて、中心から順に特等粉、一等粉、二等粉、三等粉、末粉となります。特等粉はカステラや高級食パンに、一等粉はケーキや高級菓子、菓子パンなどに、二等粉は一般的な菓子や食パン、うどんなどの麺類に、三等粉は駄菓子や麩などに使われます。

問題は未粉で、普通は工業用のデンプンなどの材料となっています。“などの”というのが気になるところで、実はパンにも使われています。それは入札制度がある学校給食用のパンです。未粉は安いということが関係しています。

末粉は外皮に近くて、輸入小麦の場合は防カビ用に使われる農薬が染み込んでいる可能性が高い部位です。同じ小麦粉であっても、品質や味だけでなく、安全性にも違いがあるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

サプリメントは1日あたりの摂取の上限量が定められています。水溶性の性質がある栄養素は体内に長くは保持されず、その多くは1日ほどで排出されます。だから、どれだけの量を摂っても問題はないと考えられることもあるのですが、保持されている期間に過剰症が起こるものもあります。

体内促進成分のL‐カルニチンは水溶性の性質で、いつ摂っても吸収され、長期間は保持されないのは他の水溶性の成分と同様です。しかし、代謝に必要な成分であることから腎臓に保持される性質があるので、食事やサプリメントによる摂取がなくても不足することは一般にはありません。

通常の食事では1日に肉食によって60〜180mgが摂取されています。この違いは食事による肉の摂取量に影響を受けています。多く含まれているのは牛肉で、豚肉、鶏肉の順で少なくなっています。乳製品の牛乳やチーズなどにも含まれています。

肉をまったく食べないビーガン(完全菜食主義)の場合には、L‐カルニチンの摂取量は10〜12mgとなります。ちなみに、食品に含まれるL‐カルニチンの吸収率は54〜86%とされています。この差はL‐カルニチンが含まれている食品に関係していて、もともとは肉に多く含まれている成分であるために、たんぱく質の量に影響されています。

L‐カルニチンのサプリメントの吸収率は、たんぱく質が多く含まれる食事と一緒に摂ったときに高くなります。そのため、肉類や乳製品と一緒に摂ることがすすめられます。

L‐カルニチンのサプリメントの1日の上限は1000mgとされていて、この量を継続的に摂取しても過剰症が起こることはありません。過剰症が認められるのは1日に3g(3000mg)を摂取したときで、吐き気や嘔吐、腹部痙攣、下痢などが起こる可能性が指摘されています。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

広く健康に関わる記念日について紹介します。

11月29日 トンボが、いい(11)服(29)の語呂合わせで「いい服の日」と制定。全国海水養魚協会トラフグ養殖部会が、いい(11)フグ(29)の語呂合わせと食べた人に福をもたらすという意味から「いいフグの日」と制定。より良き宮崎牛づくり対策協議会が、いい(11)肉(29)の語呂合わせで「いい肉の日」と制定。飯田下伊那食肉組合とマルマン(ともに長野県飯田市)が飯(11)田焼肉(29)の語呂合わせで「飯田焼肉の日」と制定。毎月29日は「ふくの日」(日本アクセス)、「Piknikの日」(森永乳業)、「クレープの日」(モンテール)、「肉の日」(都道府県食肉消費者対策協議会)。

11月30日 全国味醂協会が、いい(11)みりん(30)の語呂合わせで「本みりんの日」と制定。きりたんぽみそ鍋協議会(秋田県秋田市)が11が囲炉裏に並ぶきりたんぽの形で、30(三十)がみそと読む語呂合わせで「きりたんぽみそ鍋の日」と制定。毎月30日は「サワーの日」(宝酒造)、「EPAの日」(日本水産)、「みその日」(全国味噌工業協同組合連合会)。

12月1日 WHO(世界保健機関)がエイズの蔓延防止と患者・感染者への差別・偏見の解消を目的に「世界エイズデー」と制定。厚生労働省が自殺予防活動の一環として、いのちの電話の普及のために「いのちの日」と制定。日本カイロ工業会が使い捨てカイロの需要が高くなる12月の最初の日を「カイロの日」と制定。新保哲也アトリエ(兵庫県神戸市)がワッフル(ワン=1、フル=2)の語呂合わせで「ワッフルの日」と制定。市田柿発祥の里活用推進協議会(長野県高森町)と市田柿ブランド推進協議会(長野県飯田市)が市田柿は12月が出荷月で市田(いちだ=1)の語呂合わせで「市田柿の日」と制定。朝松庵(東京都目黒区)がカレー南蛮を広めた2代目店主の角田酉之介の誕生日にちなんで「カレー南蛮の日」と制定。明治が明治プロビオヨーグルトR−1が発売された2009年12月1日にちなんで「明治プロビオヨーグルトR−1の日」と制定。毎月1日は「あずきの日」(井村屋グループ)、「釜飯の日」(前田家)、「Myハミガキの日」(ライオン)。

12月2日 江崎グリコがビフィズス菌の発見が発表された1899年12月1日にちなんで「ビフィズス菌の日」と制定。オタフクソースがナツメヤシのドライフルーツのデーツの認知のために12月(December)と数字の2の組み合わせでデー(D)ツ(2)と読むことから「デーツの日」と制定。

12月3日 国際連合が障害者に関する世界行動計画の一環として「国際障害者デー」と制定。プラネット(大阪府和泉市)が1に手洗い、2にうがい、3に除菌で衛生的な生活を心がけてもらうことを目的に「いちにのさんで除菌」の標語から「『暮らしに除菌を』の日」と制定。凸版印刷が1年間の労をねぎらい妻に感謝する日として1年最後の12月のサン(3)クス(Thanks)の語呂合わせで「妻の日」と制定。日本トイザらスが、いい(1)にん(2)ぷさん(3)の語呂合わせで「プレママの日」と制定。岩手県生めん協同組合が123のひいふうみが、ひっつみに語感が似ていることから「ひっつみの日」と制定。毎月3日は「くるみパンの日」(カリフォルニアくるみ協会)、「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

12月4日 北里柴三郎とエミール・ベーリングが破傷風とジフテリアの血清療法を発表した1890年12月4日にちなんで「血清療法の日」と制定。毎月4日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

12月5日 国際連合がボランティア活動の機運を高めることを目的として「国際ボランティア・デー」と制定。ナカバヤシが12月に1年の思い出をアルバムにまとめる機会にしてほしいと、いつか(5日)時間ができたらと後回しにされることなくアルバムづくりをする日として「アルバムの日」と制定。毎月5日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

「サプリメント」は、アメリカの「ダイエタリー・サプリメント」(Dietary Supplement)を略したもので、栄養補助食品、健康補助食品を指しています。

Supplementには追加や補助、補足、補充、補完の意味があり、Dietary Supplementは「日常の食生活では不足する栄養成分を補うもの」とされています。

日本でサプリメントというとビタミンやミネラルといったもので、普段の食事では不足する栄養素を補うという印象があります。これに相当するのは栄養機能食品に分類されています。

栄養機能食品は、健康の維持等に必要な栄養成分の補給を目的として摂取する人に対して、特定の栄養成分を含むものとして、定められた基準に従って、その栄養成分についての機能を表示することができる食品です。

個別許可型の特定保健用食品とは異なり、1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が、国が定めた上限値・下限値の規格基準に適合している場合に、審査を受けることなくサプリメント製品に表示できる規格基準型となっています。

栄養機能食品に該当する規格基準が定められている栄養成分は、脂肪酸1種類(n‐3系脂肪酸)、ミネラル6種類(亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム)、ビタミン13種類(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸)に限られています。

例えば、「カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です」といった表示ですが、それ以外の機能もあります。一般にイメージされる機能とは違った“目からウロコ”(正式には「目から鱗が落ちる」)の機能について、次回からミネラルを例に掲載していきます。

有酸素運動と無酸素運動を交互に行う運動はサーキットトレーニングと呼ばれます。その効果を歩くことによって得るのがインターバルウォーキングです。

サーキットトレーニングは30秒間ずつ繰り返すことを基本としています。30秒間としているのは無酸素運動では30秒間を超えると疲労物質の乳酸が増えるため、30秒間で無酸素運動を終えて、乳酸の発生が少ない有酸素運動に切り替えるとしています。これはショートインターバルトレーニングと呼ばれています。

これよりも長い時間の無酸素運動を行うことによって乳酸が多くなっても、その後に長めの有酸素運動を行うことによって乳酸をエネルギー源として使うことができます。

その特性を活かして、ミドルインターバルウォーキングを実施する場合には有酸素運動と無酸素運動のプログラムを設け、それに従った速度と負荷を調整するアクティブウォーキングを実施しています。

一般には、通常歩行20分、中強度歩行10分、通常歩行20分、中強度歩行10分、通常歩行20分を1セットとして、体力や経験などに合わせて通常歩行の時間を調整しています。

10分間の中強度歩行が負担となる場合には、通常歩行10分、中強度歩行5分、通常歩行10分、中強度歩行5分、通常歩行10分を1セットとして1日に2セットを行うこととしています。

これは1日に20分以上のウォーキングによって健康効果が高められることに沿って設けられたプログラムですが、実際に実施する場合には歩く方それぞれの身体状況、経験、体力などによって調整する必要があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

発達障害の特性として現れやすい感覚過敏は五感(味覚、触覚、視覚、聴覚、嗅覚)に関するものが多くみられますが、五感とは関係がない感覚過敏もみられます。

直接的には関係がないとしても、そのきっかけには五感を強く刺激され、それが記憶として強く、長く残っているために、感覚過敏として現れるということも少なくありません。

五感以外の食事に関連する感覚過敏としては、以下のことがあげられます。
・ストローを使う牛乳パックが嫌い
・牛が嫌いだから牛乳が飲めない
・友達が吐いたり、食べられないものは食べられない
・冷めたご飯が食べられない
・餅は喉に詰まると思って食べられない
・家で飲食しているものと銘柄が違うと食べられない
・使い慣れた食器でないと食べられない
・加工食品しか食べられない
・不衛生な台所で作ったものは食べられない
・母親が強制したことが嫌いになった食べ物がある
・苦手な食品を知らない間に入れられたから家で食べたくない

この中には、食べたり、飲んだりしてみることで、実際は過敏に反応する状態でなくなったということもあります。その反面、口にすることさえ拒否する例も少なからずみられます。

例としては母親が多くあげられていますが、母親に限らず、身近な人が無理に食べさせた、見た目でわからないように料理に加えたということがあったために嫌な思いをしたことが心から消えずに、その食べ物を身体がアレルギーのように受けつけないということがあります。

その一方で、例えば家庭では食べられないものが、給食では問題なく食べているということもあるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

生活習慣病の予防のための生活の注意点を見てみると、その多くに“早食い”があり、早食いを戒める内容となっています。生活習慣病のリスクを高める食事内容としては、高血圧では食塩過多、糖尿病では糖質過多、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)では脂質過多ということが言われます。

早食いだと、満腹中枢が働く前に多くの量を食べる傾向があり、食べる量が増えれば食塩、糖質、脂質を多く摂るようになるのは当たり前のことと考えられています。食べる量が決まっていて、それ以上は食べられないという状況なら、そのようなこともないのでしょうが、早食いの人は食事だけで満腹を感じにくくて、余計にデザートを食べたがる傾向もあるので、ゆっくりと食べて、決まった量で満足するように言われます。

満腹中枢は血液中のブドウ糖の量に比例して高まりやすく、満腹を感じて食欲にストップがかかるまでには食事を始めてから10〜15分はかかります。これよりも早く食べると、食べている量が多くても満腹を感じにくくなり、どうしても余計に食べたくなります。

糖尿病の予防と改善には糖質制限が効果があると言われるものの、満腹中枢の働きを考えると、ブドウ糖が含まれる糖質を食べないことによって血糖値が上昇しないことから、お腹を膨らませて満腹を感じるような食事内容になりがちです。

そのときに多く食べてしまうのは肉類になりがちで、健康の維持に必要なたんぱく質は摂れるとしても、同時に脂肪も多く摂ることになります。それが太る原因になるだけでなく、生活習慣病のリスクを高めることにもなります。それも脂質異常症だけでなくて、高血圧にも糖尿病にも関係してきます。血圧は太ることでも上昇します。血糖値はブドウ糖だけが原因ではなくて、脂肪の摂取が多くても血糖値が上昇して、糖尿病の引き金になることもあるからです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)