投稿者「JMDS」のアーカイブ

三大代謝促進成分(L‐カルニチン、α‐リポ酸、コエンザイムQ10)は、どれも細胞のミトコンドリア内でATPの産生に関わっている物質で、ブドウ糖と脂肪酸はミトコンドリア内でATP産生に必要なアセチルCoAに変換されてからTCA回路に運ばれています。

L‐カルニチンは脂肪酸と結びついてミトコンドリアの膜を通過させてアセチルCoAに変換させています。

α‐リポ酸はブドウ糖をアセチルCoAに変換するために働くと同時に、TCA回路の回転を盛んにする働きがあります。

コエンザイムQ10はATP産生の最終工程の電子伝達系で補酵素として働いています。このATP産生の反応で、コエンザイムQ10とα‐リポ酸は還元型の抗酸化物質に変換され、ATP産生の際に発生する活性酸素の除去物質(活性酸素を水に変える物質)としても働いています。

活性酸素を消去する成分としては、植物の色素などの抗酸化物質が知られています。ミトコンドリアで発生した活性酸素には種類があり、それぞれの抗酸化物質は消去を担うものが決まっているため、複数の抗酸化成分を摂る必要があります。

ところが、三大代謝促進成分は体内で作られ、エネルギー産生のために働くだけでなく、活性酸素をミトコンドリア内で消去して外に漏れ出さないように働く物質でもあるため、ミトコンドリアを良質な状態で維持するために必要不可欠な物質となっています。

代謝が促進されて、スムーズにエネルギー産生されていれば活性酸素の発生量は少なくなります。エネルギー量が多くてエネルギーを多く発生させる脂肪酸は、それだけ活性酸素が多く発生するので、L‐カルニチンの摂取は重要になります。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

細胞の中でエネルギー産生を行う小器官のミトコンドリアは酸素を使ってATPを産生していることから、ミトコンドリア内でエネルギーが作り出されるときに活性酸素が発生します。その量は取り込まれた酸素のうち2〜3%にもなります。活性酸素はプラスとマイナスの電子のバランスが崩れた酸素のことで、細胞の電子を奪うことで細胞を破壊したり、細胞内の遺伝子(DNA)を傷つけたりしていきます。

ミトコンドリア内のDNAは損傷されやすく、ミトコンドリア内で活性酸素が多く発生するとミトコンドリアの機能が低下していくようになります。機能が低下したミトコンドリアが多くなると、その細胞は必要なエネルギーが産生できなくなります。特にエネルギー代謝が盛んな骨格筋や神経細胞は影響を受けやすく、ミトコンドリアが劣化することによって細胞死のアポトーシスが起こるようになって、筋肉が減っていくようにもなります。

高齢者では筋肉量が減り、身体が小さくなっていくのはミトコンドリアの劣化が一つの重要な原因と考えられています。

ミトコンドリアを増やすためには有酸素運動が必要ですが、有酸素運動によって活性酸素が多く発生します。しかし、有酸素運動によってブドウ糖や脂肪酸を効率よく代謝させていると活性酸素の発生量を減らすことができます。活性酸素は不完全燃焼によって発生する老廃物のようなものと考えることができます。

ミトコンドリア内のTCA回路でブドウ糖や脂肪酸を効率よく代謝させていくには、ビタミンB群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂が必要になりますが、それと同時に重要になるのは代謝促進成分のうちのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10の量です。これらの三大代謝促進成分は20歳代前半をピークに年齢とともに体内生産量が減少していくため、加齢によって活性酸素が増えていくことになります。

中でも特に重要となるのは、脂肪代謝に欠かせない(脂肪酸をミトコンドリアに取り込ませる働きをする)L‐カルニチンです。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

活性酸素は一般には“細胞を酸化させるもの”と認識されることが多いようです。“細胞をサビさせる”という表現をされることもあります。活性酸素を消去させるものとしてポリフェノールが知られていますが、そのきっかけとなったのは板倉弘重医学博士の研究です。

板倉先生は以前は国立健康・栄養研究所の臨床栄養部長を務めていて、当時の私は臨床栄養の世界にいて、日本臨床栄養協会、日本臨床栄養学会の仕事もしていたことから、気軽に出入りをしていました。板倉先生は動脈硬化と赤ワインのポリフェノールとの関係を研究して、これがメディアで大きく取り上げられました。板倉先生は日本ポリフェノール学会の創設者であり、現在も理事長を務めています。

テレビ番組で初めて活性酸素について語った久郷晴彦薬学博士は、板倉先生と親しく、板倉先生の研究成果をベースにして、植物の色素が活性酸素を消去すること、色素が多くて色が濃いほど抗酸化力が強いことを広く知らせる役目をしました。久郷先生は「活性酸素は細胞の“産業廃棄物”」という表現をしていました。板倉先生は東京にいたときの私の主治医で、久郷先生は私の義父という関係です。

これをきっかけとして空前の赤ワインブームが起こり、次々と抗酸化成分(フラバンジェノール、カテキン、ブルーベリー、ビルベリー、カシス、ルテインなどなど)が紹介され、それはコエンザイムQ10の登場まで続きました。

活性酸素の発生の仕組み、消去の仕組みについては研究が進んで、これ以上の発見はないというところまで来ているのに、いまだに一般には知られていません。仕組みがわかれば、何をすれば発生や健康被害が減らせるのか、何を摂取するのがよいのかがわかります。その研究成果を健康を気づかう方々に知ってもらうために、着々と準備を進め、講習テキストとして使えるコンテンツを完成させることができました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

健康食品は、機能性表示食品であっても特定保健用食品であっても、摂取タイミングを表示することはできません。食前、食中、食後といった摂取タイミングが許されているのは医薬品だけです。とはいっても、配合されている成分の特徴を考えれば、いつ摂るべきかが簡単にわかるものもあります。その一つが難消化デキストリンです。

難消化デキストリンは粘度が高く、中性脂肪やブドウ糖を吸着して、吸収されにくくすることで中性脂肪値や血糖値の上昇を抑えてくれる作用があります。ということは、食事のタイミングで摂ればよいことになります。中性脂肪値や血糖値が高い人が、食事をしていない空腹時に摂っても効果がないわけです。

難消化デキストリンは優れた機能性がある反面、難点もあります。それは一緒に摂った成分を吸着して吸収させない、もしくは吸収量を減らしてしまうことです。健康食品は、医薬品的なイメージもあって、食後に摂る人が多くなっています。難消化デキストリンを摂って、そのときに健康食品も摂ると、健康食品の有効な成分が充分に吸収されなくなり、期待する効果が得られないことにもなるわけです。

その成分が水溶性であれば、いつ摂っても吸収されるので、食事のタイミングを外せばよいことになります。脂溶性であると胃の中に脂肪が含まれている時間帯、つまり食事の後に摂らないと吸収されなくなります。素通りの状態では、もったいないことになります。その脂溶性の成分はビタミンではビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKです。

強い抗酸化作用とエネルギー代謝の補助成分として有名なコエンザイムQ10も脂溶性成分です。これらの脂溶性成分は、難消化デキストリンを摂るときではない食事のタイミングで摂るようにしなければならないということです。

サプリメントの成分は摂取されるタイミングが決まっています。水溶性の成分は胃の中にある水分によって溶けるため、いつ摂っても吸収されます。それに対して脂溶性の成分は食事に含まれる脂肪分に溶けてから吸収されることから食事の前後に摂るのが原則となります。

代謝促進成分のL‐カルニチンとα‐リポ酸は水溶性で、コエンザイムQ10は脂溶性です。水溶性の成分であれば、いつ摂ってもよいとはいっても、α‐リポ酸は胃液によって分解されると別の成分となってα‐リポ酸の働きをしなくなるため、胃の中に何も入っていない空腹時に摂る必要があります。

水溶性のL‐カルニチンは、いつ摂ってもよいものの、摂取の効果が高まるタイミングがあります。L‐カルニチンは肉に含まれる成分で、たんぱく質と非常に相性がよくて、たんぱく質とともにL‐カルニチンを摂ることで吸収率が高まります。

これを確かめるために、卵かけご飯の実験が行われました。白米だけ、卵だけ、卵かけご飯とともにL‐カルニチンを摂ってもらったところ、最も吸収率がよかったのは卵だけを摂ったときで、これは卵のたんぱく質との相性によるものです。次が卵かけご飯で、最も吸収率が低かったのは白米だけでした。食べる量は同じにして、血液中のL‐カルニチンの量を測定した結果です。

たんぱく質であれば肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品でもよくて、L‐カルニチンの効果を高めるには、たんぱく質の摂取を欠かすことができません。L‐カルニチンによって細胞のミトコンドリアに脂肪酸が取り込まれるとエネルギーが発生しますが、このエネルギーを使って細胞は働いています。たんぱく質を取り込んで筋肉を強化するためにはエネルギーが必要で、エネルギー代謝が高まることは筋肉を強化することにもつながります。

筋肉が多いほどエネルギー代謝が高まるため、L‐カルニチンは筋肉の代謝力を高める効果もあるということになります。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

L‐カルニチンは肉類に多く含まれていますが、日本人の平均的な食生活から1日のL‐カルニチンの摂取量は80mgと推定されています。正常な代謝のためにはL‐カルニチンは1日に200mgは必要とされており、安全な摂取量は体重1kgについて20mgとされています。体重が50kgなら1日に1000mgを摂って安全だということになります。

食生活の洋風化が進み、肉食が増えている状況であっても、L‐カルニチンの摂取ということでは、まだ足りないことになります。といって、肉食を増やすのは、生活習慣病の予防・改善という意味では積極的にすすめられることではありません。

市販のサプリメント製品に含まれているL‐カルニチンの量を見てみると、500〜750mgとなっています。これは主成分をL‐カルニチンとしている製品であり、複数の代謝促進成分と組み合わせているものはL‐カルニチン含有量が少なくなっています。中には20mg程度しか含まれていないものもあります。

L‐カルニチン製品の多くは粒状となっていますが、750mg以上を1日分として加えるとなると、粒状では摂りにくくなります。それは味に問題があるからで、これ以上の量を摂るためには味覚の問題を解決するためにカプセルが使われます。

カプセルなら味覚に関係なく摂って、小腸から吸収させることができるものの、価格面で高くなります。それでは売りにくくなるため、ライバル会社の価格を考えると、カプセルは使いにくいというのが健康食品業界の現状です。

品質がよくて有効性が高いものを多く摂るためには、カプセルに成分が含まれているものを選ぶことがすすめられます。しかし、カプセルに充填されたL‐カルニチンが摂取できる製品は、まだ多くはありません。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

大量洗浄のための業務用食器洗浄機は、洗浄とすすぎ洗いが的確に行われるように水流の強さ、食器に当たる角度、洗浄液の濃さと温度などが決められています。業務用の世界では食器洗浄機の販売会社も洗浄剤の会社も的確に指導しているはずですが、それが現場で守られていないシーンをよく目にします。

外食店で食器洗浄機を見ることができるときには、どんな洗い方をしているのかを確認するようにしています。そして、食べるのを途中でやめたり、この店には二度と来ないようにしようと決めることもあります。

なぜ、指導どおりにされていない店が増えたのかというと、家庭用の食器洗浄機の普及が関係しているようです。家庭用食器洗浄機は、業務用に比べたら汚れもひどくなく、感染症への対策も弱くなっています。そのため、水流で汚れを剥がし取るウォーターナイフ効果も考慮しなくてよいと考えられています。食器の入れ方も、食器の間隔も狭く、重ねて入れてもよくなっています。水流が直接当たらずに表面を流れるだけでも洗うことができます。

それに対して業務用洗浄機は食器を詰めて入れるようなことをしたらウォーターナイフ効果が得られなくて、充分に洗浄できない、強アルカリ性の洗浄剤が食器に残ることにもなります。小型の飲食店の中には食器洗浄機の中に食器を重ねて入れているところもあり、これでは洗うことができなくなります。

汚れが落ちないということで洗浄をチェックしてほしいと依頼されることもあるのですが、そのほとんどは食器の入れ方が食器洗浄機や洗浄剤のメーカーの指導どおりになっていないために洗えていないだけです。

洗えていないのは食器のせいなのか、洗い方のせいなのかを確認するために使っているのは消しゴムです。消しゴムで擦ってみて、汚れが落ちたら、これは洗えていなかった証拠です。その証拠を店の方に見せることがほとんどです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ダイエットのための運動というと、筋肉トレーニングをするシーンが報道でもコマーシャルでもよく見かけますが、これは筋肉量が少なすぎる人に対しての方法で、スポーツ選手や運動慣れしている人には持久運動を増やすように指導されます。

筋肉に負荷をかけるトレーニングは筋肉量が増えやすく、効果が目に見えるのですが、このときに増えているのは白筋です。白筋は短時間に早く大きな力を出すことができる筋肉で、速筋とも呼ばれています。白筋は、すぐにエネルギー化されるエネルギー源が必要であることからブドウ糖が使われています。

ダイエットで減らしたいのは体脂肪で、これは脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪となっています。この中性脂肪は分解されて脂肪酸となり、脂肪酸がエネルギー源となります。脂肪酸を取り入れてエネルギー化しているのは赤筋で、ゆっくりと長く筋肉を動かすことができることから遅筋と呼ばれています。

白筋は息を止めた無酸素運動でも動かすことができますが、赤筋は呼吸をして酸素を取り入れた有酸素運動で動かすことができます。脂肪酸を減らすためには、有酸素運動が必要になるのです。

有酸素運動であるウォーキングや自転車こぎ、バランスボールを用いたバウンド運動は、多くの酸素を吸い込みながら続けることができますが、この有酸素運動によって便通がよくなることが確かめられています。これは腹部が動いて、腸が揺り動かされることだと説明されることがあります。その効果があるとしても、大きな理由として考えられているのは腸が温まって、善玉菌が増えやすい環境になっていることです。

運動をして温かな血液が小腸と大腸に送られると温度は高まっていきますが、善玉菌は温度が高めの環境で増殖するので、それが善玉菌を増やして、そのために悪玉菌が減って腸内環境が整えられ、便通がよくなるということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

広く健康に関わる記念日について紹介します。

10月18日 交通や流通などで活躍するプロドライバーに感謝することを目的として物流産業新聞社がド(10)ライバ(18)ーの語呂合わせで「ドライバーの日」と制定。日本ウェーブストレッチ協会がウェーブストレッチリングが発売された2005年10月18日にちなんで「世界ウェーブストレッチリングの日」と制定。

10月19日 日本コカ・コーラが熟(10月9日、19日)の語呂合わせで「熟成烏龍茶の日」と制定。グローウィング(大阪府大阪市)が病院のマークが漢字の十に似ていることから10、ウィッグ(19)の語呂合わせで「医療用ウィッグの日」と制定。パナソニック(ランドリー・クリーナー事業部)が10月19日を1019として、せん(1000)とく(19)=たくと読む語呂合わせで「洗濯を楽しむ日」と制定。小野万(宮城県気仙沼市)が、いかの10本足から10月、熟(19)成された味から「いか塩辛の日」と制定。毎月19日は「食育の日」(食育推進会議)、「いいきゅうりの日」(いいきゅうりの日プロジェクト)、「松阪牛の日」(やまとダイニング)、「熟カレーの日」(江崎グリコ)、「シュークリームの日」(モンテール)、「クレープの日」(モンテール)。

10月20日 日本褥瘡学会が床(10)ずれ(20)の語呂合わせで「床ずれ予防の日」と制定。毎月20日は「シチューライスの日」(ハウス食品)、「発芽野菜の日」(村上農園)。

10月21日 日本電気協会が1879年10月21日にエジソンが発熱電球を完成させたことにちなんで「あかりの日」と制定。日本環境設計(神奈川県川崎市)が映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で自動車型タイムマシンのデロリアンが、ごみを燃料にしていたことから、デロリアンが到着する2015年10月21日にちなんで「バック・トゥ・ザ・リサイクルの日」と制定。毎月21日は「木挽BLUEの日」(雲海酒造)。

10月22日 ブルックスがドリップコーヒーの普及を目的として、ドリップコーヒーがおいしく感じる10月と、ド(10)リップコーヒーをフーフー(22)の語呂合わせで「ドリップコーヒーの日」と制定。魚の宿まるみつ(茨城県北茨城市)が、あんこう研究所の開業日にちなんで「あんこうの日」と制定。毎月22日は「カニカマの日」(スギヨ)、「禁煙の日」(禁煙推進学術ネットワーク)、「ラブラブサンドの日」(日糧製パン)。

10月23日 日本おひるねアート協会が撮(10)ろうファミリー(23)の語呂合わせで「家族写真の日」と制定。カルビーが、じゃがりこが発売された1995年10月23日にちなんで「じゃがりこの日」と制定。毎月23日は「乳酸菌の日」(カゴメ)、「不眠の日」(エスエス製薬)、「国産小ねぎ消費拡大の日」(小ねぎ生産県協議会)。

10月24日 日本マーガリン工業会がマーガリンを開発したフランス人のメージュ・ムーリエ・イポリットの誕生日の1817年10月24日にちなんで「マーガリンの日」と制定。毎月24日は「ブルボン・プチの日」(ブルボン)、「削り節の日」(東京鰹節類卸協同組合)。

L‐カルニチンがサプリメントの素材にも使われるようになり、代謝促進の効果が期待されたときに、効果に疑問が抱かれるような発表がありました。それはL‐カルニチンをサプリメントとして使っても、脂肪のエネルギー代謝が高まらないという海外の研究報告でした。サプリメントや健康食品に否定的な医師などが、これを示して役に立たないというようなことを言われたことがあります。

しかし、海外の実験と日本人を対象にした実験では結果が異なることがわかり、評価は逆転しました。海外の研究は欧米人を対象として行われたものです。体内のL‐カルニチンの量のうち、欧米人は肉食からL‐カルニチンを多く摂っていて、体内に多く蓄積されているため、サプリメントとしてL‐カルニチンを摂っても効果が出にくくなっています。それに対して日本人は肉食が少ないので、L‐カルニチンを摂取すると効果が出やすくなります。

L‐カルニチンの評価として、別のこともあげられます。

サプリメントとして摂取できるなら、運動をあまりしないでL‐カルニチンを補えばよいと考える人もいますが、代謝を高める運動をしないと、その効果は弱くなります。ミトコンドリアでエネルギーを作り出すTCA回路の働きを高めるためには、身体を動かすことが必要で、L‐カルニチンを摂っているからと安心して、運動を減らす、食事も調整しないということではいけないことになります。

L‐カルニチンの役割は脂肪酸を細胞のミトコンドリアに通過させることであり、ミトコンドリアに取り込まれる脂肪酸が増えることは試験でも確認されています。しかし、大きな期待を寄せるときには、それなりのエネルギー代謝を高める運動も必要になります。

脂肪酸が多く取り込まれても、怠けて身体を動かさなければ、ミトコンドリアに対して材料過多となります。自動車に例えると、ガソリン(脂肪酸)を多く入れても、エンジン(TCA回路)が盛んに動かなければ充分に走行(エネルギー産生)できません。TCA回路が盛んに働かすには、やはり運動が重要です。

脂肪酸の代謝には有酸素運動が有効となります。TCA回路にはブドウ糖も脂肪酸もアミノ酸もアセチルCoAという高エネルギー化合物に変化して取り込まれていきます。アミノ酸は体内のタンパク質を構成する重要な成分であるので、できることならエネルギー源としては使われるのは避けたいものです。アミノ酸はブドウ糖と脂肪酸が不足したときに初めてエネルギー源となります。そのため、脂肪酸が不足しないように、脂肪酸を通過させるL‐カルニチンが重要となります。

TCA回路では、アセチルCoAが変化したクエン酸から9段階の変化を経て、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られています。そのときには酸素が必要で、酸素が不足していたのではエネルギー代謝が盛んになりません。そのため、L‐カルニチンを使うときには合わせてウォーキングなどの有酸素運動も行うことがすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕