誰でも知っている諺(ことわざ)の「急がば回れ」は、急いで物事を成し遂げようとするときは、危険がある近道を行くよりも、安全確実な遠回りをするほうが早く目的を達成できる、得策だということを指しています。この諺の舞台となったのは、琵琶湖だと言われています。今の草津市の矢橋(やばせ)港から渡し船で行くのは早いものの、強風で転覆の危険があるので、瀬戸の唐橋を渡る陸路で行くほうがよい、ということで、平安時代の和歌に読まれています。
実際に、どれくらいの差があるのかというと、渡し船だと矢橋から大津までは2時間であるのに陸路では4時間となっています。これだけの短縮のために危険を冒すくらいなら、確かに遠回りしたほうがよいというのは当たり前のように思われます。しかし、これは発祥の地の話であって、諺として使われるときには、もっと大きな時間差があり、距離的なことだけではなくて仕事などにかかる手間暇を指している場合には、遠回りこそが成功への道ということも少なくありません。
今回は「急がば回れ」をもじった「急いで回れ」がテーマですが、急ぐときには遠回りをすすめていても、同じスピードで進んでよいということではなくて、遠回りであったら、それなりの速度を保って進むべきです。“それなりの”と言っているのは、あまり急ぎすぎたら体力や気力が続かずに、途中でストップしてしまうことにもなりかねないことが多々あるからです。
今回は5回にわたって同じテーマで書き進めていきますが、健康づくりで回るといえば、サーキットトレーニングがあげられます。これは無酸素運動と有酸素運動を繰り返す運動法で、マシントレーニング(無酸素運動)とエクササイズ(有酸素運動)を交互に30秒ずつ繰り返す女性専用のジムで有名になりました。この方法をマシンなしに、ただ歩くだけで同様の効果を得て、コロナ禍で大きく低下した国民の健康度をV字回復させるために活用しようという歩くサーキットトレーニングの有効性について説明させてもらいます。
その前に、コロナ禍で大きく変化した健康面での社会的状況について説明が必要で、それについては次回に続きます。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
大学の校友会は、大学が東京にあり、住まいも東京だったときには、それほど重要と感じなかったというよりも、存在すら忘れていた時期もありました。ある有名私立大学の校友会が定期的に全卒業生を対象にして校友会の大々的な集まりを開催して、人脈づくりに力を注いでいたのを見聞きしてきたので、それとの差も感じていました。なにしろ、その大学の卒業生といえば政財界、医療業界、教育界などで活躍している人が多く、卒業後の人脈づくりが大学の特徴の一つにもなっていました。
その校友会の運営者と知り合ったことがあり、岡山に移住してから初めのうちの新たな人脈は、自分が卒業した私立大学の校友会ではなくて、別の校友会だったという、卒業生仲間からすると不義理なこともしてきた感じです。
東京にいたときには、人との出会いは断ることのほうが多かったくらいで、フェイスブックも必要なかったのですが、思ったように岡山での知り合いが増えなかったこともあって、そして仕事でメッセンジャーを使うことになったこともあって、9か月前からフェイスブックを始めました。そのためにお友達の数は600人ほどです。
フェイスブックを通じて校友会の岡山支部長と巡り会い、すでにフェイスブックで交流している方が同窓生であることがわかったりして、校友会の力を期待する時期が訪れたように感じました。ところが、岡山県内の校友会の会員は年齢が高い人が多くて、若い人が少ないことがわかりました。これは若い世代が昔ながらの人脈に関心がないということではなくて、岡山県内にも大学が増えて、わざわざ東京に学びに行かなくてもよいという時代になったことが影響しています。
しかし、期待しているのは岡山の各地に根付いて活躍しているベテランの方々の力で、まさに高齢者となった自分には、こんなにも心強い人脈は他にないと感じています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
血液中の中性脂肪は、ブドウ糖と並ぶ重要なエネルギー源です。体内では普段から、その二つのエネルギー源を使って活動のためのエネルギーを作り出しています。個人差はあるものの、平常時にはブドウ糖60%:脂肪酸40%くらいの割合で使っています。脂肪酸は中性脂肪の構成要素で、グリセライド1個に脂肪酸3個が結びついたのが中性脂肪です。
運動をしたときには、すぐに大量のエネルギーが必要になるので、代謝(燃焼)しやすいブドウ糖を多く使います。そのため、エネルギー配分はブドウ糖80%:脂肪酸20%くらいに変わります。しかし、ブドウ糖は10~15分間しか大きなエネルギーにはならないため、その時間を過ぎると脂肪酸へと主に使用するエネルギー源が切り換わります。エネルギー配分ではブドウ糖35%:脂肪酸65%くらいになります。
血液中の中性脂肪が多い場合には、10~15分間を超える運動時間が必要で、できれば30分間以上のウォーキングがすすめられます。
有酸素運動は30分間続けることで、15~20分間、脂肪燃焼を盛んにできるわけですが、30分間のウォーキングの時間が取れないときには10分間のウォーキングを1日に3回行うことでも同様の効果が期待できます。
10分間のウォーキングでは脂肪の減少が少ないように思われるかもしれませんが、そのときにも脂肪酸が20%ほどは使われています。それに加えて、運動を終えてからも筋肉の中にある脂肪分解酵素のリパーゼが働いている30分間は脂肪酸が代謝し続けています。1日に1回のウォーキングよりも、3回に分けて歩いたほうが運動後の脂肪減少の機会が3倍になっているので、中性脂肪の減少に、それほど大きな差は出てこないわけです。
ウォーキングによって、内臓脂肪がエネルギーとして使われやすいのは全力で運動をしたときの50~60%の負荷がかかった状態です。歩くスピードとしては、スタスタという感じで、腕を前後に大きく振りながら、歩幅も広くする歩き方が、これに当たります。
文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは家庭、技術・家庭の小学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
(イ)当該教科で指導することが考えられる題材例
B(1)「食事の役割」、(2)「調理の基礎」、(3)「栄養を考えた食事」の項目を相互に関連させて取り扱うとともに、「A家族・家庭生活」、「C消費生活・環境」の内容と関連を図るよう配慮します。
また、理科、体育科などの教科などや学校給食との関連を考慮するとともに、第4学年までの食に関する学習との関連を図り、家庭科の特質に応じて、食育の充実に資するように配慮します。
*食事の役割や食事の仕方については、例えば、家庭の食事や学校給食などについて振り返り、おいしかったことや楽しかったことを話し合ったり、なぜ食べるのかについて考えたりすることを通して食事の役割を知り、日常の食事の大切さについて気づくようにします。食事の仕方については、お茶の入れ方・供し方、調理実習の試食などを体験しながら、日常の食事に必要とされるマナーや食事の配膳の仕方を具体的に扱うようにします。
*日常の食事の仕方については、児童の日常の生活の中から、人と共に楽しく食べるためのマナーや食卓の工夫について問題を見いだし、課題を設定するようにします。例えば、A(3)「家族や地域の人々との関わり」と関連させて、学校給食の時間に低学年の児童と共に楽しく食べるための計画を立てて、自分の食事の仕方を振り返り、改善するために考え、工夫する活動などが考えられます。
談合をして、私どもの活動をストップさせ、横取りするようなことをした人は、自分たちが手がければもっとうまくいく、もっと稼げると思って実行したことなのでしょうが、新型コロナウイルス感染症の拡大で、うまくいかなくなったどころか、大失敗になってしまいました。それを見て、失敗をあざ笑うのではなくて、それこそ他山の石、反面教師、人の振り見て我が振り直せ、人を以って鑑と為すという意識で対応すべきだと考えます。
それは談合をしていけない、ということではなくて、正しい談合、つまり先に相談をして、よい方向に進むようにしようという思いがある人だけが集まって決めていこうということです。コロナ禍を脱却するためには、コロナ禍を脱却したときには、大きくマイナスになってしまったことをV字回復させるために、考えを同じくする人が結集して、勢いよく前進していくべきです。
それを“談合”と呼ぶなら、「端より談合」こそが今すべきことであって、同業者だけでなく異業種の人たちとも集っていくべきです。
私どもがひどい目に遭わされた談合では、健康のためのウォーキングを実施しようとしていました。従来のウォーキング大会のように長く歩けばよい、多くの人が一緒に集まって歩くのがよいということではなくて、短い距離、短い時間でも健康効果が得られる歩き方をして、その成果によって医療費を削減して、地方経済を好転させようというもので、それこそ関係者が集っての実施を計画していました。
コロナ後の地域の健康度のV字回復のために実施しようとしていることが、以前の談合ではダメになり、その反省点が活かせるなら苦労は苦労ではなかったと思える日は近いようです。
ビタミンB₂は水溶性ビタミンで、多くの量を摂っても体内では長くは保持されず、その多くはエネルギー代謝で使われることから毎日摂る必要があります。ビタミンB₂の保持時間は24時間ほどであるので、1日に1回の摂取でも充分な量であれば不足することはありません。1日に摂取すべき量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。
ビタミンB₂の男性の推奨量は年齢によって異なります。
〔男性:ビタミンB₂推奨量〕
1〜2歳:0.6mg、3〜5歳:0.8mg、6〜7歳:0.9mg、8〜9歳:1.1mg、10〜11歳:1.4mg、12〜14歳:1.6mg、15〜17歳:1.7mg、18〜29歳:1.6mg、30〜49歳:1.6mg、50〜64歳:1.5mg、65〜74歳:1.5mg、75歳以上:1.3mg。
これに対して、女性の推奨量は以下のとおりです。
〔女性:ビタミンB₂推奨量〕
1〜2歳:0.5mg、3〜5歳:0.8mg、6〜7歳:0.9mg、8〜9歳:1.0mg、10〜11歳:1.3mg、12〜14歳:1.4mg、15〜17歳:1.4mg、18〜29歳:1.2mg、30〜49歳:1.2mg、50〜64歳:1.2mg、65〜74歳:1.2mg、75歳以上:1.0mg。
ビタミンB₂の推奨量は男女でほとんど差はなく、身体の大きさによって推奨量が異なっている程度です。吸収率(利用効率)は64%ほどとされています。脂質の代謝に必要なビタミンであることから、脂質を多く摂る人、運動をする人は多めに摂ることがすすめられています。
歩くスピードは、普通の速度(時速4~5km)でも10分間も歩けば、ブドウ糖の代謝(燃焼)の効果があります。しかし、もっと効果を高めるためには速歩がすすめられます。速歩は一般には普段の歩き方よりも20%ほど速く歩くスタスタ歩きのことを指します。時速にして7km以上になりますが、少し息が弾むような速歩であってもジョギングに比べて30%ほど消費エネルギーが少ないだけです。つまり、速歩で10分間も歩いたほうが血管への負担も少なく、代謝効果が高いということです。
運動を行う時間帯としては、血糖値が上昇した食後1時間から2時間後に行うのが最も効果的です。とはいえ、運動は時間帯に限らず行ったほうがよいので、食後に時間が取れない人は、できるときに行えばよいでしょう。
血糖値が高めの人には、ウォーキングなどの持久運動のほかに、筋肉をつけるための強化運動も指導されることが多くなっています。
血糖値が高い人は、筋肉細胞にブドウ糖を取り込んでエネルギーとする力が弱くなるため、ブドウ糖の代わりに脂肪もエネルギーとして使われるようになります。
そのために糖尿病まで進むと脂肪がエネルギーとして使われるために、だんだんとやせてきます。また、筋肉に蓄えられているたんぱく質もエネルギーとして使われるために、筋肉が衰えていくようになります。
糖尿病予備群と呼ばれる血糖値が高い状態では、筋肉が急に減っていくようなことはないものの、筋肉への負荷が不足すると徐々に筋肉が衰えていくことになります。
ブドウ糖は筋肉で多く使われているため、筋肉の量が増えることは、それだけブドウ糖が筋肉に取り込まれ、血糖値も下がりやすくなります。
筋肉の能力というと瞬発力と持久力があげられますが、もう一つ筋代謝力が注目されています。これは筋肉がブドウ糖や脂肪酸を代謝させる能力のことで有酸素運動を続けることで高まっていきます。筋代謝力を高めるためにもウォーキングは有効です。
学校での教科に馴染めないのは、教室の雰囲気や教師の教え方なども原因となっていますが、もう一つ原因となっていることに教科書があげられます。教科書は全員が一緒に学び、充分に理解できるように作られています。ある特定の子どもに適したものではなくて、平均的な内容がクリアされていて、その理解の上に次のステップに進むことができるように構成されています。
それだけに、どこかでつまずいてしまうと、そこから先に進むことができなくなり、どんどん授業は進んでいく、自分だけが取り残されて、どんどん離されていくという結果になってしまいます。だから、つまずきがあったら、すぐにクリアするために何が問題なのか、どうして理解できなかったのか、どうすればクリアできるのかを知り、改善に取りかかりたいところですが、学習障害では、それを教室の中での授業に求めることは無理というものです。
学習塾ではクリアできなかったことを気づかせ、クリアするために何度も問題を解かせるということをしています。それで改善できればよいのですが、発達障害、学習障害がある子どもはクリアできなかった教科書を嫌いになってしまうところがあります。そこで他の教科書を使ったり、サブテキストの参考書を使う、教科書を使わずに塾のオリジナルのペーパーを使うということをしています。
この方法でうまくいけばよいのですが、できることなら苦手になりかけている教科書を使ってクリアさせてあげて、教科書を嫌いにさせない、できることなら好きにさせてあげるということを考えるようにしたいものです。学習障害の子どもの中には、覚えられないというよりも、覚えるのに時間がかかる、覚えて回答するまでに時間がかかるということも少なくありません。
教科書を嫌いと感じてしまうと、その教科書を使うことを拒否するようになり、そのままでは教科書を嫌いになってしまいます。嫌いと感じたときに、教科書を使って問題が解けて、それが嬉しい、楽しいと感じると嫌いという感覚が徐々に弱まっていきます。教科書は学びのためのエッセンスを詰め込んで遭って、実によくできています。それを活用することを考え、実践することが学習障害の改善には大切なことなのです。
企画提案のプロポーザルを実施するときには、私どものような役割をする団体が必要で、東京の活動を主としていたときには、霞が関の関係先から一般の公表の前にプロポーザルの内容を聞かされて、準備をすることを示されていました。これは私どもに仕事を取らせようという談合システムではなくて、完全な“当て馬”でした。
当て馬というのは業界によって意味するところが違っていて、契約先が決まっているのに競争をして獲得したようにするために相見積もりを出すこと、駅伝で相手のチームの選手に合わせて仮の選手をリストに載せること、負けるのを承知で団体戦の最も強い大将に弱い相手をぶつけることなど、さまざまな当て馬がいます。
私どもが当て馬にされたのは、まったく新たな企画提案のプロポーザルで、新たなプロポーザルで意図したようなレベルの企画が出てこなかった場合には、プロポーザルを実施した部署の評価にも関わることなので、それなりの企画提案を出させるために当て馬の役が回ってきます。当て馬のつもりだったのに審査で最優秀ということで決定されることがあります。決定されても、こちらは企画をするだけで実施能力ということでは劣っているのは自分たちでも承知しています。
ということで、決定されたときには、担当部署から“助け馬”が出されます。その助け馬は、他のところとの連合です。次点になった団体や企業と一緒になって、私どもは企画を提案して、企画料や指導料を得て、実務は次点が実施するという形です。企画だけでなく、広報の仕事が回ってくることもあり、そういったメリットがあるので、当て馬を受けてきました。
自分が主になって企画立案、実施を担ってきて、成果が出たところで横取りされる「端より談合」のために、ひどい目に遭ったことことと、コロナ後を踏まえての私どもの考えの提示については、次回に続きます。
日本ウオーキング協会を例として組織体制について前回、考えてきましたが、健康ウォーキングを実践する団体は、これまでと違った考え方で組織化することとしました。
日本健康ウォーキング連盟の活動体制は、見た目は日本健康ウォーキング連盟を頂点として都道府県の健康ウォーキング連盟、その下に市区町村団体(例:健康ウォーキングおかやま)がある形としていますが、運営的には市区町村団体が都道府県健康ウォーキング連盟を支え、都道府県連盟が日本健康ウォーキング連盟を支える形としています。
従来の組織体制がピラミッド型だとすると、健康ウォーキングは御神輿型となっています。
歩くことには特別な技術も必要なく、その目的も歩けば健康、歩けるうちは健康という意識によって実施されてきたところがあります。そのため、資格認定も大会運営や組織体制の維持などが主な項目となっていました。
これに対して、健康ウォーキングは、健康のために歩くことが重要テーマであり、健康知識に基づいた歩き方、健康目的に応じることができる歩き方の指導が必要となることから、一定の意識と知識を持った指導者の存在が重要となります。健康ウォーキングでは2本のポールを使ったノルディックスタイルのウォーキングも採用することから、より安全な歩行のためにも指導者が重要となります。
この指導者養成と同時に組織化を行っていく必要があることから、資格認定による複数の指導者の養成によって指導体制を整えていくこととしました。
初めに都道府県の健康ウォーキング連盟を設立するために複数の指導者を養成します。通常のウォーキング体験であれば指導者なし実施することは可能でも、健康ウォーキングには少人数のウォーキングイベント・体験会であっても必ず指導者の参加が必要と考えています。都道府県内で実施されるイベントなどに対応するために、複数の資格者(5名以上)を要することを都道府県連盟の設立の基準としています。
市区町村団体は活動範囲が限られることから、2名以上の指導者がいることで団体設立を認めることとしています。そんなに少なくてよいのかという声があるのも事実ですが、スタート時点で地域に負担がかからないことを考えてのことです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)





