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DNA Answer21 食事の文化性

食文化という言葉があるように、食事には文化性が求められます。それは伝統的な和食などだけでなく、日常的な食事であっても文化性は重要項目です。文化性を無視した食事は、たとえ健康目的であったとしても提供すべきものではありません。 私の臨床栄養の師匠である山本辰芳先生(管理栄養士)は大規模な国立病院の栄養管理責任者であるとともに、病院栄養士団体のトップとして、また臨床医と病院栄養士の臨床栄養団体のト


母子の栄養6 食生活指針「ビタミン・ミネラル」

「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」では、「不足しがちなビタミン・ミネラルを副菜でたっぷりと」と示されています。 妊娠中や授乳中の女性は、特に多くのビタミン・ミネラルについて、摂取量が充分ではないことが報告されています。 日本人の女性にとって摂取量が不足しがちなビタミン・ミネラルとしては、葉酸と鉄が一般にあげられます。葉酸は胎児の先天異常である神経管閉鎖障害の予防のため、妊娠


ツイン・ウォーク32 認知機能対策の歩き方

認知機能については、認知症患者は462万人(2012年統計)、その予備群である軽度認知障害患者は400万人と推定されています。これを合わせた862万人は65歳以上の4人に1人の割合となっています。認知症と軽度認知障害の患者は、高齢化が進む我が国においては増え続ける一方で、2025年には認知症患者は700万人、軽度認知障害は600万人を超えると推定されています。もう目の前です。 軽度認知障害(


発達支援推進29 優しい対応には時間がかかる

発達障害がある人の困難さについて理解を進めるために、社会的障壁を取り上げて、その改善のために初めにすることは発達障害者(18歳未満は発達障害児)の特性について知ることだ、ということが前回のテーマでした。 発達障害は外見からではわかりにくいことから、その存在を知って、それぞれの方々ができることからやってもらうことから支援は始まりますが、優しい気持ちで対応すれば解決するとは限らないのが発達障害の


supplement NAVI 12 サプリメントを使う方々のために

サプリメント・健康食品を使う人が知りたいのは、自分に必要なのか、どの成分が必要なのか、どの製品を選べばよいのか、いつ摂ればよいのかということで、これらのことがすべてわかり、安心して摂っている人は多くはないはずです。 サプリメント・健康食品を規制する法律のために誰が何を摂ればよいのかがわからないだけでなく、それらの情報を得て、身体の状態の改善の方法が理解できたとしても、食事や運動・活動の状態な


エネルギー代謝56 ミトコンドリアの役割

全身の細胞の中でエネルギー産生を行うミトコンドリアは、糸を意味するミト(mito)と顆粒を意味するコンドリア(chondoria)から作られた用語です。直径は0.5μm、長さは球形、筒状、紐状などの近いで異なりますが、最も長いもので10μmとなっています。 1μm(マイクロメートル)は1000分の1mm(ミリメートル)なので、いかに小さいかがわかります。 小さくても数が非常に多く、1つ


代謝と糖尿病10 「糖尿病は病気ではない」という考え

「糖尿病は病気ではなくて未病状態」というのは、予防医学の未病研究者がよく口にすることです。糖尿病は“病”とついていて、医療機関で検査を受けて、血糖値が一定以上であると診断されます。そして、治療が行われるので、病気という認識がされるのは当然のことと思われています。 病気というのは自分の力では、どうにも対処ができなくなり、医療に頼るしか方法がなくなった状態を指しています。日本未病学会では、未病は


DNA Answer20 医薬品から食品への使用が許可された三大代謝促進成分

三大代謝促進成分の成分であるL‐カルニチン、α‐リポ酸、コエンザイムQ10は医薬品の成分として長く使われてきたことからエビデンス(科学的な裏付け)が確認されています。その成分が、欧米では食品から抽出・合成することができるようになり、食品としても使用することが許可されていました。 L‐カルニチンの医薬品はレポカルニチン塩化物といって、カルニチン欠乏症に使用されます。脂肪酸と結びついて細胞のミト


発達栄養88 神経伝達物質の役割

脳の発達を促進するためには、脳のエネルギー源になるブドウ糖が不足しない状態であること、ブドウ糖をエネルギー産生のための化合物のアセチルAoCに変化させる水溶性ビタミン(すべての種類の水溶性ビタミン)、細胞のエネルギー産生の小器官のミトコンドリアでのエネルギー産生に必要な4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要になります。 作り出されたエネルギーは


健康・火の用心41 食べるべき「かきくけこ やまにさち」

食卓に並べて食べるべきものとして「まごわやさしい」という標語が以前から示されてきました。ま(豆)ご(ごま)わ(わかめ=海藻)や(野菜)さ(魚)し(しいたけ=きのこ)い(芋)の頭文字を並べたもので、和食を食べることで摂ることができます。 これは子どもが食べるべき食材ですが、「オカアサンハヤスメ」という子どもが食べる機会が多いものを減らして、代わりに食卓に並べたいものとして「まごわやさしい」が登