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脳の健康寿命106 認知症と未病の関係性

認知症は病気の範疇ですが、その前の予備群とされる軽度認知障害は、まだ健康回復が可能な状態であることから、未病の状態として扱われています。未病というと、健康と病気の間の状態で、一般には糖尿病予備群といった血糖値が高めの人と認識されています。血糖値が高めで、血液検査を受けても糖尿病域の空腹時血糖値126mg/dl未満、食後2時間値200mg/dlであれば糖尿病ではないけれど正常値(空腹時血糖値110m


発達栄養59 セロトニンの前駆物質は脳細胞に入る

体内には数多くの神経伝達物質がありますが、脳の機能に大きく影響するのはセロトニンです。セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから5‐ヒドロキシトリプトファンを経て、セトロニン(5‐ヒドロキシトリプタミン)に合成されます。セロトニンは体内には約10mgがあり、腸内に約90%、血小板中に約8%、脳内の中枢神経系に約2%が存在しています。 セロトニンは脳の神経伝達物質であることから脳幹の縫線核で合成


発達障害支援4 性格的発達障害?

東京にいたときに理事を務めていた日本健康スポーツ連盟の理事長からの紹介で、認知症の専門医の取材をしたことがあります。連盟の理事長と専門医は、スポーツによる認知症の予防への取り組みを検討していて、それには私が経験してきた臨床栄養やサプリメント科学、予防医学が役に立つのではないかとの思いでの紹介でした。 そのときに専門医の先生から、私の活動について「性格的発達障害」という評価をされました。そのときに


サプリ概論211 睡眠の質を高める機能性表示食品

睡眠の質を高めることを表示した機能性表示食品には、グリシンが含まれていることから、速やかに深睡眠をもたらし、睡眠の質の向上(熟睡感の改善、睡眠リズムの改善)、起床時の爽快感のある目覚め、日中の眠気の改善、疲労感の軽減、作業効率の向上に役立つ機能があると書かれています。 深睡眠は寝入りばなの深い眠りのことで、加齢やストレス、体温機能の調整の乱れなどで失われがちになります。表示された機能は、脳波測定


Medical Diet132 腸内環境とL‐カルニチン

脳細胞を除いた全身の細胞でエネルギーを作り出すために欠かせないL‐カルニチンは、細胞内のミトコンドリアに脂肪酸を通過させる働きがあります。L‐カルニチンは体内で合成されるものの、合成のピークが20代前半で、年齢が進むほど脂肪酸の代謝が低下していくことから、年齢を重ねたら同じ食事量、同じ運動量では太っていく要因となっています。 だから、全身の代謝を高めて、健康を維持するために、サプリメントとしてL


健康あない人4 メンタルは鍛えるのか保つのか

東京にいたときに、出入りをしていた厚生労働省の部局は健康に関わるところだったのですが、出身が臨床栄養、スポーツ科学であったことから、精神医療に関わる部門とは距離がありました。栄養も運動も身体の健康だけでなくて、“心身の健康”と言われていて、精神的、心理的なことが身体の健康に影響することは感覚としては知っていました。 精神医療に関わるところと巡り会い、そのことを真剣に考えるようになったのは、仕事で


Diet Designer4 消費エネルギー量の計算

1日に必要な摂取エネルギー量を計算する方法は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に示されています。この計算法によって、性別や年齢、身体活動に適した摂取エネルギー量を計算して、それを超えた分を運動で消費することがダイエットの基本となります。 一般的には、超えた分は食事を減らすことが考えられがちですが、食事量を減らすとエネルギー代謝に必要なビタミン、ミネラル、代謝促進成分も減ること


あくまでも噂話69「話している人の口元を見ない」

話をしている人の顔を見るというのは会話をスムーズにするための基本です。“目は口ほどに物を言う”という諺(ことわざ)がありますが、マスク着用が当たり前の世の中になってからは、ますます口の動きで表情を読み取るのが難しくなり、目の重要度が高まっています。 マスク着用の時代の前から、私は話している人の口元を見ないというマナー違反を日常としてきたので、今の時代は自分にとってはありがたいことかもしれません。


エネルギー代謝26 エネルギー代謝と副交感神経の関係2

全身の細胞の中で作り出されるエネルギーは、細胞にあるミトコンドリアで作り出されています。前回は自律神経が消化、吸収、蠕動運動、排泄までコントロールしているという話を書きましたが、吸収されたあとには、血液中に入った栄養素が全身の血管を巡り、内臓や器官などで使われています。この循環のためにも、内臓などで使われる代謝のためにも自律神経が関わっています。 内臓や器官の働きが高まるというと、自律神経で興奮


健康あない人3 蛙は茹でられると危険に気づかない

変化の兆しどころか、すでに変化があっても、それがすぐに直接的に自分や家族に影響を与えない限りは、なかなか変化として捉えられないのが凡人(というか一般の感覚)です。変化を察知して、すぐに対応をしなければならないことが起こっていても、目の前の出来事(奥さんが頑張って作ってくれたおいしい夕食が目の前にある、子どもや孫が隣にいて遊んであげたい)のほうが重要と感じて、変化への対応が後回しになってしますのは凡