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あくまでも噂話50「“やればできる”の意味するところ」

励ましの言葉はモチベーションを高めるためには有効なものと考えられてきていましたが、相手の状況を考えずに投げかけた言葉によって、かえってモチベーションを低くさせるどころか、やる気をなくさせる、心身の状態を悪化させるということも起こります。 発達障害児を支援する団体に関わってきてわかったことですが、根拠のない励ましほど子どもの発達に悪影響を与えることはないことはありません。本人のために良かれと思って


エネルギー代謝7 超高齢社会は国民的な活動エネルギーが減少

現在の日本は超高齢社会と呼ばれます。いまだに高齢化社会という言葉も飛び交っているようですが、高齢化社会は高齢化率が7%を超えた社会、高齢社会は14%以上、超高齢社会は21%以上と定義されています。ときどき“超高齢化社会”という言葉を聞くこともあるのですが、そのような言葉は正式には存在していなくて、高齢社会の次は超高齢社会です。それ以上の高齢化率を示す言葉はなくて、日本のような“超超高齢社会”は想定


脳の健康寿命86 認知症のリスクを高める糖尿病

糖尿病は認知症のリスクを高めることから、血糖値を安定させることは認知機能の維持にも大切なこととなります。 「糖尿病は太っている人がなる病気」というイメージが抱かれがちです。確かに、糖尿病は食事の摂りすぎ、運動不足が大きく関わっているために、太っていることで発症のリスクが高まるのは事実です。また、糖尿病患者の約80%は肥満か肥満傾向であるとの調査結果もあります。しかし、糖尿病は、やせているから、な


発達栄養39 消化器の仕組みと役割

消化は、飲食したものを分解して、栄養素として吸収される形にする過程を指しています。消化器は、飲食物が入る口腔、食道、消化を行う胃に続いて、吸収する小腸と大腸、不要物を排泄する直腸と肛門といった消化管のほか、消化管の働きを調整する肝臓や脾臓などの消化腺も含まれます。 消化管は、口から肛門までをつなぐ1本の管で、その長さは約9mと、身長の約6倍の長さがあります。このうち多くを占めるのは腸(小腸と大腸


サプリ概論191 健康食品の原価率

健康食品は今から20年以上前に大きなブームの波があったときには、新たな素材、新たな有効性が打ち出されて、このような商品が注目されていたこともあって、価格は高めでした。通信販売で最も売れている価格帯は1か月分で8000円から1万2000円でした。これよりも安くても高くても売れないということで、その範囲で利益が出るように販売価格に対する商品の原価が厳しく精査されていました。 販売価格に対して商品代が


Medical Diet112 EPOC効果のエネルギー消費

最大酸素摂取量の60%を継続する有酸素運動をすることで、運動後の脂肪代謝を高めることができるEPOC(excess post-exercise oxygen consumption)効果は、運動後過剰酸素消費量と訳されています。最大酸素摂取量は全力で運動をしたときに吸い込むことができる酸素量のことで、運動強度を示すためにも使われています。 人間の身体は酸素を多く取り込む運動を続けて酸素不足になっ


あくまでも噂話49「年齢をレベル表記」

年齢欄に記載することが必須の書面では面倒でも書き入れなければならないわけですが、欄はあっても必須でない場合もあります。そんなときには、書かないで済ませることがあります。といっても、先方が勝手に、こちらの年齢を判断して記録することがあります。 マーケティングの世界では普通のことで、コンビニでも購入者のビッグデータとするために10歳刻みであっても、勝手に判断して年齢が打ち込まれます。判断基準は見た目


エネルギー代謝6 代謝促進成分はサプリメントなのか

サプリメントというと食事で不足するビタミンやミネラルを補うために摂るものというイメージがあります。サプリメント(supplement)は、もともとは補助、補完、補充などといった意味がありますが、一般にイメージされるサプリメントは英語ではダイエタリー ・サプリメントといいます。ダイエタリー(dietary)は「食の〜」を意味していて、「ダイエットのための〜」という意味ではありません。 ダイエタリー


脳の健康寿命85 健康寿命の延伸は喜べるのか

日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳(2020年)で、過去最高を記録しました。世界ランクでは男性は2位、女性は1位となっています。一時期、女性も2位だったので、返り咲いたと見る向きもあるのですが、実際は1位だった香港が中国に取り入れられて、統計から外れた結果です。 それにしても日本人の平均寿命は延びる一方ですが、ここで問題とされるのが健康寿命の長さです。健康寿命というのは「日


発達栄養38 自律神経による消化・吸収・排泄への影響

私たちの生活のリズムは自律神経によって整えられています。自律神経は呼吸、血液循環、体温調節、消化、吸収、排泄、内臓の働き、免疫、生殖などの機能をコントロールするために意思とは関係なく24時間働き続けている神経系です。昼間や活動しているときに活発に働く交感神経と、夜間やリラックスしているときに活発に働く副交感神経の2種類があって、身体の機能を調整しています。 交感神経は脊髄の外側から出て、腹部に回