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認知症の治療薬はあるのか、ないのか
認知症は決定的な治療薬がないので、認知症予防のための運動、栄養、休養は、認知症の症状がみられるようになってからも続けるべきだという話は、機会があるたびに話しています。その話をしたときに、必ずといっていいほど聞かれるのが「認知症の薬はあるんじゃないですか」ということです。あるにはあるのですが、その薬が皆さんが期待するような薬となっていないので“決定的な治療薬がない”と、わざわざ言うようにしています。
ボーっと歩いてんじゃねえよ!
NHKが開発したAI(人工知能)ひろしを用いて、健康寿命の問題に挑む番組がNHKスペシャルとして放送されました。65歳以上の高齢者の生活データを学習させて分析を行い、健康寿命を長くするには何をすればよいのかということで、いくつかの大胆提言をしていました。その中に、地域の治安をよくすることで健康寿命が延ばせるという提言がありました。 治安がよい地域は歩いてパトロールしている人が多く、安心して歩くこ
早歩きできると長生きできるのか
早歩きをすることは筋肉を維持すると同時に、生活習慣病を予防するために欠かせないことです。インターバルウォーキングが有効であることがわかっていても、肝心な早歩きができないのでは、せっかくの効果を得ることができなくなります。早歩きをすることによっても、筋肉トレーニングを継続しているときのように屈強な筋肉がつけられるわけではありません。しかし、若い状態の筋肉量を保ち、強い筋力を保つこともできます。 特
糖尿病で認知症のリスクは高まるのか
糖尿病になると認知症のリスクが高まるのかという疑問に対する答えは「そのとおり」です。アルツハイマー型認知症のリスクは、糖尿病の人と、それ以外の人では2倍ほどもリスクが高いことが確認されています。アルツハイマー型認知症では脳細胞のアミロイドβの蓄積が進んでいくことが知られています。 糖尿病になると血糖値が上昇します。血糖値が上昇するほど膵臓からインスリンが多く分泌されます。インスリンは血液中のブド
認知症予防には睡眠時間を長くすればよいのか
高齢者になると、睡眠が浅くなって早朝に目覚めることがあるので睡眠時間が短くなると思われている反面、昼寝や居眠りが多くなって睡眠時間が長くなるとも思われています。実際のところはどうなのかというと、国民健康・栄養調査によると平均的な1日に6〜7時間の睡眠時間の人は60歳以上では少なくなって、その代わりに7〜8時間、8〜9時間の人が増えていきます。その傾向は男性のほうが高くなっています。 寝ている間は
糖尿病患者に運動をしてもらうための方便
糖尿病の人は食事療法が基本で、これがしっかりとやれていないと運動療法の効果は出にくいとされています。それは正しいことですが、運動をしたくないと考えている人は「運動は効果がないので、食事で対応する」という発言をすることがあります。それほど運動をしたがらない人に、なんとか運動をしてもらいたいということで、いろいろなアプローチがされていますが、よく例として出されているのは有酸素運動による効果です。 食
治る認知症は本当に治るのか
認知症になったら治るものではなく、状態を軽くするしかできない、認知症の予備群とされる軽度認知障害の状態がみられた団体で、認知機能の改善効果があることに取り組むしかない、というのが医学会の認識です。ところが、セミナーの質問コーナーで「治る認知症があると聞いたのですが」という話が出ました。このセミナーは認知症をテーマにしたものではなく、有酸素運動の有効性に関するもので、その中で有酸素運動が認知機能を高
医師に適切な栄養指導を望めるのか
セミナーの質問コーナーで、よく聞かれることに「どうして医者は栄養指導をしてくれないのか」「栄養指導をしてもらったけれど中途半端な感じ」「言われたとおりにやったのに効果がない、血糖値が下がらない」といった不満があります。それに対して、「お医者様の栄養知識はレベル差が大きいから」と簡単に済ませることもあるのですが、詳しく聞かれたときには半分仕方なく、次のようなことを話すようにしています。 「医学部で
不思議な漢字の読み方の意味
魚偏の漢字については以前に紹介して、それなりの反響がありました。魚偏の漢字は今では魚の種類だけでなく、魚の部位(鰓=えら、鰾=うきぶくろなど)を含めて701種類とされています。魚偏の漢字が登場した飛鳥時代には鮭(さけ)、鮎(あゆ)、鯛(たい)、鰒(あわび)の4つだけで、これは税として都に納めた納税記録の木簡から明らかにされています。 この話をセミナーで前振りでしたところ、セミナー後半の質問コーナ
どれくらい砂糖を摂っても大丈夫なのか
糖尿病や糖尿病予備群の人に対して、血糖値を上昇させるブドウ糖の摂取量の指導をしていますが、「糖尿病でなければ、どれだけ摂ってもいいのか」と聞かれることがあります。100kcal単位のダイエット指導では100kcalを基準として示しています。砂糖のエネルギー量は1g当たり約4kcalなので、砂糖に換算して25gという量になります。砂糖を飲み物に入れるだけなら、自分で量を調整できるものの、菓子でも加工





