金言の真理84「将軍の馬」1

今やネット検索で、どんなことでも知ることができる時代だけに、面倒な言葉に、わざわざ解説を加えなくてもよいような状況になっています。

そんな中にあって、「将軍の馬」はネット検索では将軍の乗っている馬、将軍の愛馬といった説明文しか出てこなくて、真理・真意は面倒であっても語っていかないと伝わらないという、困った言葉の一つとなっています。

将軍と馬の2つをキーワードとして検索すると、ほとんどが「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」という諺(ことわざ)が出てきます。これを現代文に直すと「敵の将軍を倒すためには、まずは乗っている馬を倒すべきだ」ということになります。

強力な将(将軍、大将、武将)を、いきなり倒そう(射止めよう)としても、なかなか敵わないことなので、将の馬を倒す(射る)ことが先決だ、というのは戦略として理にかなっていることです。

ここから転じて、「目的を果たすためには、その周囲から先に攻めることが大切」という意味として使われるようになり、“外堀を埋める”という言葉と同様に使われるようになっています。

城を攻め落とすときには、外堀を埋めて相手の守備力を弱めておいてから、一気に攻撃していくということで、目的を達するためには遠回しの作戦を取るというのが“外堀を埋める”の意味するところです。

「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」は、唐時代(8世紀)の詩人・杜甫の『前出塞』の一節の「射将先馬」に由来しています。

お題の「将軍の馬」は、これとつながる話なのかというと、実は違っていて、「将軍の愛馬の葬式には多くの参列者が来るが、将軍の葬式には人が集まらない」という皮肉な状況を示しています。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕