自然のものだけを食べていれば健康になれるという感覚は根強くて、細胞レベルから健康になるためには農薬も食品添加物も使わない、遺伝子組み換え食品もトランス脂肪酸も避ける、グルテンもよくないとして小麦製品は食べない、という人がいます。何を食べるかは本人の自由なので、そんなことはやめるようにとは言わないようにしています。
どんなに注意しているつもりでも、自然界にも有害ミネラルは多く、全部を避けて生活するわけにはいきません。外から入ってくる有害物質だけでなく、体内毒素と呼ばれる活動をした結果、代謝産物として身体の中で発生する老廃物もあります。体内毒素には疲労物質の乳酸のほかに尿素、尿酸、アンモニアのほか、腸内細菌の悪玉菌が発生させたインドール、スカトール、硫化水素などの毒素も含まれます。
そこで体内の有害物質を追い出すためのデトックスが注目されていて、岩盤浴から腸内洗浄まで、さまざまなデトックス法が体験できる環境になっています。「デトックス」というのは解毒作用のことで、デトックス(detox)は解毒を意味するdetoxificationの短縮形です。デトックスの元祖と呼ばれる医師の広報を手伝ったことがあり、岩盤浴くらいではデトックスはできないことはわかっていたのですが、そこは広報ということで目をつぶったところがあります。
身体の機能は、消化・吸収・循環・代謝・排出に分類されていますが、そのうちの排出がデトックスであり、排出部位としては皮膚が最も広くなっています。しかし、皮膚から汗として排泄される量は約1%でしかなくて、便から約75%、尿から約20%が排出されています。排出の中でも便の排泄が最も重要だということです。
大腸には悪玉菌が棲みついていて、代謝物として有害物質が作られるわけですが、これは大腸壁から吸収されます。吸収されて血液に入ると全身を回っていくことになるので、少しでも有害物質が大腸内にある時間を短くするために排泄が重視されます。大腸壁から吸収されるのは悪玉菌が作り出した有害物質だけではなくて、口から入ってきた有害物質も体内で発生した有害物質もあります。
これらの吸収を減らすためには便通をスムーズにすることが重要で、私たちの健康関連の講習では、排出(排泄)に関わる項目が必ず入っています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)






