そこが知りたい60 日式中華料理

中華料理と中国料理の違いについて前回(そこが知りたい59)は、料理名が同じでも味付けが違うということを中心に書きました。

日本人が好む味付けにしたのが中華料理で、本場の味は中国料理という分類をしましたが、日本の中華料理は「日式中華料理」と中国では呼ばれているという報道を目にしたことがあります。

これは考えてみると妙なことで、中華料理は日本のものということからすると、正しくは「日式中国料理」となるはずです。

そのような混乱があるほど、日本人には中華料理という用語が、中国の料理という受け止め方をされているということです。

味付けだけでなく、食べ方が違うものもあって、刺激が人気の酸辣湯麺は日本で生まれたものです。中国では酸辣湯という酸味と辛味があるスープがあり、これに麺を入れて一つの料理にした酸辣湯麺は日本発祥です。

八宝菜は中国発祥で、8種類の野菜という意味ではなくて多くの食材が使われた料理を意味しています。食材と切り方が異なるだけで日本と中国で大きな違いはないのですが、八宝菜をご飯にかけた中華丼となると、これは日本発祥です。

中華という用語が中国風を意味していると考えれば、普通に思いつくことです。

となると、冷やし中華も日本独特ということで、中国では冷たい料理が主流の地域では冬でも冷たいものを食べていて、逆に熱い料理が主流の地域では夏でも熱いものを食べています。

天津飯は、ご飯にカニ玉を乗せて、甘酢餡をかけた料理で、丼ではなく皿に乗せて提供されます。これは天津(華北平原の北東部)だけでなく、中国にはない日本発祥の中華料理です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕