そこが知りたい63 漢方は中国医学なのか

漢方というと、中国から伝わってきた伝統医学という印象が抱かれがちです。中国から伝わってきた医学であるのは事実ですが、中国医学そのものではありません。日本に伝えられた中国医学を基にして、日本で発展してきた伝統医学が漢方です。

そのため、中国では伝統医学のことは漢方とは呼ばれていません。中国では2000年以上前から発展してきた伝統医学は中医学と呼ばれています。中国では中医学が日本では漢方と呼ばれていることは理解していて、日本式の中医学を漢方と呼ぶことが多くなっています。

日本でも一般にイメージされる漢方と、日本独自の中医学を別物と扱って区別するために日本漢方とも呼ばれるようになっています。

なぜ日本では中医学を漢方と呼ぶようになったのかというと、江戸時代の中期にオランダ医学の蘭方との対比で、漢方と名付けられました。

その当時の中医学が伝わってきたので、日本の漢方は江戸時代の漢方から進化していない、という人もいます。しかし、伝統医学は現状維持ではなくて、それぞれの時代、地域、人々の状態に合わせて変化をしてきました。

伝統を重視しながらも変化をしていくのが中医学であり、日本の漢方の特徴ともなっています。

中医学の歴史は2000年以上に及び、人体のバランス、自然と環境の調和、症状を原因から追求、そして病気になるまでの段階から対処する未病の発想があります。日本の漢方も、その基本に則りながら発展してきたので、古いままの医学ではありません。

中医学(東洋医学)の発想で、西洋医学に取り組む、そこに東洋医学だけでなく、さまざまな健康になるための方法を研究していく医学関係者の団体が日本未病学会で、一般社団法人化の支援をさせてもらいました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕