「思います」の三段活用ということがメディアなどで言われるようになりました。
国語の世界では「思う」は五段活用の動詞で、活用形は「思わない、思います、思う、思うとき、思えば、思え」となります。
この五段活用と、思いますの三段活用は全く違ったもので、思っていることから実は思っていないというところの範囲を示しています。
その三段活用は、「思います」「かと思います」「かなと思います」です。今回のお題の「かなーと思います」は、対話で使われるもので、あまり文章に出てくるものではないのですが、曖昧表現の代表のようにも扱われています。
「かと思います」は思いますの意思を弱めた使い方で、「かなと思います」は推測や提案を控えめに、もしくは丁寧に伝えるときに使われます。
この三段活用は、どれも思っているというのは共通していて、実際は思っていないというようなことはありません。
ところが、「かなーと思います」は“ー”がついて、なを伸ばしただけなのに、本音ではないという心理・心情が現れてきます。
「かなーと思います」は、独り言、不思議に思う気持ちや疑問の気持ちを表すときに使われるという解釈で、実際は思っていないけれど、思っているように伝えようとして使われていて、メディアではクレームを避けたい気持ちがあることを表す逃げワードとされています。
いつから言われるようになったのか、どこが発祥なのかは諸説があるところですが、幼稚園・保育園などでは、かなり前から使われてきているようです。
園児に対して保育教諭などが質問をして、その回答に対して、「先生は〜かなーと思います」といったように使われてきていて、断定しないこと、答えを出さないことが優先されての言葉づかいです。
それが、いつの間にか広がり続けて、一般社会でもクレームやアンチコメントを避けたい気持ちの現れとして、今では当たり前のように使われるようになっている、ということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






