そこが知りたい79 「かなーと思います」から見えてくること

幼稚園・保育園などの園児に対して保育教諭などが質問をして、園児の回答に対して断定をしない表現として、「かなーと思います」という言い回しをしていたことから、だんだんと広がり、今ではメディアでも当たり前のように使われるようになってきました。

それは発言を見聞きしていた人からのクレームやアンチコメントを避けたいということが根底にはあります。

クレームやアンチコメントを避けるための方策として、最も安全な方法は決められた台本どおりに話すことで、最近のテレビ番組では“まるで台本どおり”と感じさせるシーンが多くなりました。

“まるで”ではなくて、台本に書かれている通りの発言もあって、その内容が本音であるのか、本音ではないのかは口調や顔色を見ていれば、簡単に判断がつきます。

言いたいことを言ってもよいけれど、その後にフォローの言葉を付け加えることが条件となっている場合もあって、そのことはメディアに登場した(長い付き合いがある)医療関係者から聞きました。

「〜である」との断定の後に「と思います」、「と考えるのが普通かと思います」、「との声が多いと思います」と続けるということです。

これが専門家ではない人(報道バラエティのコメンテーターなど)のコメントとなると、「かなーと思います」、「ではないのかなーと思います」といったように、急に「かなー」がつくことが多くなってきます。

テレビ番組の台本に「かなーと思います」と書かれている証拠があると言って、その部分を写して送ってきてくれたディレクターがいました。

最近では、「私だけの考えかもしれないのですが」と言ってから本題を話して、「かなーと思います」と続ける例も増えてきています。

このような「かなーと思います」は目上の人や尊敬している人に対しては使うものではなくて、少なくともリスペクトしていれば口から出てくるものではありません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕