サプリ概論166 ビタミンDは骨の強化だけの作用なのか

ビタミンDは骨を強化する作用があるビタミンで、カルシウムを多く摂取してもビタミンDが不足していると骨を強くすることができないことが指摘されています。ビタミンDは腸内でのカルシウムの吸収を促進する作用があり、ビタミンDが不足すると骨が細くなり、もろくなります。
カルシウムの摂取量は、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(令和元年)の結果では摂取基準量に対して全体的に30%ほど不足しています。そのため、食事で不足する場合にはサプリメントでの摂取もすすめられていますが、それと同時にビタミンDも摂取すべきだということです。
日本のビタミンDの摂取目安量は1日に8.5μgですが、アメリカでは15〜20μgとなっています。この違いはビタミンDに期待される機能の違いです。アメリカではビタミンDには炎症を抑え、細胞増殖、神経機能、免疫機能の調整なども期待されています。
ビタミンDの摂取量を「国民健康・栄養調査」(令和元年)で見ると、男女平均で1日に6.9μg、男性では7.4μg、女性では6.4μgとなっています。骨の強化に必要とされるビタミンDにも不足しているというのが実態です。
体内で必要なビタミンDは食品から摂るだけでなく、日光の紫外線を浴びることによって体内で合成されます。ビタミンDが多く含まれる食品としては、魚、卵、キノコ類(特に干し椎茸)があげられます。干し椎茸は効果的な食品といえますが、それは椎茸を天日干しするときに紫外線を浴びて、干し椎茸の前駆体のプロビタミンDからビタミンDに変化するからです。
ところが、現状の干し椎茸の多くは天日干しではなくて、熱風乾燥が多くなっているため、プロビタミンDの状態です。そこで使用する前に天日干しをして変化させる必要があります。
サプリメントに使用されるビタミンDは、ビタミンDそのものであるので、不足分を補うことができます。ただし、ビタミンDのサプリメントの中には摂取目安量と同量のものが含まれているものもあるので、食品からの摂取量を配慮してサプリメントの摂取量を考える必要があります。