健康づくりの活動というと、ピラミッド型の組織があって、頂点の方針に従う、トップを見習って行動するというのが常識的とされた時代がありました。
素晴らしいモデル(雛形)があって、それと同じ行動をする、行動にあたっての実際の活動は上が示しているものをコピーすればよいという時代もありました。
しかし、これでは頂点が機能しなくなったときに、末端まで機能しなくなるというリスクがあります。機能したとしても、上が示した方法を各エリア(ピラミッド型組織の底辺)が実施できないようなことが起こったら、対処することができなくなります。
そのようなことが実際に起こったのは、コロナ禍がきっかけだったという例が多く見受けられます。継続するための危機管理を中央で実施できなかったために、本来なら各地で対応できたはずのことが、できなかったという結果です。
例えば、多くの人が取り組みやすいウォーキングについては、日本ウオーキング協会が組織されていて、その傘下に都道府県のウオーキング協会があります。そして、都道府県のウオーキング協会の傘下に、地域会(歩こう会、徒歩の会など)があります。
(ウォーキングは一般名称、ウオーキングは日本ウオーキング協会の固有名称)
都道府県のウオーキング協会が実施しているウオーキング大会は、日本ウオーキング協会が実施スタイルを決定していて、そのマニュアルに従って実施されています。
コース認定も参加料も、その分配も日本ウオーキング協会が決定しています。これ以外の方法での実施は許されず、ウオーキングの唯一の記録である歩行距離も、日本ウオーキング協会が主管するウオーキング大会の記録だけが認定記録となります。
このような統一されていた実施方法がコロナ禍の3年間で全国規模では機能しなくなったわけですが、それを踏まえて地域の事情に合わせた実施方法を求める声がありました。
しかし、従来の方法以外では実施できない仕組みであり、コロナ禍の3年間が過ぎたときには、全国組織が縮小され、都道府県協会は継続されていたものの、元の状態に戻ることはありませんでした。
これについては次回(セカンドステージ63)に続きます。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕