誰もが同じような記録や発信の方法を持っている時代には、同じように撮影をして、同じように見てもらうことをしていても評価を受けにくいということがあります。
カメラであればコンパクトカメラと一眼レフのプロ仕様では、その性能によって、同じ条件で撮影しても結果が違ってくるのは普通に考えられることです。
コンパクトカメラしか持っていなくても、いつも持ち歩いていれば特ダネ(ニュースやスクープ)をキャッチすることもあります。本格的なカメラ機材では、プロでもなければ持ち歩いで特ダネを狙うというのは難しいことでした。
しかし、今は誰もが高性能のカメラを持ち歩いているような時代です。それはスマートフォンやタブレットの撮影機能のことで、初期段階のデジカメに比べたら比較にならないほどで、しかも撮影と同時に送信して、一気に拡散することができます。
誰もが特ダネのカメラマンのようなもので、撮影して簡単に拡散できるということは、撮られる側としたら、とんでもない状況です。写真や映像は、状況がわからないと、どんなふうにも解釈される可能性があるということで、偽情報も簡単に拡散させられます。
プロのカメラマンであったら、そのあたりの倫理観は当たり前の条件ということであっても、倫理観なしに誰もが撮影して拡散できる時代には、よほど気をつけないと、どんなトラブルを起こすかわからないところがあります。
今や撮影と発信は、セカンドステージに入ってしまったということで、それに即した対応も取る必要があります。
それだけに、すべてのカメラマン(?)に、その役割と責任を強く意識してもらう機会を設けることが急務でないかと感じているところです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕