セカンドステージ67 社団法人と財団法人の選択

公益活動を目指して法人を設立しようと考えている人から、よく聞かれるのは、社団法人と財団法人は、どのような違いがあるのか、ということです。

基本的には社団法人は「人の集まり」を基盤する法人で、財団法人は「財産」を基盤とする法人です。

人と財団のどちらに対して法人格を与えるのかということですが、最も大きな違いは財団法人が財産の拠出が必要条件であるのに対して、社団法人の場合には財産拠出が必要条件とはなっていません。

とはいっても、活動をするためには、そのための費用が必要で、社団法人は会員から会費を得ることが原則となっています。会員は個人であっても法人(企業)であってもよいわけですが、法人が会員である場合には、会費の取り扱いが難しくなることがあります。

例えば、売り上げが大きく違う企業があった場合に、同じ会費でよいのかということがあります。会費の金額を変えると、多く支払っている企業の発言力が強くなり、社団法人の役員も大きな企業が占めるということも起こってきます。

そこで、一定の財産を複数の会社で分担して、それを基盤として財団法人を設立する方法が採られることもあります。財産の拠出があっても、それ以外に会費を集めていけないということではありません。

というのは、財団法人は財産が基盤であるので、その財産を減らすことがあってはなりません。財産が減ってしまったら、財団法人としての基盤が失われてしまうことになるので、活動のための資金が必要になります。

そのため、会費を得たり、収入を得るための活動をすることができるわけです。

財団法人は、誰が財産を出したのかが重要であって、出した人が実権を握ることもあるので、どちらを選択するのかは活動の内容や人の関係から慎重に行う必要があります。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕