セカンドステージ70 家元制度の教育の仕組み

家元制度は日本独特の伝統をつないでいくシステムで、常に上を目指して学んでいく修行のような活動があって成り立つものです。

茶道や華道では、トップが直接教えるのは上位の資格者に対してであって、その多くは講師となります。この講師が下(質ではなく上下関係)の資格認定講習の講師となって教えます。

この第一段階の資格認定者が、その下の第二段階の資格認定講習の講師となります。これが流派などによって段階に違いはあるのですが、共通しているのは上から下へとピラミッド組織のように教えていることです。

そして、下の資格認定者は上の資格認定講習を受講して、合格することで上の資格認定者となります。技量と能力、努力によって最上位の講師を目指すことも可能です。最上級は家元の宗家の一族によって占められているところもあるものの、それ以外の人の最上位の資格を得ることができるというのが家元制度の良いところです。

では、家元(宗家)は何をするのかというと、伝統を絶やさないように質を高めていくのが仕事で、それがあるから長く続いていくのです。

ピラミッド組織の維持と運営は事務局の仕事であり、事務局が家元と呼ばれることもあります。宗家は長男が継ぎ、事務局は兄弟が継ぐということで、何百年も伝統と組織を守ってきた家元・流派が受け継がれてきたのが日本の特徴といえます。

これを見習って、さまざまな講習が3段階、4段階の資格認定を実施していますが、これは講習と講師の養成が組み合わされていることから、活動資金を継続的に得ながら、活動を継続させるという優れた仕組みでもあります。

この仕組みは、教えっぱなしではなく、常に最新情報を提供し続けなければならないということで、始めたら終えることができないということでは、家元制度のエッセンスが受け継がれていると考えることができます。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕