コロナ後を見据えたウォーキングとして注目されているのは、ノルディックスタイルの2本をポールを使って歩く方法です。日本ノルディックウォーキング協会、日本ノルディックフィットネス協会、全日本ノルディック・ウォーク連盟、日本ポールウォーキング協会など複数の団体があり、2本のポールを使って歩くということは同じであっても、ポールの形状、使い方などに違いがあって、それぞれ資格認定を行い、他の歩き方では合格しない“流派”のような状態となっています。
それぞれの“流派”に所属して普及する人たちにとっては、歩き方は重要なことでしょうが、自分に合った歩き方、より健康になれる歩き方を探している人にとっては、歩き方にまで細かな注文はつけられたくないという感覚があるのは当然のことです。
ノルディックスタイルのウォーキングは、北欧発祥のクロスカントリースキーのようにポール(スティック)を後方について勢いよく前進するアグレッシブスタイルと、前方について安定性を得るディフェンシブスタイルがあります。前者はポールの接地面が45度の傾斜になっていて、後者は平らか丸い形状になっています。歩き方によって、これだけは守ってほしいということがあります。高齢者が安定性、安全性を求めているはずなのに、なぜが45度の傾斜のポールを使っている人がいて、接地面積が極めて狭くなるので、危険極まりないというシーンも案外と目にしています。
そのようなことがないようにするためにも“流派”に従って指導をしているということですが、“流派”に頼らなければ歩けないということではありません。
基本さえ押さえておけば、好きに歩いてよいと、“流派”の方々に怒られそうなことを言っているのは、そこまでして運動効果がある歩き方を各地域で、しっかりと行わないと、コロナ禍で歩数が減り、健康状態が低下した現状から脱却できないからです。ノルディックスタイルのウォーキングは、どれもポールを持っているので一定の距離を開けて歩く必要があります。また、全員が同じ方向を向いて、運動強度が高い割には大きく息が弾むことがないのでフィジカル(ソーシャル)ディスタンスを保った運動ができます。これこそコロナ禍で低下した健康度を一気に高めていくのに適した運動効果がある歩行法だと信じているからです。

