児童発達サポーター10 発達障害の実数把握の難しさ

文部科学省の『通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査』(2022年)では、学習や生活の面で特別な教育的支援を必要とする児童生徒数は約8.8%と報告されています。

この調査によると、発達障害の可能性がある児童生徒のうち、校内委員会で特別な教育的支援が必要だと判断されたのは18.4%と5人に1人にも満たない状態です。しかも、発達障害の可能性のある児童生徒のうち、38.6%が「いずれの支援も受けていない」という結果になっています。

早期発見が充分でないこともあり、発達障害児の割合は実際には10%に達していると推定される要因の一つとなっています。また、発達障害は脳機能の発達の偏りやズレが要因となって、社会生活に困難が生じる状況を指していますが、その特性は生涯に渡って継続するという特徴があります。

ところが、これとは違った印象を与えるような結果も文部科学省の調査の中にあります。それを取り上げて、発達障害は年齢が進むにつれて改善すると主張する向きもあります。

それは区分別の割合で、小学生が10.4%、中学生が5.6%、高校生が2.2%という数字になっています。このうち小学生と中学生の調査対象人数によって平均したのが8.8%という数字です。

これは年齢が進むにつれて、発達障害児支援の改善効果が現れていくことだけでは説明がつかず、感情のコントロールによって表面に現れにくくなることや、発達障害によって進学や就職が不利になることを心配した本人や保護者による抑制なども要因として指摘されています。

発達障害は成人になっても特性は継続する特徴があり、社会での関わりが強まる中で対応力がつくために現れにくくなっているだけという見方があります。子どものときに早期発見ができなかったために、改善への取り組みが遅れ、大人になってから発達障害の特性が現れる例も少なくありません。

早期に発見することが重要であり、発達障害者支援法には国と地方公共団体の責務として、早期発見と早期支援が明記されています。ところが、早期発見への取り組みが不十分なことに加えて、発達障害が広く社会に理解されていないことから親が受診をさせず、周囲に隠すことも起こっています。

この支援の遅れは、発達障害の状態を悪化させることはあっても、改善へのつながりは期待できないことは明らかなことです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕