児童発達サポーター5 共助としての支援活動

発達障害児への支援は、福祉の観点で、さまざまなことが実施されています。児童発達支援事業所(未就学対象)、放課後等デイサービス(小学生・中学生・高校生対象)、障害児相談支援事業所、日中一時支援が主なところです。

これは「公助・共助・自助」の区分けからすると、公助に当たります。その公助の発達障害児への支援は、さらに充実していくことが期待されていることに反して、共助としての発達障害児の保護者への支援は、あまり行われていない実態があります。

発達障害児の家族に対する支援活動は、保護者の集まりは各地にあるものの、悩み相談、ストレスの解消といったことが主になっているところがほとんどです。

そういったこともあって、発達障害児の保護者、中でも母親は子どものための情報を得ようとして、さまざまな機会を見つけて出かけているということを多く見受けます。その一つとして保護者の集まりが期待されているところですが、情報収集の場としては物足りなさを感じさせるようなことが多くなっています。

「情報収集に時間をかけるくらいなら、少しでも子どもと一緒にいて、触れ合う時間を増やすべきではないか」と指摘されることもあります。しかし、そのような“冷たい声”が出てくるのは、期待に応えられるだけの(少なくとも期待をしてよいと思われるような)共助の仕組みになっていないからです。

期待するような結果が得られないと、新たな出会いを次々と求め、転々としていく姿を見かけることが多く、そのことを指して“発達障害児の保護者の特徴”とさえ言われることがあります。これも自助では希望がかなえられないことに対して、なんとかならないかと頑張っている保護者の姿ともいえます。

期待に応えられるだけの場所が周りにないとしたら、探し続けるのではなく、自分たちで作ろうとする動きがあってよいはずです。その動きも徐々に見られるようになっています。

発達障害児の保護者の自助組織からスタートして、共助として何をすべきかを考えていくことは大切ではあるものの、そのためには人材が必要となります。

公助と自助の間を結ぶことができる共助となるためには、両方(公助と自助)を充分に理解していて、ともに何をしなければいけないかがわかっていることが重要になります。

各地の頑張っている方々の活動を支援して、子どもたちにとってよい地域環境を作り上げていくためには、広域での共通認識に基づく活動が必要で、そのためのサポート体制として考えられているのがタイトルとして掲げている「児童発達サポーター」です。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕