学習支援51 朝ごはんは“ごはん”のほうがよいのか

朝ごはんという言葉を聞くと、朝に食べるごはんを思い浮かべる人も少なからずいます。朝ごはんの大切さを学び、さっそく朝ごはんの習慣を始めたという人の中には、大切さを伝えた側を驚かせるような朝食を食べる人もいます。それは朝に“ごはん”だけを食べているという例です。この場合のごはんは、米を炊飯したご飯です。
朝に何も食べないことに比べれば、白米だけであっても食べているだけでもよいという考えもあります。ご飯の糖質(でんぷん)は胃で消化されるとブドウ糖にまで分解されて吸収されます。ブドウ糖は、すぐにエネルギー化されるエネルギー源で、全身の細胞の働きに必要ですが、中でも脳のエネルギー源はブドウ糖だけなので、学習のための脳のエネルギー源を補給することにつながります。
ブドウ糖が脳細胞に吸収されれば、それでエネルギー化されるわけではなくて、ブドウ糖が細胞のミトコンドリアに取り込まれて、エネルギー化の道をたどるときには複数の水溶性ビタミンが必要になります。ミトコンドリアの中でエネルギーを発生させるTCA回路で効率よくエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出すためには4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)がセットで必要になります。
水溶性ビタミンは体内では1日ほどしか保持されないので毎日摂取する必要があります。ビタミンB₁とビタミンB₂は体内で24時間ほど保持されるのですが、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は12時間ほどしか保持されません。そのため、朝食と夕食ではビタミンB₆とビタミンB₁₂が含まれた食品を食べる必要があります。だから、朝ごはんとして白米だけを食べていてもエネルギー化は充分には行われないということです。