学習特性サポート97 学習時間に交感神経が働いているのか

起きている時間帯は自律神経の交感神経が盛んに働き、夕方から寝ている時間は副交感神経が盛んに働くというのが通常のリズムです。

ところが、発達障害では自律神経の切り替えがスムーズにいかずに、起きている時間にも副交感神経の働きが盛んで、交感神経が働きにくい状態になることが少なくありません。

そのような状態で勉強をする、体育で身体を動かすというのは集中もできず、身体の動きもよくないために、まるで夜中に勉強をして、運動をしているのと同じようなことになってしまいます。それでは好成績を望んでも、期待した結果が出にくいことになります。

オリンピックやパラリンピックの競技の決勝の時間が夕方以降か、夜中にもなっていたのはアメリカのゴールデンタイムに合わせたからのことですが、そんな交感神経が働きにくい時間に頑張って好成績をあげた選手は、心身ともに大きな負荷がかかっていました。

これと比べるのが正しいのか議論があるところですが、副交感神経の働きが盛んになっている状態で勉強に励ませるのは、いかに酷なことなのかを気づいてもらう一つの例として紹介させてもらっています。

夕方から夜中に交感神経が働いてしまっている発達障害がある子どもの場合には、本来なら寝ている時間帯に活動的になっていることから、起床後は副交感神経の働きによって眠くなってしまうような状態になっています。これでは学校に行く意欲も湧きにくくなり、これが不登校の一つの原因にもなっています。

こういった状態を改善するには、就寝を早くして睡眠時間を確保して、早めに起床することがすすめられていますが、それだけのことでは残念ながら自律神経の働きを調整させることができないのが現実です。

こういった苦しい状態で学んでいるのが自律神経の調整が乱れた子どもの実態であることを知ってほしいのです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕