強み5 L–カルニチンの研究成果

L–カルニチン研究の第一人者である王堂哲さん(薬剤師/薬学修士/工学博士)を日本メディカルダイエット支援機構の副理事長として迎えてから、エネルギー代謝科学の研究を大きく進めることができました。

L–カルニチンは体内(主に肝臓と腎臓)で、必須アミノ酸のリシンとメチオニンから合成されているものの、20歳代前半をピークに減少していきます。

L–カルニチンは、その体内合成が低く、エネルギー代謝が低下するカルニチン欠乏症の治療のための医薬品の成分として使われてきていました。

欧米では食品から抽出・合成することができるようになり、食品にも使用することが許可されていました。そのことからエビデンス(科学的な裏付け)が確認されていて、厚生労働省がL–カルニチンを食品の成分として使用を許可する根拠の一つともなりました。

エネルギー産生を行うミトコンドリアは全身の細胞内にあって、それを合わせると全体重の10%ほどにも及んでいます。中でも大きなエネルギー源となっているのは脂質で、糖質の2倍以上のエネルギー価があります。

脂肪酸がミトコンドリアの膜を通過するときには、L–カルニチンと結びつく必要があります。L–カルニチンの不足は、脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれにくくなり、その脂肪酸は脂肪細胞や肝臓などに蓄積されていくようになります。このことが年齢を重ねると代謝が低下する原因とされています。

厚生労働省に対してL–カルニチンの研究成果を提供したのは、スイスの医薬品原材料製造会社(Lonza)の日本法人(ロンザ社)で、同社のニュートリション部長が王堂さんでした。

王堂さんは、現在はロンザ社の顧問で、和洋女子大学家政学群の客員教授、千葉大学医学部の非常勤講師、愛知学泉大学家政学部の非常勤講師などを務めています。

その研究テーマは、もちろん“エネルギー代謝科学”です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕