L–カルニチンは脂肪代謝の有効性が認められて、2002年に医薬品の成分だけでなく食品の成分として使用することが厚生労働省によって許可されたものの、その力が充分に発揮されない状態がありました。
それは、科学的な成果が示されていて、最高レベルのサプリメント成分であることが認められているL–カルニチンであっても、実際に摂取する製品が表示されているデータと異なることがあるからです。
というのは、L–カルニチンのサプリメントとしての原材料は同じ(必須アミノ酸のリシンとメチオニン)であっても製造法によって中身が違ってきます。
従来の製造法は微生物発酵でしたが、私たちが研究しているロンザ社(前回:強み5で紹介)のL–カルニチンは微生物発酵を凌ぐ化学合成法(野依法:ノーベル化学賞受賞者の野依良治氏の開発した反応法)によって開発され、自社工場で製造されています。
ロンザ社のL–カルニチンは日本国内ではシェア80%を占めています。
良質なL–カルニチンには特有の味があり、多くの量を含有させるのは錠剤形では味の面で摂取しにくいことから、多くの販売会社はロンザ社のL–カルニチンの含有量を少なくして他の成分を組み合わせるか、含有量を増やすために他社の旧来の製造法によるL–カルニチンを使っているのが実情です。
味の問題なしに多くの量を使用する場合にはカプセルを使用する方法があります。カプセルに充填すれば味の問題はなく、胃で溶けることから小腸で吸収させることができます。しかし、価格面でカプセルは使いにくいというのが健康食品業界の現状です。
ロンザ社はL–カルニチンの原材料製造会社であり、自社では商品のサプリメントは販売していませんが、研究用としてL–カルニチン100%の液状のカプセル充填型を開発しています。
使用されているカプセルは、植物由来の医療用カプセルで、これは世界のトップメーカーがロンザ社の親会社である医薬品原材料製造会社(Lonza)の傘下に加わったことから国内工場で好条件で製剤化できるようになりました。
これはロンザ社の顧問(元ニュートリション部長)の王堂哲さん(工学博士)が、日本メディカルダイエット支援機構の副理事長である関係から使用することが可能となったものです。それもあって、研究用のL–カルニチン100%液状カプセル充填型をメディカルダイエットの研究のために、原価で提供を受けています。
その内容ですが、原材料はL–カルニチン、溶剤のグリセリン、植物由来カプセル素材のHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の3つだけです。
これを私たちのエネルギー代謝科学研究の強みとして活かしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕