健康科学情報センターを設立して、その代表を務めることになった1995年は、健康に関する新たな情報が勝手に増えていく状況で、情報を分析して提供する先としてはテレビ番組(全国キー局)がほとんどした。
1995年には「地中海式ダイエット」が注目されて、低炭水化物でオリーブ油を摂る地中海周辺の食事がダイエットとともに全死亡率を低下させることが発表され、人気になりました。
身近なもので健康に役立つ素材を見つけようという動きが始まり、その先駆けとなったのは「ココア」でした。ココアに含まれるポリフェノールの抗酸化作用を日本チョコレート・ココア協会が国際シンポジウムで発表して、これは格好のネタとなりました。
健康素材としては、「アミノバイタル」(分岐鎖アミノ酸と呼ばれる脂肪代謝作用があるバリン、ロイシン、イソロイシンが配合された)、「VAAM」(スズメバチのスタミナの元である17種類のアミノ酸を配合したスポーツドリンク)が人気となりました。
1996年は、今も続くスムージー人気の始まりの年として伝えられています。アメリカでスムージー専門店がオープンして、すぐに日本にレシピが伝わり、メディアなどを通じて大人気になりました。
健康情報のテレビ番組の雄とされる「発掘!あるある大事典」は、1996年10月27日から2004年3月28日までの日曜日の20時から放送され、食品やダイエット、サプリメント成分などを中心に取り上げていました。
2004年4月4日から2007年1月14日までは「発掘!あるある大事典Ⅱ」と改称して放送されていましたが、データ捏造問題(納豆ダイエット)で打ち切りとなっています。
1996年は、総理府(現・内閣府)がアメリカからの市場開放、規制緩和の要求に応えてサプリメントの規制緩和と販売解禁が閣議決定した年です。
また、1996年は「生活習慣病」の呼称が発表された年としても記録されています。これまで成人病と呼ばれてきた成人になって多く発症する疾病は、生活環境や食生活の変化などもあって成人だけでなく、若年者にも見られることが多くなってきたことから、新たに生活習慣病という呼称を定めました。
生活習慣病ということは、誰の責任でもなく、それぞれの人の生活習慣そのものに原因があり、健康の維持・増進は自己責任であり、自己管理が重要であるという考えを普及させるのに一役買った形です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕