1995年から始まった健康関連の出来事の大変化の一応のゴールは2001年で、この年に厚生省と労働省が合併して厚生労働省が発足しました。
その前年の2000年は、次々と新たな施策が始まりました。
その一つが健康日本21で、第3次国民健康づくり対策の元年にあたり、21世紀における国民健康づくり運動が掲げられて、「健康日本21」と名づけて、健康寿命の延伸と生活の質の向上が生涯を通じた健康づくりとして始まりました。
それまでは健康づくりの方針を掲げても、目標値が定められていなくて、実際に成果があったのかが明らかにされないことがありました、そこで「健康日本21」は目標値と実際の違いを10年後に検証して、次の10年の計画を立てるという画期的な健康づくりの施策となりました。
この国民運動では、予防対策としてメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を掲げて、内臓脂肪の減少が大きな健康目的としてスタートしました。
2000年には、翌年の厚生労働省の発足を踏まえて、厚生省の従来の健康づくりのための食生活指針を改定して、新たな「食生活指針」を農林水産省、文部省(現:文部科学省)との連携で、各省庁の取り組みとして発表されました。
『食生活指針』
1.食事を楽しみましょう
・心とからだにおいしい食事を、味わって食べましょう。
・毎日の食卓で、健康寿命を延ばしましょう。
・家族の団らんと人との交流を大切に。また、食事づくりに参加しましょう。
2.1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを
・朝食で、いきいきした1日を始めましょう。
・夜食や間食はとりすぎないようにしましょう。
・飲酒はほどほどにしましょう。
3.主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを
・多様な食品を組み合わせましょう。
・調理方法が偏らないようにしましょう。
・手作りと外食や加工食品・調理食品を上手に組み合わせましょう。
4.ごはんなどの穀類をしっかりと
・穀類を毎食とって、糖質からのエネルギー摂取を適正に保ちましょう。
・日本の気候、風土に適している米などの穀類を利用しましょう。
5.野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて
・たっぷり野菜と毎日の果物で、ビタミン、ミネラル、食物繊維をとりましょう。
・牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などで、カルシウムを十分にとりましょう。
6.食塩や脂肪は控えめに
・塩辛い食品を控えめに、食塩は1日10g未満にしましょう。
・脂肪のとりすぎをやめ、動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよくとりましょう。
7.適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を
・太ってきたかなと感じたら、体重を量りましょう。
・普段から意識して身体を動かすようにしましょう。
・美しさは健康から。無理な減量はやめましょう。
・しっかりかんで、ゆっくりたべましょう。
8.食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も
・地域の産物や旬の素材を使うとともに、行事食を取り入れながら、自然の恵みや四季の変化を楽しみましょう。
・食文化を大切にして、日々の食生活に活かしましょう。
・食材に関する知識や料理技術を身につけましょう。
9.調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく
・買いすぎ、作りすぎに注意して、食べ残しのない適量を心がけましょう。
・賞味期限や消費期限を考えて利用しましょう。
・定期的に冷蔵庫の中身や家庭内の食材を点検し、献立を工夫して食べましょう。
10.自分の食生活を見直してみましょう
・自分の健康目標をつくり、食生活を点検する習慣を持ちましょう。
・家族や仲間と、食生活を考えたり、話し合ったりしてみましょう。
・学校や家庭で食生活のただしい理解や望ましい習慣を身につけましょう。
・子どものころから、食生活を大切にしましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕