日々修行254 デジタル昭和100年問題

2025年は昭和で数えると100年になります。「昭和100年」というと、なんだかアナログな雰囲気もあるのですが、これに「問題」がつけられて、「昭和100年問題」となると、いきなりデジタルの話に変わります。何がデジタルかというと、秒単位で刻まれる時間を指しています。

世界時間の基準は、イギリス・ロンドンのグリニッジ天文台を通る子午線を世界中の経度と時刻の基点としています。地球1周は360度で、1日は24時間なので、1時間は経度15度になります。

日本の標準時は、兵庫県明石市を通る東経135度の子午線の時刻と定められています。世界基準とは9時間の時差があります。

時間を知るための装置は、各国で標準電波が使われています。日本では1999年6月から情報通信研究機構が2か所(福島県、佐賀県)から発信していて、これを放送局も電波時計も使っていて、デジタル機器の時刻の基本としても使われています。

「絶対に変わらないもの」という感覚ですが、それが変わるかもしれないとしてデジタル業界が隠れた(国民に知られてはならない?)対策をしてきました。

昭和99年(2024年)から昭和100年に日付がバトンタッチされた2025年1月1日の0時0分0秒に、正確にバトンタッチされない可能性(危険性)がありました。

その可能性の理由は、日本のデジタル時刻、それを採用して機器に組み込まれている年の情報のシステムが昭和の元号の2桁表示をベースに構築されていたからです。

それが正確に更新できるのかどうかは、つまり3桁に移行できるのか、それとも3桁目の1が切り捨てられて00になるのかは、そのときにならないとわからないというのが、「昭和100年問題」だったのです。

日本は元号と西暦の両方の年数表示を採用しています。官公庁や金融機関などの書類は元号が基本で、コンピュータシステムの多くは西暦で打ち込んでも令和で表示されます。

遅れた考え方をしている人のことを“昭和の発想”と言うことがあり、令和の時代に、そのような発想を続ける人には、「その間に平成の30年があるのに」と言ったりもします。

令和を西暦に換算するには、令和の年数に「018」(れいわ)を足せばよいという覚え方が使われます。令和7年であれば18を足すと西暦の下2桁の25になるので、「2025年」が正解となります。

このようなことがコンピュータの中でも行われていて、昭和では何年になるのかということも、昭和を西暦に換算して、それに経過した年数を足して、それから令和に換算するという面倒なことをしています。

面倒だというのは人間の考え方であって、コンピュータにしてみれば簡単なこと、即座に終了することですが、その仕組みが時代に合っていないと、思ってもみないようなことが起こりかねません。

デジタル昭和100年問題は、そこが重要なことであって、今でも官公庁や金融機関を中心に公文書では、年を昭和2桁で表現するシステムが存在しています。令和の今もシステム内部では昭和として扱われているのです。

元号で使われるのは1世代の年であるので、99年の間で表現できます。そこが元号のよいところではあるものの、昭和100年になったときには、想定をしていなかった3桁になるので、これを昭和0年と認識することが起きて、デジタル時計で動かされているシステムが正しく動かなくなるシステム障害が懸念されていました。

日本ではデジタル庁が2021年9月に創立され、こういった問題が一番に解決されることを期待していたのですが、各省庁のシステムの連携やマイナンバーカードの推進のほうに力が注がれた結果、完全に後回しになってしまいました。

現在のところ、デジタル昭和100年問題は起こっていないというのが公式発表です。大きなシステムのトラブルも更新ミス、サイバーアタックということで済まされていますが、果たしてそうなのかという感覚の人も少なくありません。

自分の持っている端末の不具合は機器やサービス側の問題なのか、それとも……ということで私の場合は次のようなことが発生しています。
LINEは全体の未読が50本を超えないと開いてみることができない、開いて10分ほどでまた見られなくなる

Facebookは私から友達申請ができない、友達申請があってもメッセージ文がついていないとmessengerで返信できない、私も相手も友達を継続しているのに友達リストから削除されている

といったことで、これを運営会社に問い合わせをしても返答をしてもらえないので、不便な状態で使い続けるしかないのが現状です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕