日々修行271 おいしい冷や飯食い

“冷や飯食い”は、冷めたおいしくないご飯を食べるという、食べ物や食事そのものを表している言葉ではなくて、端的に言うと冷遇されることを指しています。他の言葉では蚊帳(かや)の外に置かれるということになり、要は重要な仕事や地位から外されることを意味しています。

「冷や飯食いもいいものだ」「冷や飯のおいしい食い方を学ばなければいけない」と発言した元総理大臣がいましたが、これは与党の総裁選で女性候補者が敗れたことを受けたタイミングで発せられたことでした、

最大の“冷や飯食い”といえば、与党総裁選での敗北でも、総選挙で少数与党になったことでもなくて、政権を明け渡して野党になることですが、そのタイミングで“おいしい冷や飯”を食べる機会に付き合うことになりました。

後に政権を取り戻したときに、総理大臣の口から「悪夢の3年3か月」と表現された2009年9月から2012年12月までにあったことで、そのうちの2年ほどは政権奪回のための朝食会が平日の早朝に行われていました。

当事者の最高責任者が今はいなくて、これを書いたとしても“噂ばなしの延長”と捉えてくれる人が多いので文に残せるようになりました。

与党時代は代表も閣僚も、日本の経済界とのつながりの深さから、さまざまな情報が入手できて、霞が関の役人からも情報が相次いでいました。それが途絶えると、情報が来なくなるだけでなく、“絵に描いた餅”のような口約束で人を動かすことも難しくなります。

情報交換を行っても、個別(個人、企業)にやっていたのでは、伝えることはできても、相手が納得してくれているのか、「納得した」との言葉を引き出したとしても、それが本音なのか確認することも難しくなります。

そこで取られるのが集団での会合の場です。それも同業の方々を一定数(多くもなく少なくもない)集まってもらって話をする場で、これは与党政権の中枢の方々なら、無料で開催することもできます。

ところが、野党となると無料というわけにはいかなくて、そのうち政権奪取したら元を取り戻せるからといって“自腹”を切ることも躊躇します。そこで考え出したのが、朝食会という形で、情報収集と交流の場に自由意思でやってきて、会費を払って参加するという機会です。

今(当時のこと)は野党であっても、“次の総理大臣”と一緒の席で親しく話ができる絶好の機会ということで、経済界の方々に文書を回すことになるわけですが、与党時代と違って堂々と広く回すということはできません。

そこで、参加希望リストに載っている方々に、個別に直接渡していくことになるのですが、そのような役回りの一部が私に回ってきたのは、政権を奪った勢力側のサポートとして、会合を仕掛けていたことが知られていたからです。

本来なら“敵側”の人間に声をかけてきたのは、のちに“日本のトップ”になる方の秘書で、その方とは政治家の葬式で巡り会いました。

与党になった方々と何をしていたのか、どんなことをしていたのかということについては別の機会にして、次回(日々修行272)は朝食会で、どんな役回りをしていたのかを書くことにします。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕