文章は“書く”と表現されるので、パソコンを使って文章を作成することも“書く”と表現されるのは普通のことになりました。実際にはキーボードに対して指を使って打ち込んでいても“書く”という感覚です。
タブレットの画面をタッチしての文章作成でも、音声入力による文章作成でも“書く”というのも違和感がない時代になりました。このあたりのことは前回(日々修行307)、「パソコンがないと生きていけない」というお題で書かせてもらいました。
どのように変化していっても、右利きであるとペンで書くのも打ち込むのも右手(主には手首から指)を使うことになるので、いろいろと手段を変えたり、使い分けたりしても負担はかかり続けています。
キーボードを打っての文章作成を始めたのは1982年からのことで、そのときはワードプロセッサーでした。これは購入したわけではなくて、出版社が貸してくれました。それは単行本のゴーストライターとして原稿用紙に手書きをしていて、腱鞘炎を起こしたことから、もう書けないと訴えたら、2日後に当時は70万円以上したワードプロセッサーが届けられました。
それからパソコンの時代になり、そこからの年月を考えると、左指の筋(すじ)が傷んだ状態になって、整形外科医でも治せない状態になってしまいました。それでも人差し指と中指をテーピングでカバーして、なんとか誤魔化すことはできていました。
この期間が長く続き、今では、あまり使っていない親指に痺れが出るようになって、その痺れが痛みに変わってきました。キーボードは右打ちが中心になって、キー打ちのスピードが大きく下がって、かなり時間がかかるようになっています。感覚的には30分で終えていた文章作成に、90分はかかっています。
それでも手書きの時代に比べたら、どれだけ楽になっているのか、パソコンやタブレットがなかったら、もう文章を“書く”のは不可能という状態になってみて、デジタル機器の有り難さを今さらのように感じていました。
それが最近では、どれだけ時間がかかるという状態では済まなくなっていて、指だけでなくて、肘から先に痛みが出ていて、もう「パソコンがあっても仕事ができない」という、お題どおりのことになっています。
その原因はわかっていて、首の椎間板が影響しています。これについては、中学2年生のときに空手の試合で首にキック(蹴り技)を受けて、頸椎の椎間板がつぶれたことによって神経が圧迫されているため、ということを前にも書いています。
首の頸椎は7個あって、上から4番目と5番目の間の椎間板から手首から指先までの神経が出ています。この部分の椎間板がヘルニア状態になると神経を圧迫して肩から腕、指にかけての痺れや痛みを感じるというのが一般的な認識です。
健康関連の仕事を長くしてきたので、このあたりのメカニズムには詳しいほうで、椎間板ヘルニアを得意とする整形外科専門医の知人も数多くいます。
これについては次回(日々修行309)に続きます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕