日々修行325 ダイエット活動の始まり

私が健康関連の仕事をするきっかけは複数あるのですが、その中で“公式見解”としてあげているのは1986年に主任研究員として招聘されたHDS研究所です。

HDSは「Hospital Diet System」の略で、直訳すると病院栄養管理となります。この名称をあげると、「Dietが栄養を指すのか」との疑問の声が出ることが多かったのですが、それに対する答えは「Yes!」でした。

病院関係者、というよりも臨床栄養の世界に関わる方の中では、「Diet」は食事療法の英語表現であり、食事療法の根本である栄養管理を指しているという認識があります。

そのため、私や研究所のメンバーの所属先として書かれるときにはHDS研究所の前に病院栄養管理が“勝手に”つけられていて、「病院栄養管理HDS研究所」と表示されることがありました。

研究所の所長は国立病院出身の管理栄養士で、日本栄養士会の理事長も務めていて、日本臨床栄養協会を立ち上げた初代の副会長でもありました(会長は臨床栄養に詳しい医師)。

その日本臨床栄養協会の会報誌にも肩書きとして「病院栄養管理HDS研究所」が使われていたくらいなので、一般にはHDS研究所と言っても、まったく通じないという感じがありました。

そこで名刺には「H.D.S.研究所」として、英語表記を略したもので、それぞれの頭文字が意味することを明らかにすることとなりました。

本来の意味は「Hospital Diet System」だったのですが、メンバーの管理栄養士や医師などは国立病院と大学病院の出身がほとんどで、所長を除いて後に大学教授になった人ばかりでした。

これらの先生方と競っても仕方がないということで、病院の栄養管理から全般の健康管理、食事だけでなく運動など総合的な研究と活動をするようになりました。

そんなことで、「H.D.S.」のことを「Healthy Diet Science」と受け取ってくれる人が増えてきたことから、健康のための正しい方法が「H.D.S.」であると堂々と言えるようになりました。

「Diet」については、これまでにも何度か説明してきましたが、日本語的な“やせる”という意味ではありません。元は「方針、戦略、作戦」といった意味があり、正しいことを正しく実践することがDietであり、そこから正しい食事療法がDietになり、正しい運動療法もDietと呼ばれるようになりました。

ちなみに医療機関などの栄養士は英語では「dietitian」と表記されます。よく栄養士の英訳として使われている「nutritionist」は一般的な食事や栄養の知識がある人を指しています。

今でも私はダイエットの専門家のように紹介されることもあるのですが、そのときにはスタートは臨床栄養のH.D.S.研究所と言うようにしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕