日々修行331 人生の最終コーナー

「人生の最終コーナー」という言葉は、1周が400メートルの陸上競技場のグラウンドをイメージしたものです。

平均寿命が1周分と考えると、男性の平均寿命は約81歳なので、最終コーナーを曲がって、あとはゴールを目指して一気に進むだけという年齢は60歳を少し超えたところとなります。

女性の平均寿命は87歳を超えているので、単純に計算をすると、残り100メートルを走るのは65歳すぎということになります。

平均寿命ではなくて、自由に動くことができる「健康寿命」となると、男性では約72.5歳、女性では約75.5歳です。平均寿命と比べると、男性は約8.5年、女性は約11.5年も短いことになります。

人生の最終コーナーを曲がって、男性の場合はラスト100メートルのうち60%ほどを走ったところで、急にスピードが出なくなり、やっとゴールに辿り着けるという状態です。

女性の場合は52%を走ったところで、思ったようにスピードが出なくなるという状態となる計算です。

私は古希ということで70歳に達したので、健康寿命まではあと2年ほどで、とっくに人生の最終コーナーを曲がり切っているので、もう走るべき距離は極めて短いということになってしまいます。

あくまで計算上のことですが、実際のところは人によって道の長さも走路の状況も違っています。グラウンドは平坦であっても、人生の長い道は平坦ではないはずです。

ゴール近くまで走って、あとはスピードを落としても着実にゴールできるという状態になっていても、そこで終わってよいのは陸上競技の話で、人生のレースでは「ゴールだと思って全力で駆け抜けたつもりだったのに、まだ先が続いていた」ということもあります。

できることなら、最後がどうなっているのか確認してみたいところですが、そのときには何も走り続けることはなくて、目標であったゴールまではジョギングくらいの速度で走ったとしても、その先は歩いていければよいとの思いがあります。

人生の道は人それぞれで、ただ全うすればよいということではなくて、歩いた末に何が残るのかを考えて着実に進んでいきたいものです。

その思いとマッチする言葉としてあげたいのが、徳川家康の教えとして伝えられている「人の一生は重き荷を背負って遠き道を行くがごとし」です。

この言葉の意味と、どのように歩いていくのがよいのかということは次回(日々修行332)に書かせてもらいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕