日々修行336 “臭い飯”が臭くない

古くなった米が急に“臭い飯”になるわけではない、ということを前回(日々修行335)書きました。なぜ臭くなくなったのかというと、メディアで伝えられているのは冷蔵保存をしているからだ、という理由です。

これは本当の理由ではないことは、業界関係者はわかっていても、米の冷蔵保存を口にしています。冷蔵保存が始まったのは、私が小学3年生のことで、今から60年以上も前のことです。その当時に住んでいた新潟県の田舎の村に農協の米の冷蔵倉庫ができて、校外学習として最新施設の見学に行きました。

そのときから、冷蔵保存のことが気になって、機会があるたびに農協関係者から品質の変化について聞き、自身でも調べてきました。保存法は変わっていないのに、古い米(古古古米)がおいしくなったのか、というと、そこには特別な処理法があります。

“古”が3つつく「古古古米」は動物の餌や給食に使われると報道されていますが、給食といっても、これは前回取り上げた刑務所の給食のことで、他の給食(学校給食、病院給食、福祉給食、産業給食など)で「古古古米」が使われることはなかったのです。

ところが、今では“古”が4つもつく「古古古古米」が店舗でも市販されました。以前であれば古古古古米は、一般には知られない存在で、人の口に入ることがないデンプン(糊などの材料)でしたが、それが外食産業でも使われるようになったことには“理由”があります。

それについて多くの人が目にする機会があるサイトで詳しく記載することは、さまざまな事情があって、書き方が変わってくるところですが、それなりの加工処理がされています。

品質を低下させる要因の虫の発生を防ぐために燻蒸処理が行われ、カビを防ぐための防カビ処理、酸化を防ぐために酸化防止処理が行われ、殺菌と色の変化を防ぐために殺菌処理が行われます。

漂白剤を使用することは、米に限らず多くの食品で禁止されているのですが、抗菌処理をした副次効果で白くなるのは、なぜか許可されています。

このような処理のために使われる薬剤は、玄米の段階で使われるのが“原則”で、精米の段階で糠(ぬか)と胚芽は取り除かれるので、白米には残らないとされています。しかし、このことに疑問を抱く人、不安を感じている人は少なくないということは充分に承知しています。

ここで一つだけ情報を伝えておくと、防カビ剤の原料は特殊な農薬で、カビは根を張っていくことから、これに対応する防カビ剤は奥まで浸透していく性質があります。また、保存期間が長くなるほど浸透していくようになることは普通に考えられることです。

糠を取り除くだけで完全に除去できるのか、それとも白米に残っているのか、そこが明らかにされないと、いくら安いても(とはいっても以前の銘柄米と変わらないような価格)食べたいとは考えない人がいたのは理解できるところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕