高齢者向けシェアハウスは、高齢者が共同生活を送りながら、安心して暮らせる住まいの一形態です。一般的なシェアハウスと同様に、キッチンやリビングなどの共用スペースを利用しながら、個室でプライバシーを確保できる仕組みです。
1)一人暮らしの孤独を解消、コミュニティの中で暮らせる
高齢者の一人暮らしは、孤独感やうつリスクの増加が懸念されます。共用スペースでの会話や食事、レクリエーションを通じて他の入居者と日常的に交流が生まれるため、孤独感を軽減できます。また、集団生活のために緊急時に周囲の住人が気づきやすい環境も安心材料となります。
2)生活費の節約が可能
家賃や光熱費、食費などを入居者同士でシェアできることに加えて、安全で快適に暮らすための安全設備、防犯設備などを低い負担で導入することができるため、一人暮らしよりも経済的負担を軽減できます。
3)自由な暮らしができる
老人ホームのような厳格なルールがなく、自由度が高いため、自分のライフスタイルを維持することができます。外出や食事の時間を自分で決められるため、これまでの生活リズムを崩さずに暮らせます。
4)介護が必要になる前の段階で住める
老人ホームに入る必要はないものの、一人暮らしが不安な人にとって適度な距離感で支え合える環境が整っています。
訪問介護や生活支援サービスなどを必要に応じて受けることができるため、必要なサポートを受けながら住み続けることも可能性です。
高齢者向けシェアハウスのメリットが多くあげられる一方で、以下のような不安の声もあげられています。
1)介護スタッフが常駐していない
24時間介護スタッフが常駐しているわけではないため、要介護度が高くなると住み続けることが難しくなる可能性があります。介護が必要になった場合に訪問介護やデイサービスを利用できるかどうかの確認が必要となります。
介護付きシェアハウスでは常駐していますが、スタッフの経験や質に差があり、それが高齢者向けシェアハウスの選択に影響を与えています。
2)入居者同士のトラブルの可能性
共同生活のため、生活習慣や価値観の違いによるトラブルが発生する可能性もあります。掃除や食事のルール、騒音問題などが起こりやすいことから、入居ルールを定め、それを入居希望者に伝えると同時に、入居者の相性を確認することが大切になります。
3)プライバシーの確保
個室が原則であるものの、共用スペースを他の入居者と使うため、一人の時間を確保しにくい場合もあります。プライバシーの確保と、その継続についての対応が求められます。
4)バリアフリー設備の安心感
高齢者施設とは異なり、一般住宅を改装した場合にはバリアフリー対応ができていないこともあります。高齢者施設との違い(もしくは同等性)を明らかにすることが大切になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕