20年前は2005年ですが、「20年前と変わらないことを言っている」と感じさせられることが相次いで放送されています。
放送ということはテレビ番組ですが、それこそ20年前には情報発信していたことを、新たな情報のように伝えている番組が経ていることから、複数の関係者(全国キー局の編成など)に問い合わせてみました。
私から文句を言うようなことしなくても、私から連絡があったことで、先に言い訳をされたことが何度かありました。
7月10日が記念日の「納豆の日」ということもあって、納豆の健康効果の情報が目立っていたのですが、その中でもポリアミンについては各局が伝えていました。ポリアミンは納豆菌によって発酵する過程で発生する生体アミンで、老化や生活習慣病に関連する遺伝子の異常メチル化を抑制する効果が確認されています。
有効性が期待できるだけのポリアミン(2〜3mg)を得るためには、毎日1パックの納豆(45〜50g)を食べるとよいということですが、そのことを私が全国納豆協同組合連合会の納豆PRセンターのメディアと流通業界向けのリリースに書いたのは2004年のことでした。
私が全国納豆協同組合連合会の全国広報を初めて手掛けたのは2002年のことで、その年から5年に渡って納豆PRセンターの毎月リースの原稿を書いていました。
最近のテレビ番組ではポリアミンだけでなく、多彩な栄養素の健康効果も取り上げていますが、それを書いたのは2002年からです。
納豆の食べ合わせはテレビのネタに向いているようで、各局(全国キー局)が別の素材を取り上げ、地方局(といっても岡山の8局)でも地域で知られる素材を混ぜて食べるということをしていました。
食べ合わせのことを書き始めたのは2003年からのことで、初めの原稿は納豆とキムチの健康効果でした。
2003年からは日本豆腐協会、2004年からは日本豆乳協会でも同じような広報活動をして、3つの毎月の広報が重なっていたのは3年間に及びました。
納豆、豆腐、豆乳は、どれも同じ素材(大豆)であるので、健康効果を出すのは簡単だっただろうと言われることもあるのですが、同じ素材だけに、それぞれ切り口を変えないと、全部が同じような割合で取り上げられることはありません。
毎月、メディアが使いやすい情報を出していくという苦労はしたものの、それだけ健康効果の根拠やエビデンスについては徹底的に調べました。
それから20年を経て、根拠やエビデンスが新たにわかったということなら、メディアが取り上げるのもわからないではありません。しかし、報道されるのは、私が書いてきたままのことです。
新たな切り口を求められることもありましたが、そうそう新ネタが出てくることはありません。そのため、各局とも見せ方を変えるだけで古い情報が元ネタとして使われ続けています。
今回は納豆の話が中心ですが、他にも、たくさん“ツッコミ”したくなる番組があって、これだけでも20回以上の連載ができそうな感じです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕