コンサルタントは確固たる信念があっても、それを押し付けようとしてはいけないと言われます。かといって相手に阿(おもね)ることがあっては、コンサルタントの本質からズレることになるという考えもあります。
阿るというところまでいかなくても、コンサルタント先に受け入れてもらいやすいように、工夫を凝らすのは普通にやられていることで、相手の気持ちを推しはかる忖度(そんたく)の範囲のことは気づかずにやっている人も少なくありません。
そういったコンサルタントは「当たる」と表現されることがあり、今回のお題は、その当たる部分について書いています。コンサルタントといっても、さまざまな指導の対象があって、中でも人材教育となると、表現によって当たるか当たらないかがクッキリと別れてきます。
誰も指摘されたことがネガティブ(否定的、後ろ向き、消極的)であれば、積極的に聞こうという気になりにくいものです。それに対してポジティブ(肯定的、前向き、積極的)であると、その気になって取り組もうとする雰囲気を高めていくことになります。
『好奇心が旺盛』と言われれば嬉しい気分にもなりますが、実際は「飽きっぽい性格」だということを案に示しているだけ、ということがあります。ここでは『 』はポジティブ表現、「 」はネガティブ表現の例として使い分けています。
他にも『集中力がある』は「視野が狭い」、『柔軟な行動』は「無計画」の言い換えとして使われます。『思慮深い』は「優柔不断」、『面倒見がよい』は「おせっかい」、『慎重』は「心配性」ということです。
遠回しの表現は、よく京都っぽいと言われることがあるのですが、『仕事が丁寧』は「仕事が遅い」、『物を大切にする』は「ケチ」、『忍耐力がある』は「諦めが悪い」、『論理的』は「理屈っぽい」という表現になります。
私の場合には、『オールラウンダー』と評価されることがあるのですが、これは「専門性がない」とか「取り柄がない」という意味も含まれてのことではないかと思うことがあります。
『大器晩成』と言われると一瞬喜んでよいのかと思うこともありましたが、この言葉を使う人からは「成熟に時間がかかりすぎ」という意味合いも感じます。
『上昇志向がある』というのは、「高望み」「プライドが高いだけ」というような見方も含まれていて、表向きの言葉に惑わされないようにしなければいけないと思うこともあります。
考えすぎと言われればそれだけかもしれませんが、文筆の世界を長く経験してきて、血液型別の性格について書くときに、ネガティブ発想を封印して、ポジティブ発想の言葉を使っていたことを今更ながら思い出しています。
また、当たると評判の占い師にアドバイスしたのも、ポジティブ発想の言葉の頻発だったことを思い出しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕