日々修行350 名刺ジャンケンの勝ちと負け

名刺ジャンケンは、名刺コレクション(名刺交換をしてゲットした有名人の名刺)を使って、ジャンケンのように手札として出して、勝ち負けを競う“大人の遊び”です。一対一から複数まで競い方は自由であるものの、数が多いほど誰が勝ったのかわかりにくくなります。

同じ会社や同じ業界であれば上下関係は明らかで、同じ役職であっても現職が前職や元職よりも有利となります。元職であっても実績を残した人が有利となり、優劣がわからないときには手札(名刺)を出した人によるエピソードが決め手になるということもあります。

亡くなられた方であっても、著名な方であれば有効という暗黙のルールもあって、今も使える強力な肩書きの名刺は総理大臣、厚生労働事務次官で、いまだに“負け知らず”です。

総理大臣の名刺を持っている人は数多くいますが、個人的な付き合いがあったかどうかが手札の強さを決めることになります。私の場合は、出身地から選出された総理大臣の私邸の錦鯉の世話をしたとか、厚生省と労働省が統合したときの初代事務次官を厚生省側から出すために動いたことくらいではあるのですが。

政治家の名刺は、衆議院と参議院の選挙があるたびに著名な政治家が落選、引退となるので、強力な手札が“役立たず”になる場合も少なくありません。そんなときには、新たな手札を得ようと永田町に出向くというのは東京に住んでいたときにはあったことですが、岡山に移住してからは、強力な名刺を手にする機会は極端に減りました。

誰にもわかりやすい名刺の肩書きと仕事内容であれば、名刺ジャンケンに使えるものの、裏人脈の名刺は説明しにくいこと(秘密?)があり、この立場の方は役所から名刺を支給されていないこともあって、手札として使えないことも少なくありません。

名刺ジャンケンの手札を最もコレクションできたのは、ゴーストライターをしていたときで、メインの出版社が経済界に強いということもあって、150冊の書籍作成のために名刺交換させてもらった著者(本人は書いていなくても書籍に著者として出ているので)は150人を超えています。

歴史に残るような人物は誰も異論がないということもあって、もう1枚の“負け知らず”は松下幸之助さんの名刺です。

名刺コレクションの中では、だんだんと現役を引退して、徐々に亡くなる方も増えてきましたが、それは私の年齢(古希)から考えても当たり前のことです。

名刺ジャンケンの強さは、人脈の広がりと深さということもあって、どんな人脈なのか説明できる人の場合には人脈を活かすこともあります。

人脈というと、これを世間に広めるきっかけになったのは田中角栄さんでした。人脈だけでなく、金脈という言葉も広める結果になりましたが、このことについては次回の「日々修行 番外」(日々修行350と351の間)で余談(関連)として書かせてもらいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕