エネルギー代謝科学研究のお題で前回(日々修行356)は、サプリメントの話で終わりました。それに続いて今回は、栄養学を駆使した発達障害児の支援まで、エネルギー代謝との関わりについて書いていくことにします。
サプリメントというと、なんだか医薬品の薄いもの、医薬品よりも効果が弱いものという印象が抱かれがちで、それはサプリメント講習でも受講者の多くが抱いているイメージと合致していることです。
これに対する回答として、どちらの感覚も違ってはいない、場合によっては合っているということを伝えるようにしています。その根拠の一つは、これも前回、紹介した医薬品の成分から食品の成分として使用が許可されたものがあるという事実です。
ここで再度紹介しておくと、1997年にビタミン、1998年にハーブ、1999年にミネラル、2001年にアミノ酸が医薬品から食品成分としての使用も許可されました。
また、2001年にコエンザイムQ10、2002年にL-カルニチン、2004年にα-リポ酸が医薬品から食品の成分として使用が許可されました。
この事実を紹介すると、驚かれる人も少なくないのですが、それは医薬品は化学合成されたもので、サプリメントは食品から作られているものという印象が抱かれているからです。確かに医薬品の成分は化学合成されたものが多いものの、医薬品の成分の中にも食品が材料になっているものが多くあります。
上にあげたものは、どれも食品の成分から作られたもので、医薬品として認められていたものなので科学的メカニズムは明らかであり、食品の成分として認められるためのハードルは低かったと言えます。
L-カルニチンは脂質代謝に欠かせない成分で、α-リポ酸は糖質代謝に使われる成分です。コエンザイムQ10は細胞のミトコンドリアの中で起こっているエネルギー産生の最終段階で必要な成分です。
生命維持のために絶対に必要になることから、体内で合成されています。その合成のピークは20代前半で、それ以降は年齢を重ねるごとに低下していきます。これが加齢による代謝の低下の原因であり、食品の成分として使うことができるようになってエネルギー代謝を高めることが可能になったわけです。
また、ビタミンとミネラルはエネルギー代謝を正常に保つためには絶対に必要なものであり、3成分と組み合わせることによって、それぞれの状態の人にとって最良の方法を示すこともできるようになりました。
これは健康に気づかう人にもスポーツをする人にも重要なことであり、公益財団法人日本健康スポーツ連盟では健康運動指導士の講習の重要ポイントとして取り上げました。私は同連盟の理事を務めていたことから、講習の講師をさせてもらいました。
岡山に移住してからは、発達障害児の支援に関わるようになり、発達障害とエネルギー代謝の研究を進めていく中で、発達障害の改善のためにはエネルギー代謝の向上が役立つことがわかってきました。
その研究成果を発達栄養学としてまとめて、「発達栄養アドバイザー」の養成講習としても始めることができるようになりました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕