日々修行358 契約で言えないゴーストライト

健康に関する情報発信については前々回(日々修行356)、その流れを触れましたが、それと並行して書籍のゴーストライターを続けてきました。

184冊を世に送り出し、そのうち大手出版社では150冊を書かせてもらいましたが、その期間は1981年から1995年で、最後の原稿を書き上げた時に、Windows95から始まった情報伝達の大変革の時代が始まりました。

ゴーストライター歴は公式には184冊としているものの、あまり記録に残したくないものもあって、それは6冊あります。これを含めても190冊となりますが、それ以外にも10冊以上を仕上げています。

合計で200冊を超えているわけですが、これは契約の関係もあって、書いたことも言ってはいけないことになっています。概要だけは伝えても大丈夫かと確認して、ここで書かせてもらうこととなりました。

その初めは運転免許の学科教本で、一般の出版社や自動車関係の会社が発行しているものではなくて公式の教本です。これが発行されたときには関連する国の役所の保存資料の中から1部だけもらいました。

お役所との関係は、厚生労働省と内閣府、消費者庁というのが公式見解ですが、他にも忙しいお役人の代わりに原稿を作成したことがあります。一部だけということが多かったものの、ほとんどを書いたことが2回あります。発行されたのは確認したものの、どんな名称の発行物か誰の著書名かもわからないという状態です。

東京・赤坂には海外の公式機関があって、その広報の書籍は何度か、お手伝いをしました。これは英語で書かれた資料を訳すだけでなくて、日本の事情に合わせて書く、日本に対しての希望(要求)が書かれているという内容でした。

業界団体の書籍も手がけました。主には食品・健康関係でしたが、中には、まったく異なる業界のものもあって、その一つはパチンコ業界の書籍でした。

その作成のおかげで、業界の複雑な事情を知ることになり、それでパチンコ店が1軒もない文教地区に住んでいた19年間で、パチンコ店に行くこともないまま、仕事をさせてもらいました。

これらの発行部数は、一般書籍より圧倒的に多くて、もしも印税(書籍定価の数%)であったなら相当に稼げていたのでしょうが、他では経験させてもらえないことを経験させてもらったということで満足しています(することと自分に言い聞かせている?)。

契約で書いたことを言えないだけでなくて、そこで知ったことを他で書いてはダメという契約であったので、書籍のほかに雑誌、ネット情報でも書いてはいません。だから、書けるのは、ここまでです。

それでも書かせてもらった業界の仕組みなどを知ることはできて、それは後々に役立たせることができました。

最後に一言だけ付け加えておくと、宗教関係のゴーストライターだけは手を出していません。というのは、それを得意としていて、雑誌などにもよく登場していた作家が、ここでは書き残せないような悲惨な結果となったことを近くにいて見てきたからです。

その作家の仕事をバトンタッチしてもらえないかという依頼があったときに、決断したことの一つが東京から岡山への移住でした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕